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FP目黒政明氏に聞く「ETFとインデックスファンドの合わせ技で運用する」 東証ETF

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東証ETF・ETN活用プロジェクト [ ETFがわかれば世界がわかる 著名人にインタビュー ]

【第37回】

FP目黒政明氏に聞く

「ETFとインデックスファンドの合わせ技で運用する」

個人の資産運用でETFを活用するメリットはどこにあるのでしょうか。今回は生活設計塾クルーの代表取締役で、ファイナンシャルプランナーの目黒政明さんに、ETFを資産運用に活用する方法について、話を伺いました。
ETFを含むインデックス型ファンドのメリットはどこにあるのでしょうか。
目黒氏
目黒氏 生活設計塾クルー代表取締役
目黒政明氏
まず投資信託のメリットですが、少額資金で購入できることはもちろん、投資したい資産クラスさえ決めれば、個別銘柄を決める必要がないという手軽さもメリットのひとつです。
投資信託の種類を運用手法別に分けると、パッシブ運用とアクティブ運用に大別されます。パッシブ運用はインデックス運用とも言われており、TOPIXなどの市場インデックスとほぼ同じ運用成績を目指して運用されるものです。これに対してアクティブ運用は、インデックスを超える運用成績を目指して銘柄選別を行い、ポートフォリオを構築して運用します。
どちらを選ぶかは個人の考え方によりますが、アクティブの場合、たくさんあるファンドの中から、コスト、過去の運用実績、運用方針など、さまざまな要素を考慮したうえで、ファンドを選ぶ必要があります。これは非常に骨が折れる作業ですし、仮にそれらの手順を追ってファンドを選べたとしても、インデックスよりも高いリターンが得られる保証はどこにもありません。
このためファンド選びに自信がないという人は、最初からインデックスファンドを選んだ方が無難です。インデックスファンドであれば、たとえばTOPIXに連動するタイプというように、投資したい資産クラスさえ決めれば、個別ファンドの運用実績には、それほど差がないからです。つまり、ファンド選びに苦労せずに済みます。
さらに、インデックス運用のなかでもコストの安いものを最優先にしたいというのであれば、ETFを選ぶという選択肢が浮かんできます。ETFもインデックス型ファンドの一種ですが、一般のインデックスファンドに比べてコストが安い分、より原資産の値動きに近い連動率が期待できます。
基本的に、リターンを投資家がコントロールするのは不可能ですが、コストは自分で低いものを選べるという意味で、コントロールが効きます。したがって、出来るだけコストの低いものを選ぶという観点から考えると、アクティブ型ファンドよりもインデックス型ファンドであり、そのなかでもETFが最も望ましい選択ということになります。
ETFで資産運用をする場合、具体的にどのような活用法が考えられるでしょうか。
目黒氏
長期保有でも、あるいは短期売買でも対応できるのが、ETFの優れたところです。前述したように、ETFはインデックス型ファンドのなかでも、特にコストが低いので、長期保有するのに向いています。
投資信託のコストには、購入する際にかかる申込手数料、保有している間かかる信託報酬などがありますが、このうち申込手数料については、保有期間を長くすれば、1年あたりのコスト負担率は低くなります。ETFの場合は、申込手数料というよりも株式と同じ売買手数料が適用されますが、これも長期で保有すれば、1年あたりのコスト負担率を軽減させることが可能になります。
ただ、信託報酬については、保有している間、継続的に一定率のものがかかってくるので、保有期間が長くなるほど、コスト負担の差が大きくなっていきます。したがって長期保有する場合は特に、信託報酬が出来るだけ低いものを選ぶ必要があるのですが、この点、ETFは信託報酬がインデックスファンドに比べて、さらに低いので、長期保有に適しています。
一方、短期売買をするにしても、ネット取引であれば売買手数料は非常に低いですし、ETFは信用取引も可能なので、機動的な取引が可能です。具体的には、3倍程度のレバレッジをかけることができますし、信用取引で売り建てれば、相場が下落する局面で利益を確保することも可能です。特に現物株式のポートフォリオを持っている方は、目先、株価が下がりそうだと思えば、ETFの信用売りを行うことによって、現物株式ポートフォリオの値下がりリスクをヘッジすることができます。
また業種別ETFも、その時々のマーケットの状況に応じて利用する価値があります。たとえば、業種別で見て銀行セクターが割安になっているのは確かでも、個別銘柄を選ぶのが難しいという場合など、銀行という業種をパッケージで購入できるので、とても便利ですし、保有している現物株式と異なるタイプの日本株式に投資したいというニーズにも対応できます。
たとえば、大型株・優良株中心に投資している場合は、小型株指数(TOPIX Small)に連動するETFや、東証マザーズ、大証ジャスダックなどの代表的な100銘柄で構成されているS&P日本新興株100指数に連動しているETFに投資すると分散効果が期待できます。中小型株中心に投資しているのであれば、東証1部市場を代表する30銘柄で構成されているTOPIX Core30に連動するETFや、大型株指数(TOPIX100)に連動するETFを組み合わせるという手もあります。
海外のインデックスに対して連動させることを狙ったETFもありますが、これらはどのように活用すれば良いのでしょうか。
目黒氏
もちろん、資産クラス分散を図ろうと考えた場合に、この手のETFをポートフォリオに組み入れるという手はあります。これだけ品揃えが増えていますから、自分自身が理想と思えるポートフォリオを構築することができますし、ETFは海外市場の動きを見て、当日の価格で売買できるので、ETFを活用すれば外国株式も機動的に売買できるというメリットを享受することができます。
ただ、仕組み上は確かに機動的な売買が出来るわけですが、問題は出来高が少ないETFも存在しているということです。400万円、あるいは500万円というように、ある程度、まとまった資金で取引しようとした場合、どうしてもこの問題に直面してしまいます。もう少しETFの認知度が上がってくれば、こうした問題も解決するのでしょうが、現状、なかなか認知度が上がってきません。
理由はいろいろ考えられますが、そもそも個別株投資に積極的な人は、ETFも含めて投資信託全般に興味がない人が多いようですし、ETFは自分自身で勉強していかないと、なかなか馴染めない側面があります。特に、銀行などから勧められて初めて投資信託を購入した人が、次のステップとしてETFに行こうとしても、一般の投資信託に比べて仕組みが複雑という点で躓いてしまいます。
具体的に言うと、ETFには実際に投資家が売買する際に適用される市場価格と、ETFの資産価値を示す基準価額、そしてETFが連動を目指す指数の価格という3つの価格が存在します。こうした価格をどのように解釈して、売買の判断基準にすれば良いのかという点が、そもそも分かりにくく、それがETFを馴染みにくいものにしていると考えられます。
とはいえETFである以上、3つの価格が存在するのは止むを得ませんから、ここはじっくりと勉強していただくしかないと思います。あとは、出来るだけ証券業界などが、ETFのメリットを今以上に認知してもらえるような努力を重ねていくしかありません。大変なことではありますが、認知が広がれば、それだけ出来高も増えてくるので、ETFのメリットのひとつである機動的な売買が、今以上に活かされるようになるでしょう。
具体的に、どのような組み合わせをすれば良いのでしょうか。
目黒氏
前述したように、ETFの中には出来高が少ないものもありますから、無理にポートフォリオのすべてをETFで組もうと考えなくても良いと思います。たとえば日本株式についてはTOPIX連動型のETF、海外の先進国株式についてはMSCIコクサイに連動するETF、新興国株式についてはMSCIエマージング・マーケット・インデックスに連動するETFを組み合わせる。一方、債券についてはインデックスファンドで対応するというのも、ひとつの方法でしょう。また、リスクに備えるという点では金ETFも考えられますが、これについては出来高が多いので、金への投資はETFで十分対応できると思います。
実際にポートフォリオを構築する際には、リスクを低めにしたい場合と、積極的にリスクをとる場合とに分かれてきます。あくまでもリスク資産部分への投資配分比率ですが、たとえばリスクを低めにしたいというのであれば、国内株式15%、先進国株式15%の比率で、いずれもETFに投資します。国内債券についてはインデックスファンドで30%、先進国債券はETFもしくはインデックスファンドで30%を投資し、残りの10%は商品指数やREIT指数などに連動するETFかインデックスファンドに投資するというイメージです。
また積極的にリスクをとるのであれば、ETFで国内株式に25%、先進国株式に25%、新興国株式に10%、ETFもしくはインデックスファンドで先進国債券に20%、インデックスファンドで新興国債券に10%、ETFで商品関連に5%、ETFもしくはインデックスファンドでREITに5%という配分比率を参考にされてはいかがでしょうか。
リスク資産への配分1(リスクを低めにしたい場合)


リスク資産への配分例2(積極的にリスクをとる場合)
ポートフォリオを組んで運用する際のポイントについて教えてください。
目黒氏
4つのステップを踏んで投資しましょう。
ステップ1はリスク商品への投資割合を決めること。あまりリスク資産への投資比率を過大にしないように注意してください。
ステップ2は資産配分を決める。この時、特定の資産クラスに過大な投資をしないことを心がける必要があります。
ステップ3は時間分散を心がけてください。まず少額資金で投資を始め、一度にまとめて投資しないこと。数年かけて、自分が目的とするポートフォリオに近づけていきましょう。
そしてステップ4は、定期的にリバランスを行うことです。値上がりしたものは一部を売却し、値下がりしたものに資金をシフトさせて、最初に決めた資産配分比率に近づけるようにしましょう。リバランスについては、それほど頻繁に行う必要はありません。年1回程度、あるいは相場が大きく動いたときに、自分の資産内容を決算し、比率の調整をすれば十分です。
掲載日:2012年月07月10日
目黒政明(めぐろ まさあき)氏プロフィール
目黒氏 1959(昭和34)年生まれ
1983(昭和58)年 慶應義塾大学法学部を卒業後、大和証券に入社
1987(昭和62)年 独立系FP会社である株式会社エムエムアイ(MMI)に入社、FP部長などとして個人を対象とした資金運用アドバイスを幅広く行う
1992(平成4)年 MMIライフ&マネープランニングを設立、取締役に就任
2002(平成14)年 生活設計塾クルーの法人化に伴い、取締役に就任
2010(平成22)年 生活設計塾クルーの代表取締役に就任
CFP認定者 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
得意分野は金融資産運用設計(資金運用アドバイス)



 
   
    

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