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マネックス証券チーフ・ストラテジスト 広木隆氏に聞く「日本株に投資する意味とは?」 東証ETF

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東証ETF・ETN活用プロジェクト [ ETFがわかれば世界がわかる 著名人にインタビュー ]

【第42回】

マネックス証券チーフ・ストラテジスト 広木隆氏

「日本株に投資する意味とは?」

世界的に日本企業のプレゼンスが低下している、と言われています。確かに、これまで日本企業のお家芸と言われた家電製品では韓国企業の後塵を拝し、自動車もドイツなど諸外国企業に押され気味。そのような日本企業に投資する意味は、果たしてあるのでしょうか。マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆さんに、話を伺いました。
株価的には一進一退を繰り返している国内株式市場ですが、投資環境は良い方向へと進んでいるのでしょうか。
広木氏
マネックス証券フィナンシャル・インテリジェンス部チーフ・ストラテジスト
広木隆氏
今は、ちょうど良くなりかけているところだと考えています。日経平均株価で見ると、10月上旬に8,500円割れがありましたが、そこをボトムにして徐々に回復してきています。
なかでも注目したいのが米国株との連動性で、これまで米国株が下げると日本株はその倍くらい下げるという状態が続いていたのですが、最近はちょっと違います。直近、米国の株価はNYダウで200ドルくらい下げる場面が2回ほどありましたが、日本の株価を見るといずれも最初は下押ししますが、大引けにかけては戻しています。下値がしっかりしてきた証拠です。
なぜ、ここに来て下値がしっかりしてきたのかということですが、日本株を取り巻く環境が、徐々に良くなってきたからです。
たとえば、スペイン国債の利回り上昇が一服してきたことからも分かるように、欧州債務危機はようやく最悪期を脱した感があります。グローバル経済で最大規模を誇る米国経済も、ようやく住宅市況に底入れの兆しが見えてきました。住宅価格が底入れ、上昇に転じれば、それに伴って個人の消費者心理が改善されます。今の米国経済は、まさにその局面にあります。
そして新興国経済も一時期は成長に陰りが見えてきたなどと言われましたが、たとえば中国の輸出は、前年比で9.9%もの伸びを示しました。この背景にあるのは、言うまでもなく米国景気の回復です。結果、米国が中国から輸入を増やしたことの裏返しとして、中国の輸出が増えました。
現状、世界経済の回復度合いは、まだまだ緩やかですが、最悪期は脱したと考えて良いでしょう。そしてこのようにグローバル経済が上向いていくとともに、日本企業の株価も立ち直っていくと見ています。
日本の企業業績に目を向けると、4~6月期、7~9月期は減速気味でしたが、株価的には下方修正された企業でも、株価が上昇するものが散見されます。つまり、あく抜け感がでてきてるいのでしょう。
こうした日本株買いの根拠のひとつが、円高修正です。10月下旬にかけて、1ドル=80円台まで円安が進んだ局面で、日経平均株価は9,000円を回復しました。
株価動向のカギを握っている為替相場の行方は?
広木氏
日米金利差は今後、拡大していくと見ています。米国の金利は、景気回復期待を受けて上昇していきますが、日本の金利はデフレからの完全脱却がまだ先になります。日銀が10月に公表した「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」でも2014年度の消費者物価上昇率(生鮮食品を除く)は消費増税の影響を除くと+0.8%と、2月に示された1%の目標には届かない見通しです。
そうなると2013年も、そして2014年も、日銀は金融を緩和し続けることになります。この間、日米の金利差は拡大していきますから、為替レートは円安に振れることになるでしょう。
この円安が、日本の株価にとってはプラスに働きます。1ドル=85円まで円安が進めば、日経平均株価も1万円を超えてくるでしょう。来年夏場までの目標値は、1万2,000円とみています。
今後、円安が進み、基調が変わったと投資家が思えば、追随買いにも期待できますし、今年3月に日経平均株価が1万円を回復してからの下げは、欧州債務危機が主な要因でしたが、それも今は落ち着いています。したがって、前回高値は抜いてくるものと思われます。
日本企業のプレゼンスが低下しているように思えます。長期的に考えて、日本企業に投資する意味はあるのでしょうか。
広木氏
確かに、シャープやソニー、パナソニックなどの家電メーカーを見ると、いずれも業績は非常に厳しい状況に直面しています。その一方、韓国のサムスンなどが業績好調なので、余計、日本企業のプレゼンスが低下しているように見えるのでしょう。
でも、それは違います。
確かに家電メーカーや半導体メーカーは、円高と労働コストの高さから韓国企業に太刀打ちできない状況にまで追い込まれましたが、日本の産業構造は極めて裾野が広いという特徴を持っているため、グローバルで高い競争力を持つ企業は他にもたくさんあります。アップルのiPhoneだって、日本の部品メーカーが部品を供給しなければ、完成品を作ることはできません。テレビや雑誌、新聞などで広告宣伝されていないような企業のなかに、極めて高い競争力を持つ企業がたくさんあるのです。
また少子化が加速する一方、超高齢社会に突入したことで、日本経済が全般的に活力低下に陥るのではないかと懸念する声もあります。
確かに、現役世代の人口比率が高ければどんどんモノが消費されますから、経済活動は活発になります。しかし、少子高齢化が進む日本では、国内だけを見れば経済の活力は低下していくでしょうし、国内を主なマーケットとしている内需企業にとっては死活問題になるという懸念も当然です。
でも、日本の企業はそこまでヤワではありません。確かに、日本の内需はこれから縮小していくと思われますが、たとえばコンビニエンスストアや外食産業、食品メーカー、日用品メーカーなど、これまで典型的な内需産業と見られていた企業の中には、積極的に海外展開を図り始めたところがあります。いうなれば、内需産業の輸出産業化が進んでいるのです。
ちょっと余談になりますが、最近、テレビを見ていて、プロ野球番組の放送時間帯がどんどん短くなっていると感じることはありませんか?昔は、ナイター中継が延長されることもありましたが、最近はほとんどありません。つまり、プロ野球の人気が低下しているのです。当然人気の低下は、プロ野球選手にとっては致命的ですが、なかには米国のメジャーリーグでプレイする日本人プロ野球選手もいます。活躍の場が日本に無ければ、海外に出ていけば良いのです。
企業もそれと同じです。少子化と超高齢社会化という2つの大きな人口問題を抱えた日本で、もはや自分たちのビジネスが大きく伸びる余地はないと判断した企業は、どんどん海外に出て行きます。幸い、海外には中国やインドなどのような人口大国があり、これからいよいよ本格的な経済発展段階へと向かっていくのは、ほぼ確実です。だからこそ、伝統的な内需産業も、腹を括って海外進出を始めたのです。
こうした流れを受けて、日本国内だけでなく、広く海外の市場でも稼ぐことができるという日本企業が増えています。グローバル化の流れに乗った日本企業に投資すれば、日本だけでなく、海外にも分散しているのと同じ効果が期待できるはずです。
株式に投資する場合は、まず企業を選ばなければなりません。どういう観点から、企業を選べば良いでしょうか。
広木氏
一番大事なのは利益率です。とにかく利益率を見ること。まずはこれを心がけていただきたいと思います。
世間一般では、まだ会社の売上規模を重視する傾向が強いのですが、いくら売上が高かったとしても、肝心の利益が上がらなければ何にもなりませんし、利益率が高くなければ、その会社は非効率な経営を行っていることになります。
逆に、売上の規模が小さかったとしても、利益率が高い企業は、効率的に稼いでいることを意味します。株主としては、自分の投資している会社が、投下した資本に対してどれだけ稼いでくれるかということが大事なので、その点でも、やはり利益率の高い会社を選ぶことが肝心なのです。
また高い利益率を維持している会社というのは、それだけ強みを持っていることを意味します。いくら売上規模が大きくとも、利益率の低い会社というのは、それだけ販売している製品なり、サービスなりが厳しい価格競争にさらされ、ほぼダンピング状態にあります。つまり、自社に価格決定権がないということです。(薄利多売のビジネスモデルでも成り立つものもありますが・・・)
これに対して利益率の高い会社は、製品・サービスの価格決定権を握っているだけでなく、誰も真似のできない、独自の技術があるからに他なりません。誰も真似できない技術、ブランド力があるからこそ、顧客の側は高いお金を払ってでも、その会社から製品・サービスを購入しようとします。結果、その企業にとっては、利益を厚くできるのです。
いずれにしても、今年は欧州債務危機を発端にして、世界全体の景気が大きく落ち込みました。結果、日本企業にとってもマイナス材料になったわけですが、今年の後半あたりから、徐々にこうしたマイナス材料は解消していきます。日本株が上昇する要因も揃ってくるでしょうし、来年前半は明るい展開になると見ています。
掲載日:2012年月11月14日
広木隆(ひろき たかし)氏プロフィール
マネックス証券フィナンシャル・インテリジェンス部チーフ・ストラテジスト
上智大学外国語学部卒業。国内銀行系投資顧問、外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。
日本株ロング・ショートのヘッジファンドを自ら立ち上げ運用した経験も。
20年にわたるバイサイドでの経験、幅広いアセットクラスの運用及びプロダクトの知識に基づいた多角的な分析に強み。



 
   
    

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