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証券アナリスト松下律氏に聞く「新年度相場の行方は?」 東証ETF

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東証ETF・ETN活用プロジェクト [ ETFがわかれば世界がわかる 著名人にインタビュー ]

【著名人インタビュー第46回】

証券アナリスト松下律氏に聞く
「新年度相場の行方は?」

日経平均株価は4月5日に、1万2,833円の年初来高値を更新。アベノミクスによる今後の株価上昇には期待できるのか。新年度入り後の株価の行方について、証券アナリストの松下律氏に伺いました。
アベノミクスによって何が大きく変わったというわけではないのに、株価は堅調に推移しています。民主党政権時代と何が違うのでしょうか。
松下氏
証券アナリスト松下 律氏
別に、民主党政権時代も、安倍政権の今も、何かが劇的に変わったということはありません。それでも、株価は随分と上昇しました。日経平均株価で言うと、野田前首相が衆院の解散を宣言した昨年11月14日の前日が8,619円。それが4月5日には1万2,833円と大きく上昇しました。その間、自民党に政権は移行し、「アベノミクス」を引っ提げて安倍政権が誕生しました。
ひとことで言ってしまえば、民主党政権時代は資本主義を否定するような政策が次々と打ち出されました。事業仕分け、子供手当など、民主党らしい政策は出てきたものの、結局、そのいずれもが経済成長よりも分配を重視するような政策ばかりでした。株式市場という場所は、資本主義の典型のようなものですから、成長を否定するような政策ばかりでは、株価も上がるはずがありません。
もちろん、自民党も資本主義バリバリの政党というわけではありませんが、少なくとも民主党に比べれば資本主義寄りの政策を打ち出していますから、それをマーケットは素直に評価したということなのでしょう。
現在の株価水準をどう評価しますか?
松下氏
日経平均株価で1万2,000円から1万3,000円が、フェアバリューだと考えています。したがって、1万2,000円を下回る水準は割安、1万3,000円を超えていれば割高という判断が成り立ちます。
恐らく、1万2,000円から1万3,000円の水準というのは、とても居心地が良いのだと思います。ただ、いつまでもそこに止まっているわけにはいきません。やはり、日本経済が活況を呈していくためには、その水準を超えて、株価がさらに上昇していく必要があります。
とはいえ、ただで株価は上昇しません。株価が上昇するためには、相応の根拠が必要になります。一部では円安が進めば業績が良くなり、株高になると考えている人もいるようですが、円安なんて一時的なものに過ぎません。そのような一時的要因に頼るのではなく、本当の意味で業績を良くしなければならない。そのためにはリストラも必要だし、海外展開も考える必要があるでしょう。
もちろん国も、企業の業績が良くなるような政策支援を考える必要があります。そのひとつが「労働市場の市場化」です。
今の日本は、労働力の市場化が全くといって良いほど進んでいません。会社に入ったら一生同じ会社で働くつもりでいる人が多いのは、転職が非常に困難だからです。結果、人件費は固定費になり、柔軟な経営に支障を及ぼしています。
なので今やるべきことは、会社がその時々の経済環境、経営状況に合わせて、社員が余っている時はリストラし、逆に人手不足の時には新たに必要分を採用できるような、流動性の高い労働市場を創ることです。そのような労働市場が出来れば、仮にリストラに遭っても、すぐに新しい勤め先を見つけることができます。そうすれば、会社もより合理的な経営が出来るようになりますし、個人もリストラの恐怖に怯えなくて済みます。
このように、労働市場の市場化が出来れば、企業業績も着実に良くなっていくでしょう。それを実現するための政策を打ち出すことが、今の政治家には求められています。

日経平均株価(2012年7月1日~2013年4月5日)

チャート 日経平均株価(2012年7月1日~2013年4月5日)

出所:QUICK(Qr1)

個人が株式投資をするうえで留意するべき点は?
松下氏
まずポートフォリオ全体で言えば、国際分散投資は有効であること。円安が進むと、円建て資産の価値が目減りします。したがって、円安が進んでも全体の資産価値が大きく目減りしないよう、外貨建て資産を組み入れておく必要があります。
といっても、全体の70%、80%を外貨建て資産で持つなどと言うつもりはありません。外貨建て資産の保有比率は10~20%もあれば十分です。
また、一部ではハイパーインフレのリスクをヘッジするのに金(GOLD)の保有が望ましいなどと言われていますが、ハイパーインフレを恐れて金を保有するというのであれば、いたずらに保有比率を高める必要もないでしょう。たとえば金を1%だけ保有していたとしても、物価が100倍になるハイパーインフレの時には、保有している金も100倍の価格に値上がりするでしょうから1%分でも十分です。インフレヘッジ目的で保有する金というのは、その程度で十分なのです。
以上を前提にして、日本株への投資比率をどうするかということですが、ポイントとしては3つ。
ひとつは長期投資。ただし、今の日本企業で長期投資に耐えうるだけの企業がどれだけあるのか、という点を、しっかり見極める必要があります。具体的には、経営者が株主のために働くという意識をしっかり持っている企業が、長期投資の対象になります。ただ、その数は非常に少なく、個人がそのような企業を見つけるのは、かなり困難でしょう。
そこで2つめの方法ですが、これはトレーディングをするということです。トレーディングなら、株価の値動きを捉えて売買するだけですから、経営者の資質を見極める必用がありません。ただし、トレーディングで成功するというのは、正直、アートの世界に近いと思います。つまり、成功するための方法というものはなく、あくまでも投資家個々人のセンスが問われるということです。勝つためのトレーディングの方法は千差万別で、ある人が成功した方法を別の人が真似たとしても、必ず勝てるという保証はないのです。とはいえ、トレーディングで勝てる確率というものは、少なくとも民主党政権時代に比べれば、格段に高まっていると言えそうです。
そして3つめの方法は、バブルに乗るというものです。恐らく、今の相場状況が続けば、今年の後半くらいから、徐々にバブル化していく銘柄が現れてくるでしょう。そういう相場には乗っておきたいところです。
長期投資に耐えうる企業を探すには、具体的にどのような要素を重視するべきですか?
松下氏
長期投資できる企業かどうかを見極めるうえで大切なのは、コーポレートガバナンスです。
コーポレートガバナンスとは何かといえば、ステークホルダー、つまりその企業の利害関係人の利害調整を意味するのですが、そのステークホルダーのなかでも、株主にとってのコーポレートガバナンスは何かといえば、企業価値を高めることに尽きます。そこのところがしっかり理解されている企業であれば、安心して投資できます。
コーポレートガバナンスが定着しているかどうかは、企業経営者にその意識があるかどうかにかかってくるでしょう。その意味では、やはりプロの経営者が今まで以上に求められると思います。
バブル相場であることに気づくポイントは?
松下氏
正直、バブルの前兆を誰よりも早く察知するというのは、非常に難しいことです。ただ、バブルが何によって発生するのかというメカニズムを理解しておけば、どこにバブルが起こるのかということを、多少なりとも把握できるはずです。
要は、時代背景が大相場を創りだすところで参入するのです。古くは、90年代の後半に起こったITバブルが典型例です。今だと、IPS細胞で話題になっているバイオ関連や、メタンハイドレートなどの新エネルギー関連などが、バブル化しやすい材料だと思われます。
また、バブル相場に上手く乗れたとして、次に考えるべきことは、どこで降りるかということです。バブルの崩壊に付き合ってはいけません。私は、PBR5倍以上はバブルだと思っています。また小型株であれば、PBR10倍というのが、バブルかどうかの基準になります。そこを判断基準にして、それらを超えてきた時には、素直に降りるべきでしょう。
掲載日:2013年月05月09日
松下 律(まつした りつ)氏プロフィール
証券アナリスト、社団法人日本証券アナリスト協会検定会員
愛知県生まれ。1974年慶應義塾大学工学部卒業、1976年同大学院修士課程修了、工学修士。国際投信委託(株)、ケミカル信託銀行(株)、インベスコMIM投信(株)(現インベスコ投信投資顧問)などにおいてファンドマネジャー。
2000年以降は、主にインターネットを通じて個人投資家向けの情報発信を続けている。
著書に「年金がわりの株式投資成功法(講談社、2001年)」、「決算書を見れば『儲かる株』は見分けられる(共著、こう書房、2002年)」、「定年族のための株式投資術(PHP研究所、2005年)」、「こんなに面白いファンドマネジャーの仕事(中央経済社、2008年)」などがある。



 
   
    

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