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第5回 家を買うときは「家以外」のことも考えてみよう - ライフプラン別資産運用活用術

ライフプラン別資産運用活用術

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家は人生でもっとも高い買い物

人生でもっとも高額な買い物といえば、「住宅」です。生命保険の生涯払込額を考えると住宅購入に匹敵する人もありますが、ほとんどの場合、住宅取得にかかる費用が最大の出費となることでしょう。

住宅金融支援機構の調査によれば、マンションの平均購入価格は3,758万円、土地付き注文住宅では3,562万円だそうです。うちマンションでは2,765万円、土地付き注文住宅では3,078万円をローンでまかなっています。(2013年5月「平成24年度フラット35利用者調査報告」)

仮に3,000万円をローンにしたとして、国のフラット35という固定金利のローンで35年返済をしたとすれば、総返済額は4,200万円近くになります(金利2.06%と仮定。フラット35ホームページで試算)。実際に借りた額と比べると、総返済額は思ったより大きい、と思うのではないでしょうか。今は低金利ですが、一般的には借りた額の1.5倍くらいを総返済額と考えるべきです。

これはつまり、「家を買う」という買い物について、1%でも上手にやりくりできれば、人生において大きな違いとなりうることを示しています。もしも100万円上手に家を買えれば、その100万円分は別のものを買うことができます。あるいは老後に残しておいて豊かな老後の原資とすることもできるでしょう。

実は、家を買う、ということはそれ単体ではなく「日々の生活の余裕づくり」「子育ての費用づくり」「老後への備え」などにも大きく影響してくる要素です。その後の一生を左右するといっても過言ではありません。

今回は、上手な家の買い方を少しまとめてみましょう。

広い家、アクセスのよい家は高くなる

家を買うとき、モデルルームや住宅展示場に足を運んでイメージを膨らませる人は多いと思います。不動産会社の営業マンの話を聞けば、金利の動向や地価変動のトレンドを教えてもらえるかもと期待します。

もちろん、誰でも「いい家」を欲しいと願うものです。しかし「いい家」の条件とはなんでしょうか。お金をどんどん積めばいい家は手に入るかもしれませんが、予算はどんどん高くなっていきます。

たとえば「広い家」「アクセスのよい家」は、値段が高くなります。70平米の家より80平米の家は値段が上がります。あるいは、駅に近い物件、首都圏に近い物件ほど値段が高くなります。同じ市内でも最寄り駅が各駅停車駅か急行停車駅かでずいぶん値段は変わってきます。希望をいえば、「いい家」が欲しくなりますが、予算が高くなればなるほど、返済は苦労することになります。

あるファイナンシャルプランナーは、住宅購入相談を受けるとき「隣の各駅停車駅にしてはどうですか?」「5階ではなく4階ではダメですか?」「こちらの5平米狭い物件はどうですか?」と計画の下方修正についてアドバイスし、どこまでが譲れない部分で、どこまでが変更可能な部分かを考えさせるそうです。

「夢のマイホーム」については、「現実として買う人生最高額の買い物」だと冷静に考え直し、現実としてどう選択・決断するかをじっくり考えることが大切です。

賢い住宅ローンの組み方3条件

住宅ローンを楽にする方法は大きく3つあります。

1つは「低金利で借りる」ということです。金利が高いほど、総返済額は大きくなります。また、変動金利については設定当初の金利は低いものの、将来金利が上昇した場合、いきなり返済額もアップすることがありますので、返済期間を通じて固定金利のものと、じっくり検討することが大切です。

2つは「期間を短く設定する」ということです。返済期間が長いほど、利息がかかる期間も長い、ということです。安易に70歳以上まで返済期間を取る例があります。実際に働き続けることができればいいのですが、最悪の場合、65歳あたりで仕事は辞めざるをえず、未返済の住宅ローンは退職金で払うことになります。つまり老後の財産が減ってしまうことになるわけです。

3つは「少なく借りる」ということです。高額の住宅ローンを設定すると、返済当初は返済額と金利がほとんど同額ということもあります。頭金を少しでも多くし、借入額を少なくできれば、金利負担も軽減されますし、返済期間を短く設定することも可能になってきます。

銀行をいくつか回ると、いろいろな住宅ローンがあることに気がつきます。しっかり検討し、無理のない設定を行うことが大切です。

生涯賃貸はやっぱり厳しい 家は老後に必要な財産のひとつ

ところで、生涯賃貸で家を買わない、という選択を主張する人も増えてきました。ただし、この場合は「生涯家賃を払う」ということの経済的準備が欠かせません。国の年金は現役時代に持ち家の取得を行うことを想定しており、賃貸暮らしの人だけ、家賃手当を年金に乗せてくれることはないからです。

仮に6万円の部屋を年金生活になって借りるとします。平均的には20年の老後が想定されますから、年72万円、20年で1,440万円は家賃に必要ということになります。25年長生きする老後になれば1,800万円です。家賃の値上がりや更新料を考えればもっとかかるかもしれません。

家を買おうとするとき「家賃を払うぐらいなら、持ち家のローン」というセールストークをよく聞きます。現役時代においても家賃と持ち家の問題は悩ましいところです。返せないローンや背伸びしたローンを組んでしまうと賃貸生活より悲惨な数十年が待っていますので、無理をしないことが何より重要です。

とはいえ、やはり家を持つことは必要です。家を持つことそのものが、老後の財産作りであることは間違いありません。一人っ子で、親の住宅を取得できる場合を除き、しっかり家を確保することを考えておきたいものです(相続が期待できる場合も相続税がかかればその準備が必要ですし、メンテナンスコストの備えも考えなければなりません)。

「借りられる予算」ではなく「返せる予算」、「余裕のある予算」で

何十年も前、住宅ローンは「とりあえず早く、借りられるだけ借りる」が定番でした。買ったあとにどんどん土地の値段が上がるので、中途売却してもローンは完済し、おつりでさらに広い家が買えたからです。今はそのような時代ではありません。今は「借りられる額」を予算とするのではなく、「返せる額」を予算とする必要があります。

最初に説明したとおり、住宅ローンの返済に余裕を持つことができればその分、老後の準備等に回すことができます。また、定年退職後にもローンを残してしまうと、さらに老後の準備資金を取り崩すことになります。広々とした家はあっても、老後の余裕資金がないのでは本末転倒です。

こういったトラブルを避けるために重要なのは、「頭金を少しでも多く」作ることです。頭金ゼロでも借りられますよ、と不動産営業の人はあなたに説明してくれますが、それは「借りられる」であって「返せる」ではないかもしれません。頭金を少しでも多く用意できれば、借入額を減らすことができ、金利も含めた総返済額も少なくなります。返済期間を短くすることもしやすくなります。

「家を買うのはまだ先のこと」と考えている人ほど、そのときのための頭金作りに励んでみてください。きっと何年か先に「頭金があってよかった!」と思うことになるはずです。

もし、購入時期が未定であって、とにかく貯め、増やそうと思っている資金であれば、それを資産運用に回してもかまいません。大きな市場の下落には注意する必要がありますが、まだ高額のローンを組んでいない人はリスクをとりやすい環境にあります。具体的な住宅購入計画が見えてくるまでは、リスクをとって頭金作りを行ってみてもいいでしょう。ただし、手付金を支払う直前まで運用をしていて、相場の急落で支払えなくなった、というようなことがないようにしてください。

執筆:フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャル・プランナー/山崎俊輔
掲載日:2013年12月27日

 
   
    

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