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第7回 老後の資金準備はどう考える? - ライフプラン別資産運用活用術

ライフプラン別資産運用活用術

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現役時代の重要な関心事となった「老後の資金準備」

ここまでライフプラン上大きいテーマである「子どもの学費準備」や「住宅購入資金づくり(とローン返済)」などを考えてきましたが、何度か「自分の老後の資金準備とのバランス」を考える必要について指摘しています。

老後のお金のことを考えるというのは、自分のお金の問題を、最後に誰かに任せることなく、自分でコントロールする方法を考えるということです。というのも、生涯を閉じるまで自分の責任で自分のお金の問題を考えておく必要がある時代に来ているからです。

江戸時代や明治初期であれば、「ご隠居」ということで、息子夫婦の世話になれば数年ほどでお迎えが来たものです。つまり、現役時代のことだけ精一杯やりくりし、最後は子に家督を譲ればよかったのです。しかし、現代では定年退職後に20年の人生を維持するコストを自分で確保する必要があり、これを子に依存するのはほとんど不可能になっています。これは歴史的にも社会的にも大きな変化です。

老後のお金の問題については、現役時代のマネープランだけを考えるだけでは解決しません。むしろ現役時代の重要事だけ優先していると「子どもの学費は出してあげられたけれど、自分の老後に経済的に窮する」あるいは「家のローンはしっかり返済したけれど、広い部屋でお金はない」という老後が待っている可能性があります。だとしたら、これはライフプランニング上のミスと考えられます。

もちろん、現役世代も無関心というわけではありません。金融広報中央委員会の調査、日本FP協会の調査、生命保険文化センターの調査など、いろんな調査において、現役時代の不安要因や関心事として、老後のお金の準備が上がるようになりました。たとえば日本FP協会「働き盛り(30代・40代)のライフプランニング調査」では、困っていることや不安の第一が「老後の生活設計(49.4%)」、第二が「年金(38.3%)」となっているほどです。

それでは、老後の資金準備はどう考えればいいでしょうか。

目の前の資金ニーズを後回しに老後のお金は貯められない

老後の資金準備について明らかにいえることは「準備は現役時代に」ということです。

老後のお金を老後に準備することはできません。たとえば65歳時点の公的年金を一部残して75歳の生活に備えることはほとんど不可能です。60歳時点での賃金(再雇用された場合)を70歳の生活費のために繰り延べすることも難しいでしょう。再雇用された賃金、公的年金は基本的な生活費に使われてしまうことになるからです。

よく「リタイアメントプラン」という言葉を聞きます。なるほど老後の計画という意味かと納得して「老後に考えること」と思ってしまうわけですが、これが間違いです。

リタイアメントプランのうち、実際に老後に考えるのは「今あるお金でどうやりくりするか」です。リタイアメントプランの「もっと多く老後に使うお金を用意する」という部分は、現役時代にやり遂げなければならないのです。

ところが、現役時代にはいろんな資金ニーズが山積みです。子どもの高等教育の学費も無視して、自分の老後資金準備を行うことは、親として困難です。また、住宅ローンの引き落とし日が近づいているにもかかわらず返済資金が足らないとき、老後資金準備を堅持し住宅ローンの返済を滞納することもできないでしょう。

目の前の資金ニーズの整理を抜きに、老後資産形成は欠かせないというわけです。

「早く」「少額から」「崩さず」長期にわたって準備していく

老後資産形成について具体的な方法を考えたとき、どのようなやり方が考えられるでしょうか。

たとえば、「最後にあわてて一気に準備する」やり方はうまくありません。金額が多い資金ニーズとして住宅ローンがありますが、こちらは高額の資金ニーズを「借りてから返す」でやりくりできます。しかし、老後資金に同じ手段は通用しません。仮に老後に必要な金額が1,500万円だったとしても、55歳で気づいてはもう遅いでしょう(それでも気がついたらがんばるべきですが)。

となると、答えははっきりしています。つまり「早く」始めること、「少額から」積み立てていくこと、「崩さず」将来に残していくことです。

「早く」始めたほうがいいのは明らかです。同じ金額を準備するために、一回あたりに積み立てるべき金額を少なくする方法は、積立回数を増やす、つまり早くから積み立てていくことにつきます。先ほどの1,500万円も100回の積立なら一回あたり15万円必要なところ、300回の積立を行うなら一回あたりは5万円ですみます。仮に月1回の積立とすれば100回は約8年、300回は25年にあたります。

「少額から」積み立てていくのは、他の資金ニーズと平行しつつも、老後資産形成を継続するためです。住宅ローンが終わったら老後の準備、というような方法では間に合わない恐れが高いため、少額でも老後の「枠」を用意していくことが必要なのです。

長期にわたって少額からの積立を続けて、「崩さず」にいられると、運用のメリットを享受することができます。短期的な取り崩しを行わないことで、運用で得られた利益が再投資され、複利の効果が高まることにより、運用益はより多くなるからです。また、短期的な相場の上下に動じて損失確定を焦ることもなければ、中長期的な経済成長の果実をしっかり資産形成につなげることができます。

早くスタートした老後資産形成こそ、資産運用の力を借りるといいでしょう。

会社の退職金・企業年金は必ずチェックすること

ところで、老後資産形成において、あまり意識はしていないが重要な「枠」がひとつあります。それは退職金や企業年金です。日本では長期勤続をして定年退職を迎えた場合、一定程度の退職金を支払う慣行を制度化している例が多く見受けられます。

制度の設定そのものは任意ですが、9割方の会社では退職金制度があり、おおむね半分の会社員は企業年金制度となっています。水準は各社各様ですが、1,000万円を超えることはしばしばです。

それなのに「自分の会社の退職金のモデルがいくらか知らない」「企業年金制度かどうか知らない」という人が多数を占めています。これはとてももったいないことです。老後の準備の一部として企業年金や退職金にどれくらい期待できるかはしっかり確認しておくといいでしょう。

執筆:フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャル・プランナー/山崎俊輔
掲載日:2014年1月14日

 
   
    

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