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【第17回】転退職と公的年金の関係 - 転退職が公的年金に及ぼす影響は?(前編) - 退職・年金ナビ

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退職・年金ナビ [ 備えよ!老後のお金 20~30代の公的年金入門 ]

【第17回】

転退職と公的年金の関係 - 転退職が公的年金に及ぼす影響は?(前編)

増える転退職、年金はどうなる?

かつての年金制度では、ひとつの仕事についたらそのままずっと働き続けることが想定されていました。たとえば学校を卒業後、自営業の人はそのままずっと自営業であり、会社員として就職した場合はそのまま同じ会社で定年退職を迎えるといったイメージです。
最近では景気の悪化や雇用不安に伴い、終身雇用の意欲が高まっているものの、転職の割合は、正社員の3.5%、非正規雇用の8.5%とされています(ユースフル労働統計2012)。
毎年3~4%の人材が入れ替わる程度であっても、積み重ねれば転職者の割合はもっと大きくなります。ある転職情報会社の調査では、正社員の半分2人に1人が転職経験ありともいわれており、転職が珍しいものではなくなったことがわかります。
このとき、転職とそれに伴う退職により年金はどうなるのでしょうか。転職と年金の関係についてはあまり語られることがありません。
独立開業を考えている人、別の会社へ転職を考えている人のために年金制度はどうなるか考えてみましょう。

いくつかのケースで見る転退職と年金の変化

それぞれケース別に公的年金はどうなるか考えてみましょう。
ケース1) 会社員→会社員
 最初に多いと思われるのは「会社員→会社員」という転職です。一般に正社員が正社員のポジションは維持しつつ転職するのが多いと思われますが、この場合、年金制度でみると「厚生年金→厚生年金」ということになります。転職前の会社では厚生年金の加入資格がなくなったことを会社が年金事務所に手続きし、新しい会社では新たに厚生年金の加入資格がある社員が入社したことを会社が年金事務所に手続きします。これにより年金の加入はつながることになります。
 ただし、転職先が見つからずに退職した場合、次の会社に入るまでのあいだは国民年金保険料を納めなければならず、「厚生年金→国民年金→厚生年金」という流れになります。手続きは国民年金であった期間が数カ月程度であればあまり年金額の影響はありませんが、半年あるいは1年以上の離職期間が出ると、じわりと年金額が下がることになります。急な失職の場合などは、保険料免除の相談をしてみるといいでしょう。
ケース2) 会社員→独立(自営業)
 会社員から独立し、フリーランスになった場合には、「厚生年金→国民年金」となります。自営業者、個人事業主、フリーランス、アルバイト、無職の人などは国民年金保険料を納めなければならない立場になります。会社員であった期間については保険料納付実績にもとづき厚生年金を将来受け取り、国民年金のみの期間については、将来は国民年金のみを受け取ることになります。
 何歳で独立するか(=何歳まで厚生年金に入っていたか)にもよるので、一概にはいえないものの、生涯会社員であった人のモデルが16~18万円の年金だとすれば(これには国民年金額も含む)、途中で独立した人は月額10万円程度の年金に下がる可能性があります。
 つまり、独立開業した場合には、自分でも老後の蓄えを意識しておく必要があるわけです。
 また、株式会社にした場合には、社長自らが自分に対して厚生年金に入ることが可能です。この場合、厚生年金のままであった水準に近づくこともあります。ただし、今までは本人負担分だけでしたが、会社負担分も保険料を納めるので、感覚的には2倍払うことになります。
ケース3) 会社員→子育てのため退職→再就職
 もうひとつ、ケースとして多いのは、子育てのための退職(結婚退職)後の進路です。未婚女性の多くが働く時代となっています。
 この場合、産休・育休を取得して元の会社に復職する場合、最長で子が3歳になるまで、保険料を納めなくても厚生年金保険料に入っていたことになります。本人負担も会社負担もゼロですから、有利な制度です。会社を完全に退職した場合は、配偶者(女性の場合は夫)の働き方によって変わってきます。
 もし、夫が会社員か公務員であって、夫の扶養に入った場合は、国民年金の第3号被保険者として国民年金に入ることになります。この場合は保険料は無料になります。
 もし、夫が自営業者等であった場合は、産休・育休であっても、その間は国民年金保険料を納めます。
 再就職後については、会社が厚生年金を適用してくれるかどうかで決まってきます。パートやアルバイトは労働時間がよほど長くない限りは、国民年金を自分で納めることになります。
ケース4) 非正規→非正規
 パートやアルバイト、派遣社員など非正規で働いている人の転職はどうでしょうか。この場合、働き方と契約により少し事情は複雑になります。まず、長時間働くアルバイトやパートは厚生年金を会社が適用する必要があります。また派遣社員も契約によりますが派遣会社が厚生年金を適用していることが増えています。この場合には、「厚生年金→厚生年金」ということもあります。
 しかし、厚生年金の適用がない場合は「国民年金→国民年金」のようになったり、「厚生年金→国民年金」となったりします。
 厚生年金に入ると自分の手取りも下がるので、嫌がる人も多いのですが、将来の年金額アップとなって確実に返ってきます。厚生年金適用、というのは会社にとっても負担が多いものの、あなたに長く働いて欲しいという会社のメッセージでもあります。転職の場合には、厚生年金の適用があるかどうかも確認してみるといいでしょう。
次回は、転退職者の年金の注意点をまとめてみます。
執筆:フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャル・プランナー/山崎俊輔
掲載日:2012年月10月16日



 
   
    

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