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【第23回】気になる今後の年金改正をチェックするポイント(前編) - 退職・年金ナビ

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退職・年金ナビ [ 備えよ!老後のお金 20~30代の公的年金入門 ]

【第23回】

気になる今後の年金改正をチェックするポイント(前編)

年金改正は今後も行われる

20~30代のための年金基礎講座の最後は「今後の年金改正」についてです。
国の年金制度は過去50年についても何度も制度改正を行ってきました。当初の制度と比べると充実がはかられたわけですが、近年は給付カットの改正も繰り返されています。若いうちから数十年後の最終的な姿を見通すことは困難でもあります。
これからの年金改正については、当然まだ実施されていないわけですから、未来予想ということになりますが、今後どのような方向に年金制度が向かうか、またそのときどんなことを考えておけばいいのかいくつかヒントをご紹介したいと思います。
あくまで予測ですから、できればその都度改正内容をチェックしてください。少なくとも40歳前後と50歳前後には年金制度の最新情報をチェックし、自分の老後のために必要な準備を自助努力においても行っておいてほしいと思います。

ほぼ実現が確実(決定済み)の年金改正

ほぼ実現が確実と思われる、あるいはすでに法律改正が実行済みの年金改正についていくつか紹介します。
●公務員と会社員の年金一元化
近いものとしては、公務員と会社員の年金一元化が行われます。
公務員と会社員はほぼ同等の制度設計になっていましたが、働き方が異なることから別の制度(公務員は共済年金、会社員は厚生年金)として管理運営されてきました。このたび法律改正が実現し統合されることが決まりました。過去もJRやNTTのように民営化された場合、厚生年金に引っ越しすることがありました。複数に分かれた年金制度の管理は効率を悪くしたり管理を複雑にします。また将来的に国民全てが同一の所得比例型の制度にしていくためにもこの一元化は必要な措置です。
公務員の年金を民間が救済している、あるいは公務員の上乗せ部分が残されるのはズルイというような意見もありますが、公務員の年金が積立不足を民間に押しつけているわけではなく救済ではありません。また、公務員にも退職金や企業年金に相当する分があり、これは別途存続させるだけであり、上乗せそのものを残すことが不公平というわけではありません。
●年金受給資格期間を10年に短縮
次に、年金受給資格を得る加入期間について25年から10年に引き下げる法律改正も実施されます。これは25年加入していないと1円も年金をもらえない仕組みは改め、10年以上であれば加入期間と納付履歴に応じた年金を支払うように見直すものです。
以前は、25年加入していない人については年金額が少額であるため、生活保護などで支えればいい、という考え方が主流でしたが、納めた期間に見合った年金は支払い、差額について社会的に支援しようという考え方に変わるものです。
ここで勘違いしてはいけないのは「10年だけ保険料を払えば年金がもらえる」と考えてしまうことです。以前の記事でも解説しましたが「加入していた年数が短いとその分、年金額は少なくなる」ので、10年納付したが30年未納の場合は、国民年金は満額(40年加入)の4分の1しかもらえません。
これは掛け捨てになってしまう人を減らすための仕組みであって、年金にきちんと加入しなければならない、ということは変わりませんので、注意してください。

改正が難しいと思われる項目

数年ごとに、改正が行われていく年金制度ですが、実現が困難と思われる改正もあります。代表的な例は「自営業者への所得比例年金の適用」と「事前積立方式への切り替え」でしょう。
●自営業者への所得比例年金
自営業者は国民年金保険料という形で定額の保険料を所得の多寡にかかわらず納めており、国民年金(老齢基礎年金)のみを定額で受け取ります。会社員が報酬比例の考え方で保険料を納め、保険料は多いものの年金も多く受け取るのとは体系が異なります。これは自営業者の所得が定期的な給与とはなっていないため、捕捉が困難であるためです。
しかし、民主党が全ての国民は所得に比例した保険料を納め、所得に比例した年金を受け取る方式にすると構想を掲げ、議論が行われました。私は自営業者等の将来の年金不足が深刻であるためこの方針に賛成ですが、自営業者は今までの何倍もの保険料を納めることになるため、理解が得にくいのも事実です(将来の年金額もアップするのですが、年金不信もあって受け入れにくい)。
今回、民主党は自営業者に報酬比例年金を導入するまでの道筋を作りきれずに政権交代をすることになりそうです(政権を維持してもこの問題をすぐ深掘りするのは難しいと思います)。あるいは次の政権党が民主党以外となればこの方針は確実に足踏みすることになるでしょう。今のままでは自営業者等に保険料を課す実務的なハードルも多く、実現は難しいのではないかと思います。
●事前積立方式への切り替え
事前積立方式も実現困難な項目のひとつです。
現在の賦課方式といわれる仕組みは「年金生活者の給付に必要な原資を現役世代が負担してまかなう」考え方にもとづいており、高齢化の進展によりバランスが悪化することが懸念されています。一部の識者は「自分の将来の給付の権利についてひとりひとり積立管理する」考え方の事前積立方式を主張しています。
しかし、事前積立方式はこれから20歳になった人については実現可能であっても、今現在賦課方式にもとづいて保険料を納めている現役世代と、その前提にもとづいて年金をもらっている3000万人以上のお年寄りの年金給付をどうするか、という問題が残ります。バーチャルな残高管理をするなどの方法もありますが、これは国民が望んでいる事前積立ではないと思います。
また、事前積立方式はひとりひとりの保険料を運用して将来支払うわけですが、運用が芳しくなかった場合の責任、人より長生きした場合の保障などが十分に機能するかは十分な検証が必要です。現行の仕組みでは早世した人の保険料は掛け捨てになって、他の人の給付に回ることで保険料の引き上げを抑えている要素もありますが、事前積立になったとき、高額の保険料になる恐れも心配されます。
アイデアとしては興味深いのですが、年金制度の本質的改革になるので、そう簡単には実現しないものと思われます。
この2つの改正案は、20年後ないし30年後に絶対あり得ない、とまでは言い切れません。制度の見直しは常に議論が続きますので、チェックをしていってほしいと思います。
後編では、「近い将来の実現がほぼ確実」と思われる年金改正を紹介します。
執筆:フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャル・プランナー/山崎俊輔
掲載日:2013年月01月24日



 
   
    

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