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【第9回】負担軽減策(2)介護にかかったお金を取り戻せる制度 - 退職・年金ナビ

 

退職・年金ナビ [ 介護は突然やってくる! ]

セカンドライフ最大のリスク、介護にかかるお金と対策

負担軽減策(2)
介護にかかったお金を取り戻せる制度

ポイント
  • 「高額介護サービス費」は世帯全員の介護費用を合算可能
  • 医療費も合算できる「高額医療・高額介護合算制度」で、負担は大幅減
  • 確定申告により、介護保険対象外の自己負担分も取り戻せる可能性あり

一定の限度額を超えた分を取り戻せる「高額介護サービス費」

公的介護保険制度では、自己負担額が一定の限度額を超えると、「高額介護(介護予防)サービス費」として、超過分が払い戻される仕組みとなっています。ただし、福祉用具購入費や住宅改修費、施設利用にかかる居住費や食費など介護保険の対象外となるサービスにかかる費用は、対象となりません。自己負担の限度額は、世帯の課税状況などにより異なります(図表参照)。
【介護保険利用者の自己負担限度額】
高額医療・高額介護合算制度による基準額
たとえば、全員が住民税非課税、合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円以下の世帯では、個人の負担限度額は15,000円。このケースで、夫の介護費用が1カ月に25,000円かかったとすると、差額の10,000円が申請により戻ることになります。 

世帯に複数の利用者がいれば合算可能

介護が必要な人は、一世帯に1人とは限りません。要支援以上の認定を受けた人が複数いる場合は、その負担額を合算することができます。このとき高額サービス費は、以下の式のように、一人ひとり分けて計算します。
高額医療・高額介護合算制度による基準額
先ほどと同じ世帯で、仮に夫の介護費用25,000円のほか、妻にも10,000円の費用がかかったとしましょう。この場合、世帯の負担限度額は24,600円となり、夫婦それぞれの高額介護サービス費は下記のように算出します。
高額医療・高額介護合算制度による基準額
つまり、世帯全体では、合計10,400円が払い戻されるというわけです。

医療費・介護費を合算できる制度も誕生

公的な医療保険と介護保険には、それぞれ月単位の自己負担限度額を超えた場合にその超過分が払い戻される制度があります(医療では「高額療養費」、介護では「高額介護サービス費」)。しかし高齢者世帯では、医療・介護両方に費用がかかり、負担が大きくなるケースも少なくありません。そこで、1年ごと(毎年8月1日~翌年7月31日)に医療・介護でかかった費用を合計し、それが基準額を超えた場合、申請により超過分を払い戻してもらえる「高額医療・高額介護合算制度」が設けられました。
基準額は世帯員の年齢構成や所得区分に応じて設定されています。たとえば75歳以上で一般の所得世帯の場合、56万円が上限額。従来であれば、医療(1カ月の限度額44,400円×12ヶ月=532,800円)と介護(1カ月の限度額37,200円×12ヶ月=446,400円)で年間98万円ほどの負担をしなければならなかったのですから、この制度によって負担はおよそ半分に軽減されたといえます。
ただし、世帯が同じであっても加入している健康保険が異なる場合は合算できないので要注意。健康保険組合、共済組合、全国健康保険協会、船員保険、国民健康保険、長寿医療といった制度ごとに合算します。また食費や居住費、差額ベッド代などは対象外となるので注意が必要です。
【高額医療・高額介護合算制度による基準額】
高額医療・高額介護合算制度による基準額
※平成24年7月までは56万円

さらに確定申告で税額軽減を

自分や家族のために医療費を支払った場合、確定申告をすることで所得控除を受け、支払った税金の一部を取り戻すことができます。これを「医療費控除」 といいますが、医療費だけでなく、一定の要件を満たした介護費用も対象となるのです。
ありがたいことに、保険制度では対象外の費用も医療費控除の対象になるケースがあります。たとえば、介護保険法の改正により施設サービスの居住費や食費は介護保険給付の対象外となりましたが、医療費控除については自己負担額全額(指定介護老人福祉施設や指定地域密着型介護老人福祉施設については1/2相当額)が対象となります。在宅介護の場合も、訪問看護や通所リハビリテーション、短期入所療養介護などにかかる費用が対象になります。指定の施設や居宅サービス事業者が発行する領収証に、医療費控除の対象となる金額が記載されますので確認しましょう。なお、高額介護サービス費などにより払戻しを受けた場合は、払い戻された額を医療費の金額から差し引いて医療費控除の額を計算します。
このように、介護費用は複数のステージで一部を取り戻す方法がありますので、面倒がらずにぜひ試してみてください。次回は、民間の介護保険について紹介します。
生活経済ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー  和泉 昭子
所属:(株)プラチナ・コンシェルジュ
掲載日:2011年月08月31日
プロフィール
生活経済ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー
和泉 昭子
横浜国立大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに転身。 NHKを中心に、ニュース・情報番組を担当。 95年CFP(ファイナンシャル・プランナー上級資格)取得後、現職へ。メディア出演や講演活動、個人相談などを通じて、マネー&キャリアの情報を積極的に発信している。(株)プラチナ・コンシェルジュ代表取締役、 NPO法人「長寿安心会」副代表理事



   
    

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