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【第12回】 資産運用で収支を改善する方法 3回シリーズ/第1回 - 退職・年金ナビ

 

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【第12回】

資産運用で収支を改善する方法

3回シリーズ【第1回】

収入と支出の見直しによって収支の改善を図ったところで、最後に資産運用による改善法を3回シリーズでご紹介します。

資産運用を始めるからと、いきなり商品選びはNGです。身の丈に合った資産運用法を見つけるには、いくつかのステップを踏んで考えていきましょう。
(図表2)住宅購入と賃貸のコスト比較

未来家計簿から目標利回りを設定する

自分の未来家計簿の貯蓄残高が赤字になる年齢を確認して、寿命よりも早く貯蓄が底をついてしまうようならば、資産運用による家計の延命を考えていきます。
未来家計簿(図表1キャッシュフロー表)の例では、全く運用しなかった場合(運用利回り0%)、女性の平均寿命よりも10年早く資産が底をついています。運用利回りを上げていくと、資産寿命が延びることが一目瞭然。このケースでは1.5%の運用利回りで15年間も延びました。利回りの数値を変えてみて、貯蓄残高が平均寿命までもつ利回りを探してみてください。それがひとまずの目標利回りになります。
図表1 未来家計簿キャッシュフロー表
(図表2)住宅購入と賃貸のコスト比較

投資に回せる資金を割り出す

現在ある資金を、使う時期によって短期、中期、長期と3つに分けます。短期資金は流動性、中期資金は安全性、長期資金は収益性を重視します(表2)。このうち投資に回すことのできる資金は長期資金です。未来家計簿を参考(図表1キャッシュフロー表)の事例では、現在の貯蓄額700万円を、短期資金150万円(年間支出の約1/4)、中期資金90万円(5年以内の一時的な支出)、長期資金460万円といった具合に色分けします。5年以内の一時支出は、年収の中からやりくりできれば中期資金として取り分けず、全て長期資金と考える方法もあります。しかし、外せないライフイベントで安全性を重視するならば、中期資金とするのがいいでしょう。
表2
分類 用途の例 重視すること 商品例
短期
資金
1年以内に
使う予定の資金
・生活資金の3~6ヵ月分
・急な出費への予備費
流動性 普通預金、総合口座、MRFなど
中期
資金
5年以内に
使う予定の資金
・5年以内のイベント資金
・生活費の取り崩し資金 など
安全性 定期預金、短い期間の国債など(使う時期に応じて満期を設定)
長期
資金
5年以上先、当面
使う予定のない資金
・5年以上先のイベント資金
・老後資金など
収益性 国債、株式、外貨預金、投資信託など

リターンからポートフォリオを考える

現在の金利情勢から、普通預金などに入れておく短期資金はリターン0%、中期資金については2~5年国債や定期預金などの金利から0.3%と仮定します。事例では、ポートフォリオ全体の目標利回りを1.5%にしたいので、長期資金の期待リターン(X)は下記のように求めることができます。
(図表2)住宅購入と賃貸のコスト比較
2700+4600000X=105000の方程式を解くと、X≒2.2。つまり、長期資金400万円を2.2%以上で運用できると、目標をクリアできることになるわけです。ここでは、伝統的な4資産(国内外の株式と債券)を組み合わせることで、2.5%のリターンを目指すポートフォリオを考えてみましょう。
資産クラスごとのリスク・リターンの値は、過去の実績を基に、将来の予測を加えて想定します。(図表3)は、国家公務員共済組合連合会が使用しているデータですが、こうした数字を参考にご自身の予測を加えてみるのも一法です。
図表3 資産クラス別のリスク・リターン
図2
出所:国家公務員共済組合連合会「附属資料」
図表4は筆者の想定したリスク・リターンを使って、加重平均で長期資金全体の期待リターンを求めたものです。ポートフォリオ1~3は、安全資産である国内債券の割合を30%、50%、70%と変え、残りを収益性の3資産で均等割りにして試算しました。目標の2.5%に近いのは(ポートフォリオ2)ということになり、金額ベースで見ると、国内債券230万円、国内株式、外国債券、外国株式が76.6万円ずつという配分になります。
※ポートフォリオ2のリターン:
1.0%×50.0%+4.0%×16.7%+3.0%×16.7%+5%×16.7%≒2.5%
(図表4)ポートフォリオ別のリターン
図2図2
次回は、このポートフォリオをリスクの面からチェックしていきます。
執筆:ファイナンシャル・プランナー/田辺 南香
掲載日:2010年月12月20日
プロフィール
ファイナンシャル・プランナー(CFPR)
田辺 南香(たなべ みか)
大学卒業後、情報出版会社に勤務。社内のITコンサルタントから、ファイナンシャル・プランナーへ転身。心豊かな生活を実現するお金のコンシェルジュとして、ライフプラン・保険・資産運用などに関するアドバイス・執筆・セミナー講師などを中心に活動している。


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