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【第1回】大増税時代に備える相続 - 退職・年金ナビ

 

退職・年金ナビ [ 攻めの相続 ]

攻めの相続で、大増税時代を乗り切る!

大増税時代に備える相続

ポイント
  • 「社会保障と税の一体改革案」では、相続税の大増税を目論んでいる
  • サラリーマン世帯をも巻き込む相続税改正とは?
  • しっかり対策をして攻めの相続対策を考える
野田政権が掲げる「社会保障と税の一体改革」については、財政の健全化と社会保障の機能強化を目的に、「消費税増税」を断行すべきかについて連日議論がかわされています。
報道では、「消費税増税」ばかりが大きく取り上げられているのですが、実は、政府が昨年12月に発表した「素案」を見ると、消費税以外にも、私たちの生活にかかわる税制全体の見直しが盛り込まれています。
特に、このなかで見逃すことができないのが相続税の改正です。目論みどおりの改革が行われた場合には、相続税が大増税になることは必至です。
ここでは、野田政権が考えている相続税大増税の方向性とはどのようなものか、以下ポイントとなる3つの柱についてご紹介します。

「基礎控除」が4割減!

相続税は、亡くなった方の相続財産が法律で決められた「基礎控除」を超えた場合にかかる税金です。つまり、相続財産の額が「基礎控除」以下であれば相続財産がかからないというわけです。
現在の「基礎控除」額は、法定相続人の数で決まります。この「基礎控除」額が現状より4割減額されて、税金が課税される部分の相続財産が拡大される予定です。
具体的には、現在8,000万円の基礎控除(法定相続人が妻と子供2人の3人の場合)があった家庭では、4,800万円までに圧縮される、驚くべき大増税です。

死亡保険金の非課税枠が減少

現在、死亡保険金には、法定相続人一人当たり500万円の非課税枠が認められています。例えば、法定相続人が3人いる家族では、死亡保険金の1,500万円までは税金がかかりません。
この制度により、家族を受取人とする死亡保険に入ることは、相続対策となっていました。
ところが、改正案では、法定相続人に「亡くなられた方と生計を一にしていること」という条件が付くことになりました。ということは、法定相続人3人のうち2人が別居家族だった場合を考えると、上記1,500万円の非課税枠は500万円に縮小され1,000万円が課税対象になる試算です。多くの成人法定相続人が、別居している子供であることを考えるとこれも大増税となります。

相続税率の引き上げ

現行相続税の最高税率が50%。これが55%と見直される予定です。それだけではありません。その段階税率の区分をより細かく見直すことで、課税財産2億円超の富裕層からまとめて増税しようとしています。
相続税は、100人に4人にしかかからないお金持ち家庭の税金でした。
ところがこれらの改正案が通ると、一般家庭にも相続税がかかってくる心配がでてきます。

サラリーマン世帯に忍び寄る相続税

今までは相続税とはほぼ無関係だったサラリーマン世帯。しかし改正により、このサラリーマン世帯までを巻き込んで、対象世帯が拡大しそうです。
以下の試算を見てください。
モデルケース
妻と子供2人(独立をして生計が別)がいる家庭で、家を含めた財産が約5,000万円、生命保険に約2,000万円入っているというような家庭はありそうな例です。こんな家族ケースは、今までは相続税の対象外でしたが、改正後には相続税の対象家庭となります。

3つの相続対策

相続対策といえば、以下の3つがあげられます。
(1)もめない相続対策
 相続は「争族」と言われるほどもめごとが多く、全員が納得できる形で話し合って分けるのはとても難しいものです。
 これを未然に防ごうとするのが、もめない相続対策です。
(2)節税対策
 相続税がかかりそうな家族が、税額が少なくなるようにするために行う相続対策です。財産評価を抑える方法など専門的な知識が必要となるため、通常税理士などと知恵を絞ります。
(3)納税資金対策
 相続税は、相続した財産に対してかかる税金ですが、納税は原則現金で行われます。ということは、流動性の高くない財産(不動産など)を引き継いだ場合には、納税資金のねん出するために対策が必要になります。
相続税に係わる世帯が全体の4%と富裕家庭に限った問題であったときには、もめない相続対策だけが、一般の家庭に必要な対策でした。節税対策、納税資金対策は、縁のないものでした。しかし今後、相続税対象のすそ野が広がり、相続税のかかる世帯となっていくのであれば、節税対策・納税資金対策もしっかり講じておくことがライフマネーを考える上で、とても重要となります。

これからは「攻め」の相続対策

財産を守り増やしたいと思っても、今日のような経済状況では、給与などの所得の増加も投資による収入も期待はできません。収入の増加が難しいなら、もはや出ていくお金を直実にセーブする以外財産を守る方法はありません。
そのためにも、税金を見直してみてください。税金は、制度を上手に利用することで出費が抑えることができます。
特に生涯の中で、大きな財産を受け取る機会となる相続。せっかくもらった財産も税金がかかるとしたら・・・。何の対策もしないでいると思わぬ税金を支払うことになることにもなりかねません。でも、事前に対策を打っていれば大きな節税に成功することも可能なのです。先の見えない不安定な経済状況で、財産を少しでも守るためにも、相続財産にかかる税金の支出を抑えることはとても重要な時代になりました。
国が相続税を増やしていくのであれば、私たちも「攻め」の相続節税で身を守もりましょう。自ら立てた相続対策を実行していくことで、着実に生涯手にするライフマネーを増やしてください。
この後、具体的な相続対策をご紹介します。
税理士/ファイナンシャル・プランナー 羽田リラ
所属:(株)プラチナ・コンシェルジュ
掲載日:2011年月06月21日
プロフィール
税理士/ファイナンシャル・プランナー
羽田リラ
東京都千代田区に羽田リラ税理士事務所を開業。 都市銀行・証券会社を経験後、税理士法人の資産税班から独立。個人資産のコンサルを柱に活動している。「お金の話をわかりやすく」をモットーに執筆等多数。 (株)プラチナ・コンシェルジュ所属。



   
    

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