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この先不安な公的医療保険 - 退職・年金ナビ

 

退職・年金ナビ [ 保険の買い方選び方 ]

【第10回】

この先不安な公的医療保険

公的医療保険は、増え続ける高齢者にかかる医療費の増大で現在危機的状況に陥っています。このままでいけば、医療サービスは限定され、質の低下が招かれる可能性は否定できません。さらに大手企業では健康保険組合の解散が相次ぎ、サラリーマンにとっては、健康に対するリスクが高まる結果に。このような現状でも「公的医療保険があるから大丈夫。窓口負担は3割で済むし・・・」と考えていませんか? 実は、「不確定な7割であり、そして要件に合うものしか保険が給付されない」のが現実です。

公的医療保険制度の仕組み

公的医療保険は、サラリーマンを対象とした国や健康保険組合が運営する「健康保険」と住民を対象とする市区町村が運営する「国民健康保険」、そして75歳以上の高齢者を対象とした「長寿医療制度」の3つに分かれます。
主な給付は、療養の給付で、病気やケガをしたときに病院等の窓口で被保険者証を提示すれば、一部負担金だけで済みます。現在の自己負担割合は、小学校就学前は2割、70歳未満は3割、70歳以上は1割(現役並み所得者は3割)。ただし、70歳~74歳の方は、本来の2割負担が猶予されている状態で、いつ引き上げられてもおかしくありません。

高額療養費とは

公的医療保険には、1カ月に医療機関に支払った医療費が、自己負担限度額を超えた場合にお金を返してもらえる「高額療養費制度」があります。自己負担限度額は、所得や年齢(70歳未満か70歳以上か)で違ってきますが、医療費が一定限度に抑えられる制度は、家計にとって有り難いものと言えるでしょう。
ただし、同じ月に、同じ医療機関(医科・歯科別、入院・通院別)で、同じ診療を受けた場合に限られる点には注意が必要。大きな総合病院であちこちの診療科にかかり高額になる場合や、月をまたいだ入院には適用されないのです。「高額療養費制度」が使いづらい制度といわれる所以です。
70歳未満の人の1カ月あたりの自己負担限度額
自己負担限度額 4回目以降の自己負担限度額
市町村民税非課税世帯 35.400円 24.600円
標準報酬月額が53万円以上の被保険者及びその扶養家族 150.000円+(医療費-50万円)×1% 83.400円
上記に該当しない者 80.100円+(医療費-267.000円)×1% 44.400円
例)一般被保険者で医療費が100万円かかり、窓口で30万円支払った場合の高額療養費
(自己負担額)80.100円+(1.000.000円-267.000円)×1%=87.430円
(高額療養費)300.000円-87.430円=212.570円

高度先進医療は基礎部分だけが対象

大学病院などで高度先進医療などを受けた時は、一般治療と共通する基礎部分だけが「保険外併用療養費」として給付されます。つまり、重い病気で最新治療を受けた場合は、特別料金の自己負担を伴い、さらにいくら高額になっても「高額療養費」の対象にはならないのです。このようなお金がない人は最新の治療は受けられないという厳しい現実に不安は増すばかりではないでしょうか。

今後の公的医療保険は

長寿医療制度は廃止されることが決まり、平成25年から新たな制度となります。しかし、内容的には高齢者への配慮から保険料負担は今より低くなることは確実で、この分は現役世代に負荷がかかってきます。高い保険料にもかかわらず、満足な医療サービスが受けられなくなる日は案外近いかもしれません。
そこで、これからは公的医療保険に頼るのではなく、「自分の健康は自分で守る」という意識が必要になってきます。特に高額療養費はいろいろな要件を設けているため万全な制度ではありません。人は1つの病気にかかるとそれが原因で様々な病気を抱えるものだからです。さらに高度先進医療もほんの一部しか保険がききません。その時に「高い医療費をどうしよう」と悩むより、今から保険で補うことも考えてみてはいかがでしょうか?
執筆:社会保険労務士/ファイナンシャル・プランナー  菅田 芳恵
所属:プラチナ・コンシェルジュ
掲載日:2011年月05月30日

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