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万能ではない公的介護保険 - 退職・年金ナビ

 

退職・年金ナビ [ 保険の買い方選び方 ]

【第13回】

万能ではない公的介護保険

公的介護保険の対象と言えば、65歳以上と思われがちですが、団塊世代を中心に40~64歳の利用者も急増しています。映画などで話題となったアルツハイマーや末期がんにおけるケアなど介護保険のニーズは益々高まっているのです。親の介護だけではなく、自分自身の介護についても今一度考えてみる必要があると言えるでしょう。

公的介護保険制度の基本的な仕組み

介護保険制度を利用することができるのは、65歳以上で「要介護、要支援」と認定された人および40~64歳で老化に伴う病気やケガが原因で「要介護、要支援」になった人です。
また、保険料を負担する人は40歳以上。ポイントは市区町村に申請をして要介護、要支援と認定される必要があるということです。状態の認定は7段階に分かれ、どれにも当てはまらない人は「自立している」として介護保険は適用されません。

自己負担はサービス料の1割

介護サービスを利用する際には、原則としてサービス料の1割を利用者が負担します。注意したいのは、保険が適用されるのは介護にかかるサービス部分だけということ。居住費や食費などは基本的に全額自己負担であり、介護サービスについても要介護度によって給付を受ける限度額が決まっています。それ以上のサービスが受けたい場合、限度額を超えた部分については全額自己負担となります。また、介護保険にも自己負担額が高額になった時に還付される「高額介護サービス費」の制度があり、一般の場合負担の上限額は1カ月37,200円です。
要介護認定の基準
状態区分 認定基準 介護サービス費1カ月の支給限度額
要支援1・2 要介護状態ではないが、社会生活の上で一部介助が必要な場合や、失われた能力を取り戻すような支援が必要 49,700円
104,000円
要介護1 立ち上がり、歩行等に不安定さが見られ、排泄、入浴等に部分的介助が必要 165,800円
要介護2 立ち上がり、歩行等が自力ではできない場合が多く、排泄、入浴等に部分的に全介助を必要 194,800円
要介護3 立ち上がり、歩行等が自力ではできず、排泄、入浴等に全面的な介助を必要 267,500円
要介護4 日常生活を行なう能力がかなり低下しており、全面的な介護が必要 306,000円
要介護5 日常生活を行なう能力が著しく低下しており、全面的な介護が必要 358,300円

5つの介護に必要なお金

終わりが見えない介護には多額のお金が必要になりますが、大きく5つに分けられます。介護保険サービスにかかる1割負担、介護保険給付対象外のサービス費用、介護保険の穴を埋めるために使うサービス費用、おむつやナプキンなど日ごろの生活にかかるお金、そして家族の移動にかかるお金です。

公的介護保険の今後

2015年にはいわゆる団塊世代が全員65歳を迎え、その人口比率は25%を超えると言われています。介護サービスの利用数が膨大になることを考えると、制度自体を保つことも難しくなりかねません。将来、介護保険料が上がり、介護サービス費の支給限度額も引き下げざるを得ない状況となることも、容易に想像できます。

老後の安心につながらない公的介護保険

介護保険が誕生した時は、介護で悩む人々の間に「これで安心できる」という声がよく聞かれました。しかし、実際に使ってみると様々な制約があり、「介護保険だけでは老後の安心につながらない」という考えは徐々に広まってきています。
介護が必要になったとき、介護状態によって決められた給付しか受けられず、満足のいく介護を望む場合は自己負担となります。また、介護保険が使えないサービスも数多く、65歳未満では老化に起因した病気以外ではなかなか公的介護保険の対象になりにくいという現実があります。
このような点を補うため、最近、民間の介護保険が続々と登場・リニューアルされています。お金の心配なく介護を受け続けるための備えとして、検討してみる価値はありそうです。
執筆:社会保険労務士/ファイナンシャル・プランナー 菅田 芳恵
所属:プラチナ・コンシェルジュ
掲載日:2011年月06月27日

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