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資産運用と保険の機能を兼ね備えた変額年金保険 - 退職・年金ナビ

 

退職・年金ナビ [ 保険の買い方選び方 ]

【第18回】

資産運用と保険の機能を兼ね備えた変額年金保険

公的年金の補完として自助努力で老後資金を準備する場合、どのような方法があるでしょうか?地道に貯蓄、株式や投資信託で運用、という方法がすぐに思い浮かぶかと思いますが、保険料を一定期間投資信託等で運用して、将来年金で受け取る変額年金保険という商品があります。
今回は運用と保険の機能を兼ね備えた変額年金保険についてご紹介します。

変額年金保険の仕組み

変額年金保険は、保険会社の他の財産とは別に「特別勘定」と呼ばれる投資信託で保険料の一部を運用し、その運用実績により将来の年金額が変動する個人年金です。特別勘定の数や種類は保険会社や商品により異なります。保険料は契約時に一時払いするタイプが主流で、保険料を何で運用するかは契約者が選択します(商品によって1種類しか用意されていないものもあります)。
万が一、運用期間中に被保険者が亡くなった場合には、死亡給付金が支払われますが、運用実績にかかわらず、払込保険料相当額が最低保証されるのが一般的です。
運用実績が好調な場合
運用実績が不調な場合
運用実績により年金額の増加が見込める変額年金保険は、インフレリスクに対応しやすいといわれます。しかし、運用がうまくいかなかった場合には、年金額が払込保険料を下回ってしまうリスクも。そこで銀行では、「払込保険料額を大きく下回るのはイヤ」という方向けに、年金原資や年金受取総額に最低保証が付けられているタイプが数多く販売されています。ただし、最低保証額がリスクヘッジがされている分、保証のないものに比べて大きく増える可能性も少なくなるので、注意が必要です。
なお、解約返戻金には最低保証がないのが通常です。

変額年金保険と投資信託の違いとは?

前述のように、変額年金保険は投資信託で運用を行うわけですが、投資信託そのものを購入して運用するのとはどう違うのでしょうか?主に、コストと税金の面で違いがあります。
表1 変額年金保険と投資信託の主なコスト
変額年金保険 投資信託
加入(購入)時 契約初期費用(3~5%程度) 販売手数料(0~3%程度)
運用期間中 資産運用関係費用(0.001~1.5%程度)保険関係費用(0.2~3%程度) 信託報酬(1~2%程度)
解約(売却)時 解約控除(0.4~8%) 信託財産留保額(0~0.3%程度)
変額年金保険は、投資信託にはない保険関係費用が余計にかかること、また、契約から10年間くらいまでの中途解約に対しては多額の手数料が差し引かれ、早期解約の場合には控除額が大きくなることは押さえておきましょう。
表2 変額年金保険と投資信託の税金
変額年金保険 投資信託
加入(購入)時 一般の生命保険料控除の対象    所得控除の対象外
運用期間中 収益に対する課税は、年金受け取り・解約時まで繰り延べ ○公社債投資信託
 利子所得として課税
○株式投資信託
 配当所得として課税
解約(売却)時or受け取り時 ○一時金受け取り
 一時所得として課税
(加入後5年超の場合)
○年金受け取り
 雑所得として課税
 *一時金・年金受け取りとも、契約者=年金受取人の場合
○公社債投資信託
 利子所得として課税
○株式投資信託
 譲渡所得として課税
一方、税金面に関しては、投資信託より変額年金保険の方が有利です。払込保険料は一般の生命保険料控除の対象ですので、所得税や住民税が軽減され、運用期間中の収益に対する課税は繰り延べされるので、効率的な複利運用が期待できます。また、死亡給付金には「500万円×法定相続人の数」という非課税枠が使えます(ただし、非課税枠の適用は縮小の方向です)
変額年金保険は、運用と保険の機能を兼ね備えた商品であり、運用リスクは個人が負うことになります。仕組みを理解した上で、加入を検討する際は、各商品の詳細についてよく確認することが大切です。
執筆:ファイナンシャル・プランナー/田中尚実
所属:プラチナ・コンシェルジュ
掲載日:2011年月08月29日

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