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保険会社が万一破綻したら!? - 退職・年金ナビ

 

退職・年金ナビ [ 保険の買い方選び方 ]

【第27回】

保険会社が万一破綻したら!?

保険会社といえども一企業ですから経営破綻しないとは言い切れません。実際、1997年から2001年にかけて、不良債権や運用環境の悪化により生命保険会社の経営破綻が相次ぎました。現在、銀行でも生命保険、損害保険と様々な保険を購入できるようになりましたが、保険会社が破綻した場合、保険契約はどうなるでしょうか?今回は生命保険会社の破綻についてみていきたいと思います。
生命保険会社が破綻した場合の生命保険契約者のセーフティネットとして、国内で事業を行うすべての生命保険会社が会員として加入している「生命保険契約者保護機構」があります。救済保険会社が現れた場合は救済保険会社により、救済保険会社が現れない場合は機構、もしくは機構が設立する「承継保険会社」により破綻保険会社の契約を引き継ぎます。
「どこの保険会社であろうと、ちゃんと保険金を支払ってもらえるのならそれでいいわ」
残念ながらそうはいきません。契約が引き継がれるには3つの条件があるのです。

責任準備金の削減

保険会社が保険金や給付金、年金などの支払いのため、保険料や運用益などを積み立てて原資とするものを責任準備金といいますが、破綻するとこの責任準備金が削減されることがあります。準備金の90%までは機構により補償されますが、原資自体が減るわけですから、契約者にとっては支払われる保険金や給付金が減少するおそれがあります。

契約条件の変更

また、予定利率の引き下げなど契約条件変更が行われ、予定していた保険金や給付金が減少することもあります。
これらの措置は以下の条件の場合、その影響が大きくなります。
  • 保障性より貯蓄性が高い保険
  • 予定利率が高い時期に契約した保険
  • 保険契約満期までの期間が長い保険
ところで銀行で販売する保険の中では「一時払い終身保険」や「個人年金保険」などが人気ですが、これらは「貯蓄性が高く」「保険期間が長い」ので、実はこのような場合には影響が大きいことは認識しておく必要があります。

早期解約控除の設定

保険会社破綻後、解約に走る契約者ばかりになっては資金が大幅に流出してしまいます。そこでこれを防ぐために、破綻後一定期間内に解約すると解約返戻金が削減される「早期解約控除」が設定されることがあります。
保険という商品の性質上、「契約の継続」と「保障の提供」を確保するための優先順位づけや契約者の痛み分けは、一定の契約者保護という趣旨にかなった結果なのです。
破綻時の責任準備金削減イメージ
破綻時の責任準備金削減イメージ

保険を販売した銀行が破綻したら?

ここまで保険会社が破綻した場合の保険契約の扱いをみてきました。ところで保険会社の破綻以前に、保険を販売した銀行が破綻してしまったら、購入した保険はどうなるのでしょう?預貯金のようにペイオフの対象になってしまうのでしょうか?
ご心配なく!銀行で購入しても、銀行はあくまで保険販売の代理店にすぎません。つまり私たちが銀行に預けている預貯金とは分別管理されており、銀行の破綻は影響しません。契約している保険に影響があるのは保険会社の破綻です。

契約者としての自己責任意識を持とう

保険会社を選ぶ際、私たちも契約者として自己責任を問われる時代です。保険会社のサイトやディスクロージャー誌で見ることができますので、経営状態をしっかりチェックしましょう。
  • ソルベンシーマージン比率
    保険会社が想定外の規模のリスクに対応できる支払い余力を表したものがソルベンシーマージン比率です。一般的には200%超であれば安全とみなしますが、この程度では安心できないのが現実です。中には1000%前後というところもあります。
  • 格付け
    保険会社の信用リスクチェックも重要です。BBB(トリプルB)以上が投資適格、BB(ダブルB)以下は投資不適格と評価されます。
  • 基礎利益
    比較的新しい指標ですが、保険料を収入とし保険金を支出とする、本業での収益力をみる「基礎利益」も注目されています。保険会社の規模にもよりますので、他社との比較よりは、その会社の前年比や推移で見ていくほうが良いでしょう。もちろんプラスであるほうが良いわけですが、予定利率が高い時の保険が満期を迎え保険金支払いが大きい時などは、保険料収入より支払いのほうが多く、基礎利益がマイナスになることもあります。このようなケースであれば問題視するマイナスではありません。したがって基礎利益の絶対額で決めつけるのではなく、中身もチェックすることがポイントです。
ただしこれらの指標は経営状態を保証するものではないので、あくまで目安と考えましょう。またひとつの指標ではなく、多角的な視点で総合的に判断することが大切です。
執筆:ファイナンシャル・プランナー 鈴木暁子
所属:プラチナ・コンシェルジュ
掲載日:2011年12月12日

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