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【第7回】退職時に必要な住民税の知識と手続き

退職・年金ナビ [ 定年退職前後の手続きガイド ]

 

 住民税の納付方法には、「普通徴収」と「特別徴収」の二種類があります。通常給与取得者の場合、勤務先が「特別徴収(給与天引き)」し、勤務先が各市区町村へ納付します。一方、給与天引きできない給与所得者以外の人は直接本人が納付(「普通徴収」)することとなります。退職後、住民税は「普通徴収」となりますが、勤務先に届け出ることで、他の支払方法を選択することもできます。
 では、どのような選択肢があるのでしょうか。住民税のしくみとともにその内容を確認し、退職後の住民税に備えましょう。

住民税の基礎知識

 個人に対する住民税は、その年の1月1日現在居住している住所(原則住民票上の住所)で課税されます。ですから、1月2日以降に転居した場合でも、1月1日に居住していた市町村で課税されることとなります。住民税は、前年の1月から12月までの所得に応じて計算される「所得割」と、所得に関係なく一律に課される「均等割」により計算されます(表1 住民税の税率表)。

表1 住民税の税率表
2014年度(平成26年度)以降の標準税率・税額
市区町村民税都道府県民税合計
所得割

6%

4%

10%

均等割

35,000円

1,500円

4,500円

(注)平成26年度より平成35年の間、住民税の均等割りは年額1,000円
(市区町村民税500円、都道府県民税500円)加算されています。
【所得税は前払い・住民税は後払い】
 所得税も住民税も共に1月から12月までの1年間の所得を元に税額を計算しますが、両者は納付の時期が異なります。給与所得者の場合、所得税は1月から毎月仮計算した所得税を前払い(給与天引き)し、12月末の年末調整で税額を決定後精算する、という方法をとっています。
 一方、住民税は12月末の年末調整で決定した税額をもとに、翌年の6月から5月までの1年間にかけて毎月分割払い(給与天引き)をする、という方法をとっているのです。つまり、所得税は前払い、住民税は後払い、というわけです。

退職時の手続き(住民税の納付方法の選択)

 後払いの住民税の退職後の支払方法は、退職時に手続きをすることで事前に選択することができます。どの方法を選択するかは、勤務先とも相談の上決めるとよいでしょう。
【普通徴収】
 普通徴収とは、住民税を自分で直接支払う方法です。退職時に何の手続きもしない場合、原則この方法になります。支払先は前年の源泉徴収票に記載されている住所の市区町村で、納付書もこの住所に送付されます。退職等に伴い住所が変わる場合は報告しておきましょう。
 普通徴収は、原則年4回(通常6月、8月、10月、1月)に分けて納付するため、住民税の金額が多い等、分納を希望する場合は、普通徴収を選択するとよいでしょう。ちなみに、普通徴収の場合でも、一括払いを選択することはできます。また口座振替を選択することもできます。
【一括徴収】
 最後のお給与もしくは退職金から住民税の残額を一括で差引いてもらい、勤務先に納付してもらう方法です。退職後に自分で納付する手間が省けるというメリットがあります。勤務先によっては、特別の手続きをしなくても一括徴収するケースもありますので確認が必要です。ただし、一括徴収されるのは前年度分の住民税です。退職した年にかかる住民税については、自動的に普通徴収に移行します。
【特別徴収(給与天引き)の継続】
 退職後の再就職先が決まっている場合は、再就職先で給与天引き(特別徴収)を継続する、という方法があります。住民税に関する手続きを自分でする必要が全くないというメリットがありますが、前の勤務先と新しい勤務先との間での事務上のやり取りが必要となります。
 給与所得者であれば、特別徴収(給与天引き)されているため、あまり気にすることもなかった住民税ですが、退職後は個人の責任で支払わなければいけません。うっかり支払の期限を過ぎるとペナルティとして延滞金もかかってしまいます。退職後は収入もなくなるため、住民税の負担が大きく感じるものです。退職金の一部を住民税の納税準備として蓄えておくなど、退職後の住民税への心づもりをしておきましょう。
執筆:税理士・ファイナンシャル・プランナー/板倉 京
所属:プラチナ・コンシェルジュ
改訂:2014年10月1日
掲載日:2010年5月21日

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