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【第11回】配偶者の注意点

退職・年金ナビ [ 定年退職前後の手続きガイド ]

 

 夫が定年退職すると、扶養されていた妻はどうなるのでしょうか? また、年金からも税金が源泉徴収されますが、その額はどのように決まるのでしょう。今回は、定年前後の夫を持つ妻にまつわるお金の知識を紹介します。

第3号被保険者
 会社員や公務員等の夫に扶養されている妻は、1986年から第3号被保険者として国民年金に強制加入することになりました。妻が第3号被保険者であるときは、妻自身は保険料を負担せず、また3号の妻がいるからといって、その分夫の厚生年金保険料等が高くなるわけでもありません。にもかかわらず3号としての加入期間は、保険料を納めた期間とされ、年金額にも反映します。
第1号被保険者への切り替え
 では、夫が定年退職すると、扶養されていた妻の年金はどうなるのでしょう。
夫が再び働かない場合や、厚生年金に加入しない働き方を選択した場合、60歳未満の妻は、第3号被保険者から第1号被保険者に切り替わることになります。第1号被保険者への種別変更届けは、夫の退職日から14日以内に住所地の市区町村役場の国民年金課で行います。そして60歳になるまで月額15,250(平成26年度の金額で毎年上昇)の国民年金保険料を支払わなければなりません。退職後の家計を考える際、支出にしっかり見込んでおきましょう。
配偶者加給年金
 夫が65歳から満額の年金をもらうようになったときに65歳未満の配偶者がいる場合、約40万円の「加給」が年金額に加算されます。条件は、夫の厚生年金や共済年金への加入年数が20年以上あることです。
 この加給年金は、妻が老齢基礎年金を受給できる65歳になると打ち切られます。ただし、昭和41年4月1日以前生まれの妻に対しては、打ち切られた加給年金の一部が、妻の老齢基礎年金に振り替え加算されます※1。なんとこの振替加算は、一生涯続くのです。
 ただし、妻が20年以上加入の老齢厚生年金や退職共済年金をもらえるときは、加給年金は支給されないので注意が必要です。当然ながら、65歳からの老齢基礎年金に振替加算もつかないことになります。そのため、働く妻からよく受ける相談の一つに、仕事を20年になる前に辞めるか否かがあります。
 端的に言えば、20年から数年間働くことができるのであれば、年金額も増えるので辞める必要はありません。一方、厚生年金の加入記録が20年を少し超えた期間で退職する場合は、よく考えることをお勧めします。どちらが良いかわからない場合は、年金事務所で20年以上働いた場合の年金額の増加額と、加給年金+振替加算の受給額を試算してもらうとよいでしょう。
 加給年金が加算されるかどうかは、60歳時の裁定請求書で判断します。裁定請求書には、生計維持の証明の欄があり、夫が生計を維持していることが確認されれば、夫には加給年金額が、妻には振替加算がつくことになります。生計維持に関しては、妻の年収が850万円未満であれば認められます。
振替加算額(平成26年度価額)(※1)
妻(配偶者)の生年月日振替加算額
昭和25年4月2日~昭和26年4月1日 80,100円
昭和26年4月2日~昭和27年4月1日 74,100円
昭和27年4月2日~昭和28年4月1日 68,300円
昭和28年4月2日~昭和29年4月1日 62,300円
昭和29年4月2日~昭和30年4月1日 56,300円
昭和30年4月2日~昭和31年4月1日 50,500円
昭和31年4月2日~昭和32年4月1日 44,500円
昭和32年4月2日~昭和33年4月1日 38,500円
昭和33年4月2日~昭和34年4月1日 32,700円
昭和34年4月2日~昭和35年4月1日 26,700円
昭和35年4月2日~昭和36年4月1日 20,700円
昭和36年4月2日~昭和41年4月1日 14,900円
昭和41年4月2日~ なし
扶養親族等申告書
 老後に受け取る年金は、所得税・住民税の課税対象となります。公的年金額が、65歳未満で108万円以上、65歳以上で158万円以上の人には雑所得として所得税がかかり、源泉徴収されます。ただし、配偶者や扶養親族がいる場合は、「扶養親族等申告書」を提出することにより控除が受けられます※2。
 申告書は毎年11月頃、日本年金機構や共済組合から送られてくるので、忘れないように返送しましょう。
配偶者控除と扶養控除(※2)
名 称対象となる人控除額
配偶者控除 所得38万円以下の配偶者 38万円
配偶者特別控除 所得38万円超76万円未満の配偶者 配偶者の所得に
応じて3~38万円
老人控除対象配偶者 所得38万円以下の70歳以上の配偶者 48万円
老人扶養親族 70歳以上の親等 48万円
同居老親等 70歳以上の同居の親等 58万円
(平成26年度の税制による)
執筆:社会保険労務士/ファイナンシャル・プランナー  菅田 芳恵
所属:プラチナ・コンシェルジュ
改訂:2014年11月17日
掲載日:2010年10月27日

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