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【第14回】介護保険

退職・年金ナビ [ 定年退職前後の手続きガイド ]

 

 日本人の5人に1人が65歳以上という時代になり、老化にともなう病気やケガで介護が必要となる人が年々増えています。また一方で、高齢化や少子化で介護する家族の数が減りつつあることも介護をする側の問題として深刻になっています。
今後セカンドライフにとって重要な問題は、お金よりも介護ということが言えるかもしれません。そこでいざとなった時にあわてないために、介護保険の仕組みを知り、賢い利用法をマスターしていくことが望まれます。

介護保険の対象者
 介護保険を利用することができるのは、65歳以上で「介護が必要(要介護)」、もしくは「介護予防が必要(要支援)」と認定された人及び40歳~64歳で老化にともなう病気やケガ(特定疾病)が原因で要介護となった人です。65歳未満の人が交通事故等で介護が必要になった場合は、介護保険の対象にはなりません。
 実は今、この40歳~64歳の利用者が急増しているのです。映画などで話題となった若年性認知症や末期がんにおけるケアなどです。病気になった場合、65歳前だから介護保険が利用できないとあきらめるのではなく、その病気が特定疾病に該当するかどうか一度確認をすることをお勧めします。
認定の手続き
 介護保険を利用するためには、「要介護、要支援である」と認められる必要があります。これを要介護認定、要支援認定と言い、7段階のランクがあります※1。どのランクにも当てはまらない場合は自立しているとして「非該当」となります。この手続きは、(1)市区町村への申請書の提出 (2)日常生活の状況についての調査の実施及び医師の意見書の提出 (3)認定 (4)通知 (5)給付といった手順で行われます。要介護、要支援認定は、申請の日から6カ月で有効期限が切れ(更新後の有効期限は1年)、そのたびに認定調査を受けなければなりません。
要介護認定の基準(※1)
状態区分認定基準
要支援1・2 要介護状態ではないが、社会生活の上で一部介助が必要な場合や、失われた能力を取り戻すような支援が必要な場合等
要介護1 立ち上がり、歩行等に不安定さが見られ、排泄、入浴等に部分的介助を必要とする場合等
要介護2 立ち上がり、歩行等が自力ではできない場合が多く、排泄、入浴等に部分的に全介助を必要とする場合等
要介護3 立ち上がり、歩行等が自力ではできず、排泄、入浴等に全面的な介助を必要とする場合等
要介護4 日常生活を行なう能力がかなり低下しており、全面的な介護が必要な場合が多い。尿意、便意がみられない場合もある等
要介護5 日常生活を行なう能力が著しく低下しており、全面的な介護が必要な場合である。意思の伝達がほとんどまたは全くできない場合が多い等
(平成26年度の介護保険制度による)
介護サービス
 要介護と認定された人は、22種類のサービスから、要支援と認定された人は、16種類の介護予防サービスから必要なものを選びます。このとき、サービスの利用計画(要介護の人はケアプラン、要支援の人は介護予防プラン)を立てることになります。この利用計画は、介護支援専門員(ケアマネージャー)に立ててもらうケースが多いようです。介護保険で受けられる介護サービスは、在宅サービス、地域密着型サービス、施設サービスの3つに分類されますが、施設サービスは要介護者のみの利用となります。
自己負担はサービス料の原則1割
 在宅サービスについては、要介護度の段階ごとに、保険給付の上限額が設定されていて、サービスを利用する際には、原則としてサービス料の1割を利用者が負担します※2。保険が適用されるのは、介護にかかるサービスの部分のみで、居住費と食費などは、基本的に全額自己負担になります。また、限度額を超えた部分についてはサービス料金の全額を負担する必要があるので、注意が必要です。
在宅介護サービス費用における1カ月当たりの支給限度額(※2)
要介護度訪問・通所サービス自己負担
要支援1 50,030円 介護予防サービス 原則として利用限度額の1割
要支援2 104,730円
要介護1 166,920円 介護サービス
要介護2 196,160円
要介護3 269,310円
要介護4 308,060円
要介護5 360,650円
高額介護サービス費
 介護保険サービスを利用した時に支払う1割の自己負担が高額になってしまった場合は、月当たりの上限額を超えた部分については払い戻してもらえます※3。また、医療保険と介護保険の両方の自己負担額を年単位で世帯合算して、限度額を超えた場合には、超過分を払い戻してくれる「高額医療、高額介護合算制度」もあります。費用が高額になった場合は、この制度をうまく利用したいので、自己負担分の領収書等はきちんと整理をしておきましょう。
高額介護サービス費(※3)
一般 37,200円
世帯主が住民税非課税 24,600円
生活保護受給者等 15,000円
介護サービスの選択
 数ある介護サービス、そしてそれを手掛けている事業所、施設から本当にあったものを選ぶには、どうしたらよいのでしょうか。介護保険でサービスを利用するには、(1)介護サービスの種類を選ぶ (2)サービスを提供する事業者や施設を選ぶという2つの選択が必要です。(1)については「どんなサービスによる支援が必要なのか」を考えることが基本です。ケアマネージャーに言われるまま、あれこれと不必要なサービスを限度額いっぱいまで計画する人を見かけますが、1割は自己負担です。また(2)については、全ての事業所、施設の介護サービス情報が公開されていますので、市区町村の窓口やケアマネージャーに尋ねたり、インターネットで調べて参考にするとよいでしょう。
執筆:社会保険労務士/ファイナンシャル・プランナー  菅田 芳恵
所属:プラチナ・コンシェルジュ
改訂:2014年12月15日
掲載日:2011年月02月04日

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