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FTSE日本代表ポール・ホフ氏に聞く 「インデックスハウスFTSEが描く世界戦略」 - CFDと株価指数 - CFD

 

FX・CFD [CFDと株価指数]

【第1回】FTSE日本代表ポール・ホフ氏に聞く

「インデックスハウスFTSEが描く世界戦略」

東京金融取引所の取引所CFD、「くりっく株365」が開設された。11月22日上場スタート当初は日経225平均株価に連動する「日経225証拠金取引」、DAX指数に連動する「DAX証拠金取引」、FTSE100指数に連動する「FTSE100証拠金取引」の3指数、また12月13日にはFTSE中国25指数に連動する「FTSE中国25」が取引を開始した。今後もさまざまな国の株価指数に連動する海外株価指数証拠金取引が、相次いで上場される予定だ。
 今回世界中で優に10万を超える株価指数を計算しているFTSEの日本代表・ディレクターのポール・ホフ氏に「FTSE100」と「FTSE中国25」についてどのような特徴を持つ株価指数なのか、話を伺いました。


この度、くりっく株365の対象として、FTSE100とFTSE中国25という2つの株価指数が採用されたわけですが、それぞれどのような特徴を持った株価指数なのかを教えてください。


FTSE 日本代表・ディレクター
ポール・ホフ氏

ポール氏:

FTSE100は世界でも最も歴史のある株価指数のひとつです。最初は英国の経済紙、フィナンシャル・タイムズ社が、ロンドン株式市場の株価動向を把握するために開発しました。当初の構成銘柄数は35銘柄でしたが、今では名称にもあるように、100銘柄によって構成されています。

これに対して、FTSE中国25は、まだそれほど歴史は長くないのですが、やはり世界の成長センターである中国の株価動向を把握するためのものなので、注目度はとても高いといえるでしょう。

ちなみに、FTSE中国25は、25銘柄で構成されています。株価指数としては、FTSE100と比べても構成銘柄数が少なく、市場全体の株価動向を忠実に反映できるのかどうか、疑問に思われる方もいらっしゃると思いますが、実は25銘柄で、市場全体の時価総額のうち85%をカバーしています。また、FTSE100はロンドン証券取引所に上場されている銘柄のうち100銘柄で構成されていますが、こちらはロンドン証券取引所の85%をカバーしています。

取引所に上場されている銘柄の一部で構成されているとしても、市場全体の値動きをきちっとカバーできるということですか?

ポール氏:

そうです。なかでもFTSE100については、ロンドン証券取引所に上場されている銘柄によって構成された株価指数ではあるのですが、決してロンドン証券取引所の動向だけを反映しているわけではありません。というのも、FTSE100を構成している企業は、イギリス企業だけでなく、国外の企業も多数、含まれているからです。東京の株式市場は、やはり日本国内のローカルマーケットというイメージが強く、事実、上場されている企業も日本企業ばかりですが、ロンドン証券市場は世界でもいち早くグローバル化を推し進めたため、イギリス企業だけでなく、世界中の企業が株式を上場し、資金調達の場にしているのです。そのため、結果的にロンドン証券取引所は、イギリスの証券市場というよりも、世界の証券市場という色彩が濃く、世界中の企業が株式を上場しているのです。ちなみに、上場されている企業の7割が、イギリス以外の国の企業です。

したがって、FTSE100という株価指数は、世界経済の動向を反映していると見ることができます。つまりFTSE100に投資するということは、国際分散投資をしているのと同じ効果があるともいえるのです。


FTSE100 月足チャート

出所:QUICK ActiveManager


一方、FTSE中国株25は、純粋に中国企業の株式のみで構成されています。具体的には、香港証券取引所に上場されている中国本土企業であり、レッドチップと呼ばれる香港登記の中国本土企業、ならびに中国本土に登記されているH株で構成されています。

FTSEでは、中国株式を対象にしたものだけでも複数の株価指数を算出していますが、今回、くりっく株365に提供する株価指数に、香港証券取引所に上場されている銘柄のみで構成されたFTSE中国25を選んだのは、なぜですか?

ポール氏:

おっしゃるように、FTSEでは中国株式を対象にしたものだけで、7種類の株価指数を算出しています。このうち、個人でも取引しやすいものをという観点で選んだ時、香港上場企業だけで構成されたFTSE中国25が適しているという結論になりました。

たとえば、ETFのなかには上海証券取引所や深セン証券取引所に上場されているA株を組み入れたものがあります。A株というのは、中国の国内投資家およびQFIIという中国金融当局からの認可を得た外国人投資家のみに開放されている株式のことです。

A株を対象にしたETFの場合、このような取引規制があることから、取引価格にプレミアムが上乗せされています。結果、実際の価格に比べて割高な水準での取引をせざるを得なくなるため、個人にとっては取引しにくい面があります。また、A株と同様に上海証券取引所と深セン証券取引所に上場されている、外国人投資家にも開放されているB株の場合、市場規模が非常に小さく、流動性の面で問題があります。

こうした点を考慮すると、やはり個人投資家が適正な価格で、いつでも自由に取引するためには、市場規模が比較的大きく、かつ取引規制のない香港証券取引所に上場されている銘柄で構成された株価指数が良いのではないかと判断しました。何しろ、中国企業の主だったところは、ほとんどが香港証券取引所に株式を上場しているので、敢えてA株やB株のような、本土の証券取引所に上場されている株式を組み入れなくても、十分、中国株式市場の値動きはカバーできます。

構成銘柄にはどのような特徴があるのでしょうか。

ポール氏:

FTSE100の構成業種のうち上位3つは、金融が21%、石油・ガスが19%、素材が15%、という比率ですが、他の業種にも幅広く分散しており、現在、10業種で構成されています。上位3つ以外では、産業向け機器・サービス、消費財、ヘルスケア、消費者サービス、通信サービス、公益、テクノロジーです。

一方、FTSE中国25は、業種に偏りがあり、金融がダントツのトップで、全体の48%を占めています。次に通信サービスの18%、石油・ガスが16%です。それ以外では、素材、産業向け機器・サービス、消費者サービスとなっており、6業種で構成されています。


(図表1)FTSE100 業種の割合

(図表2)FTSE中国25 業種の割合

出所:FTSE


業種分散という点では、FTSE100の方が分散は効いています。また、銘柄別に見ても、FTSE100の場合、上位5銘柄の組入比率を合計すると28.47%。最も組入比率が高いHSBCホールディングスでも、7.82%です。

これに対してFTSE中国25の場合、上位5銘柄の組入比率合計は41.12%。最も組入比率が高いチャイナ・モバイルで9.79%となっています。その分だけ、特定業種、特定銘柄への集中度合いは強いということになります。

TOPIXとFTSE100、そしてFTSE中国25の値動きを見ると、やはり業種分散や特定銘柄の組入比率、組入銘柄数が集中しているFTSE中国25は、その他の株価指数に比べて、ボラティリティが高くなる傾向が見られますし、FTSE100なら石油・ガスや素材、FTSE中国25なら金融というように、組入比率の高い業種の株価動向に左右されやすいともいえるでしょう。


構成銘柄の選択基準は?

ポール氏:

FTSE100も、FTSE中国25も、基本的には時価総額上位銘柄によって構成されています。ただ、時価総額だけで選ぶのではなく、流動性についても配慮しています。そのため、時価総額が大きいだけでなく、浮動株比率が高いということも、構成銘柄を選ぶうえでの重要な基準になっています。

浮動株というのは、特定の株主によって長期保有されていない株式のことです。たとえば、持ち合いなど政策的な意味合いで保有されている部分が大きな銘柄は、流動性が低いため、ちょっと大きな金額で売り買いが行なわれると、株価が乱高下してしまう恐れがあります。それを避けるため、発行済み株式数のうち、政策的な持合などが行なわれておらず、純粋に市場で売買されている株式数が大きい、つまり浮動株比率が高いということも、構成銘柄に組み入れる際の判断基準になっているのです。

ちなみに、FTSE100も、FTSE中国25も、時価総額や浮動株比率を判断材料にして、四半期に1度の割合で銘柄入れ替えを行なうようにしています。

今回、くりっく株365にはFTSE100、FTSE中国25という2つの株価指数を用いた証拠金取引が登場したわけですが、今後も、くりっく株365向けには、いろいろな株価指数が登場することになるのでしょうか。

ポール氏:

そうですね。今、日本に近いアジアの国々において、注目度の高い株価指数というと、台湾のTWSE台湾50と、シンガポールのST(ストレートタイムズ)指数などがありますが、これらについても時期は未定ですが、くりっく株365向けの株価指標として提供していく予定です。

まず大事なことは投資家の教育。そしてシステムが安定して動くかどうか。この2点を重視して、くりっく365向けの株価指標を提供していきたいと考えております。


Fanet MoneyLife(掲載日:2011年01月26日)


   
    

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