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【第6回】ヘルスケアリート入門

ヘルスケア特集

 

東証上場のヘルスケアリートをご紹介!

1. はじめに

 これまで「ヘルスケアリート入門」では、ヘルスケアリートの仕組みや、ヘルスケアリート上場に向けた取り組みについてご紹介してきましたが、2016年3月31日現在、東京証券取引所には、日本ヘルスケア投資法人、ヘルスケア&メディカル投資法人、ジャパン・シニアリビング投資法人の3つのヘルスケアリートが上場しています。そこで、今回は、これら3つのヘルスケアリートについて概要をご紹介したいと思います。

【図表1】上場ヘルスケアリートの比較(2016年3月31日時点)

(※1)年間予想分配金利回り=(今期予想分配金×2)÷前日終値
(※2)資産運用会社の大株主のうち、出資比率5%以上の者

(出典)Bloomberg、各社開示資料より東京証券取引所作成

2.日本ヘルスケア投資法人の概要

 まずは、日本におけるヘルスケアリート上場第一号となった日本ヘルスケア投資法人についてご紹介します。日本ヘルスケア投資法人の保有資産(2016年3月31日時点)は、有料老人ホームを中心に21物件約186億円となっています。建築時期をみると、2014年10月に建築されたアルファリビング岡山西川緑道公園をはじめ、2016年3月31日から起算すると、5物件が5年以内に建築された物件となっており、更に10年以内に広げて見てみると実に16物件が当てはまります。

【図表2】築年数順5物件

(出典)日本ヘルスケア投資法人開示資料より東京証券取引所作成


 その他、特徴的な事項として、日本ヘルスケア投資法人では、利益を超える金銭の分配(利益超過分配)を毎期継続的に実施する方針※を採っている点が挙げられます。また、スポンサーやアドバイザー(ヘルスケア分野で豊富な投資実績のあるAIPヘルスケアジャパン)による充実したサポートや、資産運用会社に特定のオペレーターグループの参画がなく高い独立性を有するため、幅広いオペレーターとの協力関係の構築が可能な点も特徴の一つです。

※ 減価償却費等の現金支出を伴わない費用については、リートの手元に資金が残ることになります。当該資金の使途は、保有物件の修繕費や新規物件取得の原資等、リートによって異なっていますが、日本ヘルスケア投資法人ではキャッシュマネジメントの一環として、当該資金についても投資家への分配金の原資に回すこととしています。

【図表3】1口当たり分配金の実績

(注)第4期・第5期は予想額(2016年3月28日時点)

(出典)日本ヘルスケア投資法人開示資料より東京証券取引所作成

3.ヘルスケア&メディカル投資法人の概要

 次に、ヘルスケア&メディカル投資法人について紹介します。保有資産(2016年3月30日時点)は18物件約250 億円となっています。資産の内訳は、日本ヘルスケア投資法人同様、有料老人ホームが中心となっています。所在地をみると、東京都世田谷区のボンセジュール千歳船橋など東京23区所在の5物件を含め、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県)に10物件を保有しています。

【図表4】東京23区内所在の5物件

(出典)ヘルスケア&メディカル投資法人開示資料より東京証券取引所作成


 ヘルスケア&メディカル投資法人は、「金融」、「介護・医療」、「ファンド運営」の各分野で専門的ノウハウを有する会社が主要スポンサーとなっており、これらスポンサー等との間で、ヘルスケア施設の取得をはじめ、様々な内容のサポート契約を締結しています。本年3月には、2物件を追加取得しましたが、これ以外にサポート契約に基づく優先交渉権を有している物件が14物件あり(2016年3月15日現在)、今後も、資産の追加取得による外部成長が期待されます。

【図表5】主要スポンサーの概要

(出典)ヘルスケア&メディカル投資法人ホームページ掲載資料より東京証券取引所作成

4.ジャパン・シニアリビング投資法人の概要

 最後に、ジャパン・シニアリビング投資法人について紹介します。保有資産(2016年3月28日時点)は、介護付有料老人ホームを中心に14物件約280億円となっています。居室数をみると、384室のアクティバ琵琶を筆頭に、大型の物件も数多く保有しており、単純平均すると、1物件当たり約117室となっています。

【図表6】居室数順上位5物件

(※)2016年4月1日付で「レストヴィラ神戸垂水」から名称変更。

(出典)ジャパン・シニアリビング投資法人ホームページ掲載資料より東京証券取引所作成


 ジャパン・シニアリビング投資法人は、日本版CCRC※、地方創生、地域交流・多世代交流、団地再生、コンパクトシティ等の社会的ニーズに対応した投資による成長と社会貢献の両立を基本方針として掲げています。日本版CCRCのモデル事例として位置付けられるアクティバ琵琶をはじめ、基本方針に掲げられた社会的ニーズを満たす物件を多数保有しています。

※ 米国では、高齢者が移り住み、健康時から介護・医療が必要となる時期まで継続的なケアや生活支援サービス等を受けながら生涯学習や社会活動等に参加するような共同体CCRC(Continuing Care Retirement Community)が約2,000か所存在し、一定の社会的役割を果たしています。 日本版CCRCにおいては、事業者によって居住・コミュニティ空間が提供され、居住者は生活支援やコミュニティ形成の支援を得ます。また、行政や大学等の地域との連携により、生涯学習や社会参加、他世代交流の機会があり、介護・医療機関との連携により、健康づくりや介護・医療のサービスを受けることができます。(ジャパン・シニアリビング投資法人ホームページ掲載資料より抜粋)。

【図表7】主な保有資産と基本方針との対応表

(出典)ジャパン・シニアリビング投資法人ホームページ掲載資料より東京証券取引所作成

5.おわりに

 ヘルスケアリートと一口にいっても、リート毎に様々な特徴があります。ここでは一部しか紹介できませんでしたが、各リートのホームページでは、リートに関わる様々な情報が公表されています。また、本サイトにおいても、ヘルスケアリートの代表的な保有物件を動画でご紹介していきますので、これらについても是非ご覧ください。

【各リートのホームページ】



掲載日:2016年4月22日



   
    

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