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投信ニューフェース インドネシア株ファンドが久々の登場、インドネシアが注目される理由とは - 注目の投信 - 投資信託

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投資信託 [ 注目の投信 ]

【第136回】

投信ニューフェース

インドネシア株ファンドが久々の登場

インドネシアが注目される理由とは

インドネシア株に投資する『ING・インドネシア株式ファンド』と『PCAインドネシア株式オープン』の2ファンドが11月30日に新規設定される。国内の公募追加型株式ファンドのうち、インドネシア株だけで運用するのは両ファンドのみとなる。BRICsに続く成長国として注目される“ネクスト11(イレブン)”や“TIPs”(※)の一角にすぎなかったインドネシアが今、クローズアップされる理由とは・・・。


中国、インドに続く経済成長率

インドネシア株の投資魅力は豊富な労働人口をベースとした内需拡大や、多種多様な天然資源を保有していること。加えて、目先では格付けの引き上げ期待といった好材料もある。人口は2008年時点で約2.3億人(世界第4位)と、高齢化が進む日本と異なり25歳未満の若年層が多い。こうした若年層の将来的な所得アップが消費拡大につながるとのシナリオだ。

国際通貨基金(IMF)の予想によると、2009年の国内総生産(GDP)の実質成長率は3.9%とこれまでより減速するものの、2010年は4.7%、2011年は5.0%と徐々に成長路線に戻る見込み。中国やインドの陰に隠れがちのインドネシアだが、1997年のアジア通貨危機や政治不安を脱却し経済が急回復している。アジア地域の中ではベトナムの成長率が09年で4.6%、10年で5.3%とインドネシアより高いものの、「より安定的な経済成長が見込める」(ピーシーエー・アセット・マネジメント・常務執行役員マーケティング本部長の高橋庸介氏)点が評価されているようだ。

投資適格債への引き上げに期待感

堅調なマクロ経済を背景にインドネシアの格付けが来年にも投資適格に引き上がるとの観測もある。格付けは現在、スタンダード・アンド・プアーズが自国通貨建てソブリン債で「BB+」、見通しをポジティブとしており、投資適格まであと1ノッチ(段階)に迫っている。ムーディーズ・インベスターズ・サービスの格付けは「Ba2」と投資適格まで2ノッチだ。PCA・アセット・マネジメントの高橋氏は、「インドやブラジルが投資適格に引き上がった際、外国人投資家の資金流入が膨らんだ」と指摘する。

豊富で多様な天然資源を有していることもインドネシアの魅力。パーム油やすず鉱、天然ゴム、カカオの生産高の世界シェアは上位に入っているうえ、石炭や金鉱、ニッケル鉱なども産出しており、ロシアなどとは異なって品目が分散していることも特徴だ。最近では中国やインド向けに天然資源の輸出が伸びているため、中国、インドにインドネシアを加えて“チャインドネシア”、この3ヵ国の地理的な位置関係から“ゴールデントライアングル”と名付けてアジアの中でも特に中国、インド、インドネシアに着目する動きがある。

インドネシアの高成長をファンドで捉える

11月末にアイエヌジー(ING)投信とPCA・アセット・マネジメントが新規設定するインドネシア株ファンドは、インドネシア株市場の値動きを捉えることを目指すファンド。前者は25~35銘柄程度、後者は50銘柄前後に投資する見通し。インドネシアの代表的株価指数であるジャカルタ総合指数の構成比から、金融やエネルギーなどの業種が上位に入る見込みだ。日本国内からインドネシアの一部の個別株に直接投資はできるものの、国内証券への委託手数料のほか、現地証券への手数料など諸々のコストがかかるため、海外株投資の初心者にはファンドの方が手軽といえそうだ。

インドネシア株に投資するファンドの場合、アジア株ファンドや新興国株ファンドの中で資産の一部を投資するタイプが主流だ。過去には野村アセットマネジメントが『オーロラII(インドネシア投資ファンド)』を運用していたが、2006年7月に満期償還した。償還時の残高は2.6億円と小規模だった。これまであまり話題にならなかったインドネシア株ファンドだが、新規の2ファンドが新たなブームの火付け役となるか注目される。

来期予想PERは15倍に低下か

インドネシアの時価総額は18兆円程度、上場銘柄数は約400銘柄(9月末時点)。ジャカルタ総合指数(現地通貨ベース)の年初から10月末までの上昇率は約75%と、ロシアRTS指数の113%には及ばなかったものの、上海総合指数やインドSENSEXの64%を上回った。過去3年間ではSENSEXとRTSを上回った。ING投信では、「ジャカルタ総合指数の今期PERは30倍前後だが、EPSの増加で来期予想PERは15倍程度になる見込みだ。インドネシアの株式市場の時価総額は対GDP比で4割程度と、インドやブラジルなどと比較しても伸び代がある」という。

一方、価格変動のばらつき度合いを示すリスク指標の標準偏差で過去3年間の値動きを比較すると、ジャカルタ総合指数はRTS指数や上海総合指数、SENSEXより値動きが小さかった。値動きの連動性をみる相関係数では上海総合指数やダウ工業株30種平均、TOPIXとインドネシア株の相関がやや低めだったため、ある程度の分散効果が期待できるかもしれない。

第2次ユドヨノ政権スタートで懸案だった政治が安定化

インドネシア株のリスク要因は政治体制と多発している地震。つい最近の9月末に起きたスマトラ島沖の大地震でも多数の死傷者が出た。一方、これまで不安定だった政治はユドヨノ大統領の再選で安定しつつある。10月からスタートした第2次ユドヨノ政権では、インフラ整備や外資誘致策などを実施して7%成長を目指す。

アジア通貨危機で暴落したインドネシアのルピア相場だが、足元の過去1年では対ドルで約13%のルピア高、対円で約5%のルピア高とルピアが買われている。

ただ、昨年のリーマン・ショックで新興国の株式や通貨が大きく下落し、その後急伸したことは記憶に新しい。株式市場の規模が小さく値動きが荒くなりがちだのため、投資する際はタイミングにも注意したい。

※ネクスト・イレブン…イラン、インドネシア、エジプト、韓国,トルコ、ナイジェリア、バングラデシュ、パキスタン、フィリピン、ベトナム、メキシコの11ヵ国。TIPs(ティップス)…インドネシア、タイ、フィリピン


執筆:QBR 根岸てるみ(掲載日:2009年11月25日)

 
   

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