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投信ニューフェース 東証ETF『MAXISトピックスリスコン(5%)』(三菱UFJ投信) - 注目の投信 - 投資信託

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投資信託 [ 注目の投信 ]

投信ニューフェース

東証ETF『MAXISトピックスリスコン(5%)』(三菱UFJ投信)

――連動指数は現金比率を高めながらTOPIXに投資。価格変動リスクはTOPIXの3分の1程度で、国内債券型投信並みの低リスク。約19年間にTOPIXは配当込みで25%下落したのに対し、連動指数は約5%上昇。

※以下、断り書きの無いデータはすべて2012年2月17日時点。連動指数の「TOPIXリスクコントロール指数」の指数値およびボラティリティなどの関連数値については、東京証券取引所の公表値ではなく、東証公開の「TOPIXリスクコントロール指数の算出要領」(注1)を基にQBRが試算した数値を採用してデータ分析。TOPIX(東証株価指数)は明示しない限り、配当込みTOPIXを指す。
(注1)TOPIXリスクコントロール指数の算出要領:http://www.tse.or.jp/market/topix/calculation.html

TOPIXに連動する株式部分と残りの現金部分の配分比率が日々変動。株式部分の配分比率は直近のTOPIXボラティリティ(価格変動リスク)を基に機械的に決定。株式部分の配分比率は過去19年間で平均27%・最大56%・最小9%。

2月23日、東証に新種のETF『MAXISトピックスリスクコントロール(5%)上場投信、以下「MAXISトピックスリスコン(5%)ETF (1567)」』が上場する。運用は三菱UFJ投信が行い、主な運用コストとなる信託報酬は税込みで年0.252%以内。東証では10口単位での売買が可能で、当初の最低売買金額は1万円程度(22日設定時のETF当初元本は1口=1千円)の見込み。信用取引による買いと売りも可能。

連動指数は東証との契約の下、S&P社が開発し算出維持する「TOPIXリスクコントロール指数(5%)」。この指数の変動に連動するよう、ETFはTOPIX連動のインデックスファンドに投資するが、その配分比率を日々調整するのが大きな特徴。残りは安全資産の現金部分として国内短期金融商品で運用するマネープールファンドに投資する。マネープールファンドの現在の実勢利回りは年率0.1%弱とみられる。

連動指数に関する東証サイト: http://www.tse.or.jp/rules/etf/indices/risk_control.html
三菱UFJ投信のETFサイト: http://www.am.mufg.jp/f_info/etf_list/index.html

連動指数では、TOPIX(株式部分)の配分比率を定める手順を定式化している。株式部分の比率をレバレッジ・ファクターとも呼ぶが、TOPIXの直近のボラティリティ(価格変動リスク、注2)をベースに配分比率が決まる。

具体的にはまず、連動指数の「TOPIXリスクコントロール指数(5%)」ではターゲット・ボラティリティと呼ぶ数値を5%に固定。この5%を直近のTOPIXボラティリティで割った比率が株式部分のTOPIX配分比率になる。直近のTOPIXボラティリティは毎日増減するため、TOPIX配分比率と残りの現金部分比率もこれに伴い日々変動する。

例えば、TOPIXのボラティリティを20%とすると、TOPIX配分比率は全体の4分の1(=5%÷20%)になる。株式相場の値動きが荒く直近のボラティリティが増大するとTOPIX配分比率が下がり、現金部分の比率が上がる。反対に、ボラティリティが縮小するとTOPIX配分比率が上がり、現金部分の配分比率が下がる、という仕組みだ。

理論的には、ボラティリティの大小は株式相場の上昇と下落、双方向への変動率が大きいことに対応するが、実際の市場ではボラティリティの増大は株式相場の急騰局面よりも急落場面で多く発生する傾向にあり、反対にボラティリティの縮小は株式相場が上昇基調をたどる場面で生じやすい。このことからは「ボラティリティ=大で株式配分減、ボラティリティ=小で株式配分増」は、下落リスクを抑えながら運用成績の改善を狙う投資戦略の一つと言える。

グラフは指数基準日の1993年3月11日以降のTOPIXボラティリティと株式(TOPIX)配分比率、現金配分比率の推移を示す。過去約19年間のTOPIXボラティリティの平均は20%、最大値はリーマン・ショック後2009年2月の約58%、最小は1994年11月の9%。これに呼応し、株式(TOPIX)配分比率は、平均が27%(指数全体の4分の1程度)、最大が約56%、最小が約8%だった。足元2月17日時点のTOPIXボラティリティは約18%で、株式(TOPIX)配分比率は平均水準の27.5%。


ETF分配金の原資となるTOPIX採用銘柄の配当金もTOPIX配分比率に応じて縮小する。仮に、TOPIX配分比率が年平均で4分の1とすると、現在のTOPIX予想配当利回り(約2.3%)に対し、その4分の1の0.5%~0.6%程度がETF全体での配当利回りの目安となる。ETFの実際の分配金は組入株式配当金から運用経費(信託報酬の上限は0.252%)を控除した額を支払うので、少額になると想定される。

(注2)TOPIXボラティリティ
TOPIXボラティリティは3営業日前の時点での過去100日間のTOPIXの日次騰落率を基に計測した年換算値。一般的な標準偏差(ヒストリカル・ボラティリティ)と異なり、平均値からのバラツキ度合いではなく、自然対数ベースで計算した日次騰落率の2乗を加算した値を基に(平均をゼロとして)計算。これを、一般のヒストリカル・ボラティリティと区分して、実現ボラティリティ(Realized Volatility)と呼ぶ。両者ともに過去データを基に算出しているが、実現ボラティリティの方が今後のボラティリティ予測性の点で勝るという考え方がある。

TOPIXリスクコントロール指数(5%)の変動は緩やか。指数の価格変動リスクは国内債券ファンド並みの低リスク。年間騰落率は上昇・下落時ともにTOPIXの平均3割程度の水準に低下。

連動指数のTOPIXリスクコントロール指数(5%)の値動きをTOPIXと比べてみると、値動きの緩やかさが鮮明となる。ひとえに、TOPIX配分比率を平均4分の1程度とし、残りの4分の3程度を現金で運用した結果だ。下落リスクを制限(コントロール)しているため、TOPIXの急騰にはそのまま追随しないし、大幅下落も抑えられる。連動指数基準日の1993年3月11日から2012年2月17日までの約19年間では約5%上昇。この間、TOPIXは約25%下落した。


連動指数の年間騰落率をTOPIXと比べてみると、TOPIXの上昇時、下落時ともにおおむね平均で3割程度の大きさで推移してきたことが分かる。例えば、2005年はTOPIXが45.2%上昇したのに対し、連動指数は16.4%の上昇にとどまった。反対に、2008年の金融危機の局面ではTOPIXは40.6%下落したが、連動指数の下落は8.5%に抑えられた。昨年2011年はTOPIXが17%下落、連動指数は4.9%下落した。


連動指数の価格変動リスクを測ってみる。リスク指標の「QUICKファンド・リスク」(注3)をみると、連動指数のリスク度は最小水準の「1」(1月末時点)であり、これは国内債券ファンド並みの低リスクであることを示す。

(注3)QUICKファンド・リスク
TOPIX(配当含まず)の価格変動リスクを「3」として、ファンドの価格変動リスクを最小の「1」から最大「5*」の6段階に区分したリスク指標

TOPIXリスクコントロール指数のターゲット・ボラティリティを上げると、値動きはTOPIXに近づく。

今回のETF「MAXISトピックスリスコン(5%)ETF (1567) 」はTOPIXリスクコントロール指数(5%)を連動対象とするが、「TOPIXリスクコントロール指数」にはターゲット・ボラティリティの違いで3つの指数が存在する。ターゲット・ボラティリティ=5%、10%、15%の3種類だ。ターゲット・ボラティリティ=10%の指数でのTOPIX配分比率は5%の2倍、15%のTOPIX配分比率は5%の3倍になる(TOPIX配分比率の上限は100%)。この結果、ターゲット・ボラティリティが上がるほど値動きはTOPIXに近づき、価格変動リスクも大きくなる。


ただし、「TOPIXリスクコントロール指数」はTOPIXを買い持ちすることに変りなく、TOPIXの上げ下げに逆行した動きは基本的にとらない。このため、TOPIXとの連動性を示す相関係数はいずれの指数も+0.95前後と完全連動の+1に近い数値となった。

「投資は余裕資金で」と言われても、自分にあった投資比率を決め、それを管理していくのは難儀。現金部分でリスクを抑えるTOPIXリスクコントロール指数は投資タイミングの違いによる損益差が拡大しにくく、長期投資のツールとして応用が効く。

投資に当たっての大原則として「リスク資産への投資資金は生活に支障のない余裕資金を充てること」と言われる。ただ、どの程度の資金を投資に振り向けたらよいかは、市場環境や投資家の属性によって異なり、これといった正解はなく悩みどころになる。その点で、ボラティリティを基準にして株式配分比率を自動調整するというTOPIXリスクコントロール指数の考え方は、この悩ましさを解放する手法の一つになりそうだ。

しかも価格変動リスクが小さいので、投資タイミングの違いによる損益の差が大きくは開かない。投資対象をTOPIXなどの株価指数に限定せずに、長期投資のツールとして同様の考え方を活用する動きが様々な金融商品に広がる可能性を秘めている。


執筆:QBR 高瀬 浩(掲載日:2012年02月21日)

 
   
    

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