株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

投信ニューフェース 高配当日本株ETF「高配当70(1577)」(野村) - 注目の投信 - 投資信託

  • PR
  • PR
  • PR
 
 

投資信託 [ 注目の投信 ]

投信ニューフェース

高配当日本株ETF「高配当70(1577)」(野村)

株式相場調整時の連動指数下落率は日経平均より小さい傾向が鮮明。相場下落月の対日経平均の勝率は8割。配当再投資の威力まざまざ。配当込み指数は12年間で1.9倍に上昇。予想配当利回りの高い70銘柄に等金額投資

※以下、「野村日本株高配当70」指数に関しては、「野村証券金融工学研究センター」のサイトからダウンロードしたヒストリカルデータを基にデータ加工・分析した。


3月7日、東証に新たな日本株ETF『日本株高配当70ETF(1577) <正式名称:「NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信」>』(運用は野村アセットマネジメント)が新規上場した。信用取引による売りと買いも可能。信託報酬は年0.336%(税込み)。決算は年4回(1月・4月・7月・10月の各7日)。7日の終値は1万5200円であり、売買単位は1口なので最低売買金額は現在1万5千円程度。7日初日の売買代金は4.3億円に達し、まずまずの活況ぶりを呈した。

7日時点のETF基準価額と連動指数値(終値)はそれぞれ1万5162円、1万5164.76であり、ETF市場価格と基準価額、指数値の三者の間の乖離幅は小さい。

高配当利回りに着目した日本株ETFとしては、2010年5月に上昇した「上場高配当(1698) 」(税込み信託報酬は年0.294%、運用は日興アセットマネジメント)に次ぐ2本目となる。

連動指数は野村証券・金融工学センターが開発した「野村日本株高配当70」の配当を除くタイプ。これとは別に配当を再投資する形で計算する配当込み指数もある。予想配当利回りが高い日本株70銘柄で構成し、年1回12月に定期入れ替えを実施する。70銘柄の選定にあたっては、配当継続性の観点から過去3年間で経常利益がマイナスとなった銘柄を対象外にする、指数連動運用における銘柄売買の実務に耐えうるよう時価総額や売買代金が小さい銘柄は除外する、などの対応を盛り込んでいる。さらに、指数採用銘柄を定期組み替えする際に銘柄変更が頻発することの低減化を考慮し、現行組入銘柄を優先採用する一定のルールを設けている。

指数採用銘柄数に関しては、銘柄数を少なくし予想配当利回りの高い銘柄に絞り込むほど指数全体の平均予想配当利回りは上がる。そのうえで実運用を想定し、株式の流動性が関係する銘柄売買時の執行コストをできるだけ抑えるようにする検証を重ねた結果、「構成銘柄数=70」がバランスの良い数として落ち着いたようだ。


連動指数は等金額投資型。予想配当利回りは市場平均を1%前後上回る

表は、連動指数の「野村日本株高配当70」および「上場高配当(1698) 」の連動指数で東証開発の「東証配当フォーカス100」の主な特徴を対比したもの。指数の予想配当利回りの水準はどちらも3%前後(1月時点)で、TOPIXの約2%や日経平均の約1.7%(1月末時点)を1%程度上回っている。

組入銘柄数以外の大きな差異としては平均指数化の手法が挙げられる。「野村日本株高配当70」は年1回の定期入れ替え時に採用銘柄を等金額投資する(組入比率が一律約1.43%に揃う)のに対し、「東証配当フォーカス100」は時価総額加重型であり、100銘柄のうちでも組入上位銘柄の比重が高くなりやすい。

「野村日本株高配当70」はREITを含まない全上場日本株(のうち決算期が3・6・9・12月の銘柄に限定)が採用候補であるのに対し、「東証配当フォーカス100」はREITを含む東証1部上場銘柄に限定されるのも特徴的な差異となる。ただし、「野村日本株高配当70」の現時点の採用銘柄を見ると、優先市場が大証1部の数銘柄を含んで70銘柄すべてが東証1部上場銘柄となっている。

価格変動リスクを6段階に分けたリスク階級指標の「QUICKファンド・リスク」でみると、両指数ともに「TOPIX」と同程度の「3」の水準であり、「日経平均」の「4」に比べ1段階小さい。ETFの信託報酬の水準もほぼ同じであり、決算回数が年4回(決算月は組入株の配当権利確定月の翌月)である点や、現在の最低売買金額が1万円台であることは共通する。

グラフは「野村日本株高配当70」と「東証配当フォーカス100」の年間騰落率を市場平均の日経平均と合わせて比較したもの。どちらも、日経平均に逆行して上下するような特性はないが、相場下落時の下落率は「野村日本株高配当70」の方が「東証配当フォーカス100」の下落率に比べやや縮小した回数が多かった。その一方で、相場上昇局面での上昇率は「東証配当フォーカス100」よりも小さくなった場面がある。

「日本株高配当70ETF」の理論的な市場価格は指数値に近い水準で推移する(需給要因を除き)

ETFの大きな特徴の一つは、投信の基準価額を取引所で売買する点にあり、ETFの市場価格は原理上、基準価額に一致するよう動く。そのうえで「日本株高配当70ETF(1577) 」の基準価額は指数値にほぼ一致した水準でスタートしているので、結果的に、「日本株高配当70ETF(1577) 」については「市場価格≒基準価額≒指数値」の関係が成立し、「日本株高配当70ETF(1577) 」の理論上の市場価格は指数値に近い水準で推移する見込みが高い。ただし、どのETFでも実際の売買価格は市場での需給関係が影響し、売買タイミングによって、理論的な市場価格(=基準価額)との乖離が大なり小なり発生するのは免れない。

多くのETFでは円換算の影響や、ETF独自の分配金決定の仕組みなどにより、基準価額と指数値の水準は異なるのが通例だ(お互いの水準が異なっていても、変動率がほぼ一致する限り連動性が高いと評価される)。

この点においては、連動指数の「野村日本株高配当70」の指数値自体が「日本株高配当70ETF(1577) 」の売買価格の目安になるという点では「より分かりやすい値段のETF」と言えそうだ。ただし、年4回の決算で配当金から運用経費を控除した額を全額分配するが、配当権利確定日と決算日までのETFの合計総口数に大きな増減が発生すると、(分配後の)基準価額と指数値との間の乖離が目立ってくる可能性はある。

長期・高配当再投資の威力。日経平均が16%下落した12年間に、配当込み指数は1.9倍に上昇。

グラフは「野村日本株高配当70」指数について、算出基準日の2000年末を起点として2013年2月末までの約12年間の動きを日経平均と比べたもの。この間、日経平均は約16%下落。これに対し、配当を含まない「野村日本株高配当70」は48%上昇。配当込み(配当再投資)の方は1.93倍に上昇した。


このように高配当の再投資効果が歴然としている。配当を含まない指数とのパフォーマンス差は12年間で44%。これを単純に12年で割ると、年3.7%の差がついたことになる。

ただし、配当込み指数の配当金は課税前であることや、ETFでは低コストながらも運用経費や売買手数料が発生するので、理屈の上では、ETF投資における実質的な配当込みパフォーマンスは配当込み指数には劣る。ETFには一般のファンドのような分配金の自動再投資の仕組みがないうえに、金額単位ではなく口数単位で売買するので、その都度、課税後の分配金をすべて再投資できるとは限らないのも注意点になる。


しぶといディフェンシブ性で日経平均に勝ち越し

もっとも、配当を除いても「野村日本株高配当70」指数のパフォーマンスは12年の長期の間に日経平均を大幅に上回った。指数の等金額投資スタイルと高配当利回り株のディフェンシブ性が関係しそうだ。

等金額投資とは組入銘柄の配分比率を一律に等しくすることを意味する。70銘柄の場合、100%を70で割ると約1.43%になる。「野村日本株高配当70」では年1回、定期的に採用銘柄を入れ替えるが、現行銘柄が継続採用される場合、1年の間の株価変動により組入比率は前回入替時の1.43%から増減している。1.43%を超す分は売り、足りない分は買い増すことになる。

定期的に元の等金額の組入比率に戻す手法を「等金額リバランス」と呼ぶ。本質的な意味合いとして、値上がりして全体に占める組入比率が増えた銘柄は利益を確定し、値下がりして組入比率が減った銘柄は買い増すという“逆張り的”な投資手法を内包している。こうした等金額投資の組入スタイルが指数のパフォーマンス向上につながっている可能性がある。

株式相場下落局面でのしぶとい下値抵抗性が浮き彫りになるデータもある。

2001年以降13年2月末までの全146ヵ月について、配当を除く「野村日本株高配当70」指数の騰落率が日経平均の騰落率に勝った(上回った)月と負けた(下回った)月を集計してみると、146ヵ月のうち過半の81ヵ月(55.5%)で日経平均に勝った。

さらに、日経平均が上昇した月と下落した月に分け、勝ち負けを集計すると、日経平均が下落した月の勝率は80.6%に上る一方で、日経平均上昇月での勝率は34.2%に止まった。

年間騰落率をみても、リーマン・ショックが起こった2008年は日経平均の42%下落に対し、配当を除く「野村日本株高配当70」の下落率は36%。一方、相場上昇局面では日経平均の上昇ピッチに追随できない局面もあった。例えば、2012年は日経平均の23%上昇に対し、「野村日本株高配当70」の上昇率は10%だった。


高配当株には傾向的に、配当を当てにした買い需要が下支えする格好で大きく値崩れはしにくい、ディフェンシブ性があるとされる。こうしたしぶとい指数特性が長期で日経平均を大きく上回るパフォーマンスの要因になったとみられる。


執筆:QBR 高瀬 浩(掲載日:2013年03月11日)

 
   
    

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »