【第12回】自分自身のルールを持とう - 川合美智子のFX実践講座
FX・CFD [川合美智子のFX実践講座]
【第12回】
自分自身のルールを持とう
最後に、FXで最も大事な心構えについてお話したいと思います。それは、自分自身のルールをしっかりと持つようにすることです。
一番やってはいけないのは、そもそも短期のトレードを行うつもりでエントリーしたのに、それに損失が生じたところで、「もう少し持っていれば損失が解消し、さらに利益も得られるかも知れない」などというよこしまな気持ちで、長期投資に切り替えてしまうというケースです。
相場というものは不思議なもので、このような気持ちでマーケットに臨むと、ますます自分自身を追いこむような形で、アゲインストの流れが強まっていきます。ですから、最初に自分が決めたシナリオが間違っていた場合には、素直に負けを認めてポジションを清算し、次のチャンスを待つようにした方が良いでしょう。
また、自分自身のルールを作るためには、自分自身でしっかり相場を検証する必要があります。過去の相場をチャートでしっかり見るだけでなく、テクニカル分析を行う場合には、たとえば移動平均線の日数などのパラメータは何日、何週が適切なのかといった点の工夫も必要になります。これは、自分自身でパラメータをどんどん変えて、通貨ペアごとに適切なサインが出るのはどれなのかということを、工夫していくしかありません。
移動平均線は、一般的に9日移動平均線、200日移動平均線が有効と言われますが、工夫次第では、通貨ペアごとに、もっと適切なサインが出るものがあります。たとえば私の場合、ユーロ/ドルのポジションを持つ場合は31週移動平均線を、ドル/円のポジションを持つ場合は62週移動平均線を見るようにしています。
ちなみに、研究、工夫をするというと、なぜか多くの人は非常に難しいテクニカル分析のツールを使いたがりますが、そこにはあまりこだわる必要はありません。大事なことは、難しいことをするのではなく、簡単なことをきちんとやることです。
そして、チャートは自分の手で、手書きで付けることを習慣にすると、過去の数字がきしっかりと頭に入ってくるので、相場を見る時、非常に役に立ちます。
このような工夫と努力で相場に対峙すれば、自分なりのトレーディングスタイルやルールが確立されていくと思います。
ポイント
1. チャートは東京市場寄り付き(午前9時)からNY市場終値(現地時間午後5時、東京時間午前6時(夏時間)または午前7時(冬時間)が有効です。
2. チャートは自分で手書きで付けてみること!こうすると値動きが自然に頭に入ってくるのでトレードにも役立ちます。
【例】
ドル/円相場の場合、62週移動平均線が中・長期トレンドをみるのに有効。5月8日現在、62週移動平均線は79.30に位置しており、これがサポートとなる可能性が高い。

出所:(株)ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ

株式会社ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ代表取締役兼 外国為替ストラテジスト
旧東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)在勤の1980年より若林栄四の下で罫線分析を研究、習熟する。同行でカスタマー・ディーラーとして活躍した後、1989年より在日外銀でカスタマー・ディーラーとして、また、外国為替ストラテジストとして抜群の人気を博す。
罫線分析を基にした為替相場コメントには定評がある。
Fanet MoneyLife(掲載日:2012年06月29日)