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【第3回】日経会社情報の業績欄の読み方

 

株式 [ 株式投資に必要な財務データの読み方 ]

【第3回】

日経会社情報の業績欄の読み方

右上は、業績のハイライトとも言うべき場所になります。日経会社情報の利用者が、最もよく見ている箇所の1つかと思います。ここも、日経新聞の記者が言葉を厳選して、要領よくまとめることに神経を注いでいる部分です。逆に言うと、最上段右の「会社の特徴」と業績のハイライトの部分以外は、有価証券報告書等から「事実あるいは結果」を「分かりやすく」まとめているだけなのです。

オリンパスの業績ハイライトを12月中旬発売の「新春号」と9月中旬発売の「秋号」とで比較してみましょう。

10月14日のウッドフォード社長解任事件を境にして、同じ会社とは思えないほどの違いがあります。秋号までは、「デジカメ、内視鏡ともに好調で、最終増益。円高対策もばっちり」といった内容です。魅力的であります。一方、新春号では、「飛ばし発覚、上場廃止懸念も」と激変しています。

これでは、投資家は何を信じて良いのやら、となってしまいます。

続いて業績欄(中央上)を見て行きましょう。




過去の本決算、中間決算の実績と、今期の予想値の数字が、売上高、営業利益、経常利益、純利益、1株益、1株配の順に並んでいます。「連」は、連結決算を行っている企業であることを表します。

2008年3月期に営業、経常、純利益ともに最高益を記録していますが、2008年9月のリーマンショック以降は、毎年、売上と純利益ともに落ち込んでいったのが分かります。2009年3月期の赤字は、他の企業にも見られました。

【前号予想との比較】は、営業利益、純利益とも横ばいということを矢印の向きで表現しています。

新春号のオリンパスでは、「(編集部注)過年度決算の訂正は未反映」と普通では見られない文言が入っています。実は、新春号発売直後に過年度分の決算の訂正が発表されました。なので、次号の「春号」で修正が行われると思います。

下から2番目の行では、【最高益】と記載されています。1984年3月期以降、最新の本決算までの利益の最高額と、( )内にはその時期が記載されています。最近では、あえて業績予想を発表しない会社も出てきましたが、ここに記載されている【最高益】を超えるような業績予想を出す会社があれば、是非、注目していきましょう。過去の最高益を塗り替えて、成長している会社であることが多いのです。

次に、中央下のブロック【収益構成】を見ていきましょう。



このブロックの上段では、【収益構成】や【事業所】の所在地、【連結】の対象企業の数、【取引先】(販売先、仕入先別)が載っています。オリンパスの場合、スペースがたりなかったので、取引先の続きは巻末に記載されています。

【収益構成】は、とても重要です。事業部門毎の売上構成比率、( )内に利益全体に占める部門利益の構成比率が記載されています。つまり、各事業部門の全体に占める影響力がわかるのです。

仮に、新聞やテレビのニュースで、オリンパスの医療部門に関して好材料や悪材料が出たような場合、そのニュースが、株価にどれほど影響を与えるのかは、売上高の比率でいえば、42%のインパクトがあるわけです。逆に収益構成の低い事業部門のニュースでは、あまり反応がないかもしれません。

一般的に、様々な分野にリスク分散しながら進出している大企業の株価は、1つの事業部門から出てくる材料には、あまり反応せず、逆に収益部門が限られている中小企業の株価ほど、好材料・悪材料に反応しやすくなっています。

下段の【QUICKコンセンサス】を見て行きましょう。



日本を代表する金融情報ベンダーである株式会社QUICKが集計した、証券会社や経済研究所のアナリスト達の業績予想の平均値が記載されています。オリンパスの場合は、8社のアナリストの業績予想の平均値が出ています。アナリストがカバーしていない会社は、この【QUICKコンセンサス】の欄がありません。

このコンセンサスは、決算発表や業績予想の発表時に非常に重要なデータとなってきます。コンセンサスが形成されることによって、株式市場が、ある程度までコンセンサスの水準を織込んで、株価が形成されていくのです。ですから、コンセンサスを大幅に上回るような業績の上方修正があれば、株価に大きなインパクトを与えるかもしれません。

次回は、会社情報の財務に関連する部分を見て行きます。


株式会社アイエフパートナーズ 代表取締役 藤田雅彦(掲載日:2012年02月15日)


   
    

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