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-4- 貯めて交換して、広がる使い道 電子マネーとの連携で高まる利便性 ただ保護制度などに課題も - 特集【電子マネー】 - 経済トピックス

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特集・コラム [ 電子マネー ]

電子マネー-4-ポイントの過去と未来-貯めて交換して、広がる使い道

生活に身近となった電子マネー、その利便性をクレジットカードとともにサポートしてきたのが各種のポイントサービスだ。電子マネー特集の第4回目は、ポイント業界が発展してきた背景、将来性についてレポートする。
 今後もポイントサービスは拡大が続くと見込まれるが、ポイントサービスを使うことは株式投資と同じようなリスクもある。あくまでも現在の法律上は保護制度がないため、発行する企業側が契約ベースでどうにでも改変できるからだ。ポイント交換サービスなどの普及もあり、貯まったポイントを有効に使える環境は整ってきたが、個人情報の流出や企業の倒産リスクも考え、ウマすぎる話には用心したい。

マイレージを軸に連合が急増、発行額は4500億円以上に

野村総合研究所によると、2005年度に発行されたポイントやマイレージなどの「企業通貨」は4500億円以上に達したという。これは国内の主要9業界を対象とし、還元率などを低めに見積もって推計したもの。業界では、実際の発行額は1兆円規模との観測も出ている。近年は航空会社のマイレージを中心とした企業間連合が進み、ポイントを貯めやすくなり、かつ使いやすくなったことが成長の牽引力となっている。JALのJMBカードにおける提携企業数は550社、ANAでは約400社となっている(2007年2月時点)。両社とも提携企業が常に増えているため、マイレージがポイント業界の中心となる傾向はまだまだ続きそうだ。
その一方、ポイント業界を業種別に見ると、はっきりした特徴がある。帝国データバンクが「ポイント引当金」を計上している上場企業136社を対象に調査したところ、最新の期末時点で2870億円がポイント引当金として計上されていることがわかった。ポイント引当金とは、企業が将来のポイント使用に備えてあらかじめ積んだ引当金のため、実際の発行規模はこれ以上に膨らんでいると見られる。
図1 ポイント引当金計上企業の業種一覧
図1 ポイント引当金計上企業の業種一覧
帝国データバンク資料よりQUICK作成
ポイント引当金が多いということは、それだけポイントの発行額も多いわけだが、136社を業種別に見ると「流通・小売」が86社を占めている【図1参照】。これにポータルサイトやネット販売を手がける「その他サービス」の25社が続く形となっている。日常生活・消費者に近い業種ほど競争が激しいためか、ポイント制度を数多く採用しているようだ。ポイント業界に詳しい、帝国データバンク情報部情報取材課の牧秀樹氏は「Eコマース(電子商取引)や企業連合は今後も拡大が見込まれるので、ポイントサービスはさらに広がるでしょう」と指摘している。

ポイント発行額はNTTドコモがトップ、例年増加する傾向

ポイント引当金が最も多い企業は、NTTドコモの485億円だった【図2参照】。同社は携帯電話の契約者向けに「ドコモプレミアクラブ」という会員サービスのほか、クレジット事業も行っている。実際の発行額は公表されていないが、国内最多の携帯電話契約数(5222万件、1月末時点)を誇り、2006年度上半期の携帯電話収入が2兆円を超えていることを考えると、数百億円規模のポイントが毎年発行されていると見られる。
図2 ポイント引当金の計上額のトップ10(最新期)
図2 ポイント引当金の計上額のトップ10(最新期)
帝国データバンク資料よりQUICK作成。
これに続くのはソフトバンクの436億円。ソフトバンクモバイルで携帯事業に参入したせいか、4位のKDDI(272億円)も含めて上位に通信業者が名を連ねている。また3位のクレディセゾンは323億円となっており、ポイントが失効しない「永久不滅ポイント」サービスを導入したことで、ポイント発行残高が増加する傾向にあるようだ。
このようにポイントを多く発行しているからといって、利用者にとってメリットがあるかどうかは一概に判断できない。ポイント還元率が高いことで知られるヤマダ電機では、2006年度上半期の中間決算でポイント販促費(ポイント発行額)として406億円、ポイント引当金として156億円を計上している。同社の経常利益に近い金額が利用者にポイントで還元されたわけだが、「このポイントは、ヤマダ電機以外では千趣会のベルメゾンカタログくらいでしか使えない」(前出・牧氏)。NTTドコモのポイントも、主な使い道は携帯電話の機種交換である。企業側の囲い込み戦略が強すぎると、仮に還元率が高くても消費者にとってメリットは限定されそうだ。

電子マネーとの連携で、ポイントの利便性高まる

写真1 ポイ探の佐藤温社長
写真1 ポイ探の佐藤温社長
 なぜ日本でここまで、ポイント市場が急拡大したのだろうか。ポイント交換ルートを検索できるインターネットサイトを運営するポイ探の佐藤温社長は「ポイントを活用した集客効果や販促効果の高さに、企業が改めて注目をしているからです」と指摘する。企業はメディアや販売代理店などを通して、自社の商品やサービスのマーケティングを行っている。ポイントの持つ高い集客・販促効果に気付いた企業が、2006年あたりからマーケティング予算の一部をポイントに振り分けているようだ。「消費者としても、ポイントのつく販売店・会社から物・サービスを購入するようになり、ポイントがついて当たり前の時代になるでしょう」(同)との指摘もある。
これを後押しするのが電子マネーとの連携だ。ビットワレットが運営する「Edy」の場合、19のサービス(※ポイ探の「Edy逆サーチ」結果を参照)、JR東日本の「Suica」なら7つのサービスからポイントを電子マネーとして移すことができる(※ポイ探の「Suica逆サーチ」結果を参照)。買い物などで得たポイントはコンビニなどで使うことができるため、普段の生活で直ぐに役立てることができる。Edyならクレジットカードで入金すればポイントを貯めることも可能だ。
さらに3月18日から始まったバス・鉄道用のICカードサービス「PASMO」では、鉄道会社によっては電車に乗ることでポイントを貯めることができ、カードで得たポイントで電車に乗ることができる提携サービスを行っている(※ポイ探の「PASMO逆サーチ」結果を参照)。
これまではマイルやポイントを貯めても使い道が少なかったが、電子マネーの普及によって日常生活で使える場所が増えれば利便性はさらに増しそうだ。「今後は株主優待やギフトなどの分野でも、ポイントの拡大が見込まれます」(同)。すでにクレディセゾンでは株主優待としてポイントを付与している。送料などのコスト、投資家の利便性などを考えれば、商品券などに取って代わる公算も大きいだろう。

ポイント交換サービスの普及で、さらに市場拡大も?

企業連合、電子マネーの普及だけでなく、ポイントサービスが拡大するカギを握るものとして、「ポイント交換サービス」が注目されている。国内でポイント交換サービスを行っている主な業者はJ-point(運営・グリーンスタンプ)、Gポイント(運営・ジー・プラン)、ネットマイル(運営・ネットマイル)などである。この中で、提携企業数132社(3月1日時点)を誇るのが業界最大手のGポイントだ。
ジー・プラン経営管理部長の鈴木博之氏は利用者側の不満として、これまではポイントを貯めようとしてもなかなか貯まらず、最低交換数に達しないまま失効してしまうケースがあったことを指摘する。しかしポイント交換サービスを利用することで、利用者が複数のポイントを合算できればポイントを貯めやすくなる一方、商品・サービスなどと交換できるバリエーションも広がり、使い勝手が良くなるというのだ【図3参照】。「Gポイントとは、様々なポイントを集約し好みのポイントに交換できる、言ってみれば外貨両替所のようなものです」(鈴木氏)。2001年2月のサービス開始後、同社の登録会員数は150万人を超えており、徐々にポイント交換への認知度も上がってきたようだ。
図3 Gポイントのイメージ図
図3 Gポイントのイメージ図
ジー・プラン資料よりQUICK作成
ただし、ポイント交換のデメリットもある。交換の際に手数料としてポイントが目減りする場合があるのだ。しかしポイントが失効するよりは、日々の生活で集まったポイントを集約して使った方がお得だろう。
Gポイントで注目したいのは、2006年9月からYahooポイントとの交換サービスを開始したことである。ポイント業界は事実上、ANAとJALの二大勢力によって分断されている。GポイントはANAにしか直接交換することができないが、Yahooポイントを経由すれば間接的にJALのマイレージにも交換することができる。ポイント交換サービスを上手く使えば、交換先もより幅広く選択できるというわけだ。
ポイント交換サービスには引き続き、ポイントと電子マネーを繋ぐ「ハブ」の役目が期待される。ポイントを発行する企業が川上に位置しているとすれば、実際にポイントが使われる川下には電子マネーやリアルマネーが存在する。消費者のニーズが多様化する中、各社ともポイントサービスのバリエーションを増やし、現金化も増えると思われるが、自社でそれらの流通システムを完結させるのは難しい。「ポイント交換サービスの存在価値と信用は、各社ポイントとの提携があってこそ」(同)との声もあり、利用者の利便性・企業側のマーケティングといった双方のメリットを生かせれば、ポイント交換サービスが活用される機会も増えるのではないだろうか。

ポイント発行企業を選ぶ注意点、倒産リスクは大丈夫か

写真2 破産管財人の告示書が貼られたPCサクセス本店(東京都千代田区)
写真2 破産管財人の告示書が貼られたPCサクセス本店(東京都千代田区)
良いことずくめのポイント制度だが、足元で業界関係者の注目を集める事件があった。東京地裁が2月2日、インターネットの通販サイト「PCサクセス」を運営していた株式会社サクセスの破産手続きの開始決定を決めたのである【写真2参照】。同社は価格コムでも安値販売の会社として知られていたが、1月末の決済が困難となったため自己破産に至った。2月2日付の日経新聞では、破綻前に同社に代金を支払ったものの、商品が届かなかった被害者は1500人以上にのぼると報じている。
サクセスの破産管財人によると、同社から買い物をしてポイントを得た個人顧客からは3月時点で申し立てなどは来ていないという。破綻前にポイントが使われていれば問題ないが、「ポイントについては法律上、契約者の一方が破綻した場合には無効になるとの解釈もあります」(管財人)。
そもそもポイント制度は銀行預金などと違って、保険制度などの保護策がとられていない。ポイントを乱発したり、激安価格で競争している企業から商品などを購入する場合には、ポイントが無くなってしまうリスクがあることにも改めて気をつけたい。ただ同社と提携していた企業によると、PCサクセスからの買い物で個人顧客が得たネット通販サイトのポイントや、アフィリエイトサービスでのポイントは全額保護される見通し。大手企業に関しては「いまのところ体力に余裕のある会社がポイント制を導入しているため、倒産リスクはそれほど気にしなくても良いでしょう」(前出・帝国データバンクの牧氏)との指摘もある。

契約改変で利用者に不利益も、最終的には株式投資と同じ?

2006年12月20日付の日経金融新聞では、「プリペイド型電子マネーが法律面で未整備なため、金融庁がルール作りの検討に入る」と報じている。電子マネーのEdyの場合、「前払い式証票の規制等に関する法律(プリカ法)」が適用されるため、未利用残高の半分以上を国に預託する必要がある。実際、Edyを運営するビットワレットは国に預託金を出し、電子マネーの発行残高も報告しているという。
一方、ポイントサービスにはプリカ法のような規制はなく、発行する企業側が契約ベースで制度を改変できる。例えばソフトバンクでは、2006年11月にソフトバンクマイレージサービスのポイント換算方法を変更すると発表した。使う場合の交換レートを従来の1ポイント=2円から1ポイント=1円に半減。一方、貯める場合には100円につき1ポイントとしていたものを100円につき2ポイントとした。利用単位も500ポイントから1000ポイント単位に引き上げられた。
なおネット関係の業者を利用する場合には情報漏れにも注意した方が良さそうだ。「ポイントを貰える懸賞サイトに個人情報を登録したものの、そのサイトが後日、まったく違うサイトに変わってしまったというケースもあると聞きます」(前出・ポイ探の佐藤氏)。最近はアンケートや資料請求だけでポイントが発行されるサービスも増えているが、ネット上でポイントサービスを提供している新興企業には上場会社が少なく、ただでさえ財務内容などの開示情報も少ない。「ポイント会社を選ぶコツは、株式投資で企業を選ぶことと同じです」(同)との指摘もあり、ウマすぎる話には用心したい。
【執筆:MoneyLife 片平正二】
(掲載日:2007年3月23日)
 
   
    

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