株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

-4- 年金の調べ方 あなたは年金をちゃんと貰えますか? ホームページと事務所で確認 - 経済トピックス - 話題とコラム

 

特集・コラム [ 【経済トピックス】 ]

経済トピックス第4回 年金の調べ方-あなたは年金をちゃんともらえますか?

年金に対する関心が高まっていますが、ところで皆さんは年金がどれくらいもらえるのかご存じですか? 2月17日の日経新聞によると、公的年金を一元的に管理するための「基礎年金番号」がなんらかの理由で不備となっている加入記録は2006年6月時点で5000万件もあったといいます。自分はちゃんと年金を納めているつもりでも、記録にミスがあれば年金が減る可能性もあるのです。
 老後の資産運用を考えるためには、改めて自分で加入状況などを確認しておきたいですね。社会保険庁のホームページや社会保険事務所で、加入記録などを調べる方法について体験取材をしてみました。

2004年の改正にも関わらず、年金の情報開示は途上

2004年の年金制度改正により、年金制度の情報開示で各種の改善が行われた。いまでは58歳到達者には受給見込み額や年金加入状況が知らされ、年齢に達しなくても、被保険者が自ら提供を求めれば加入状況などの情報が得られる【表1参照】。2005年度の実績では、58歳到達者への通知が177万941件、希望者への年金見込額の通知が113万3703件を記録した。
自分が年金をいくら貰えるのか、未加入期間はないのかという漠然とした不安に応えたものだが、スウェーデンでは既に「オレンジレター」によって18歳以上の全ての年金被保険者に毎年情報を開示している。2004年に小泉首相(当時)を筆頭に政治家の年金未納が明らかになったほか、2006年には社会保険庁が不正免除で加入率を引き上げていた問題で1752人を処分した経緯もあって、日本の年金制度の情報開示・信頼回復は改善の途上にある。
表1 年金の個人情報提供サービスの制度変更の実績
表1 年金の個人情報提供サービスの制度変更の実績
実施件数の実績は2006年9月まで
社会保険庁資料よりQUICK作成
4月からは離婚時の厚生年金の分割制度も始まる。これに対する社会保険事務所への相談件数は2006年10月以降、毎月5000件前後で推移しており、年金制度への関心は日増しに高まっているようだ。

相談に行く前に、まずは社会保険庁のHPを活用

年金の加入状況を知りたい場合は、最寄りの社会保険事務所で相談できる。社会保険庁のホームページのトップ画面右下にある「相談案内」から入り、「相談窓口一覧」を見れば、自分が住んでいる地域の社会保険事務所がどこにあるか簡単に調べることができる【図1参照】。
図1 社会保険庁ホームページ「相談案内」
図1 社会保険庁ホームページ「相談案内」
HPへのアクセス件数は126万件、年金見込額試算申込は8万499件を記録した (2006年3月31日から6月30日までの3ヶ月間の数字)。 社会保険庁資料よりQUICK作成
相談受付時間は平日の午前8時30分から午後5時15分まで。毎月第2月曜日は全ての社会保険事務所、その他の混雑する事務所では月曜日に午後7時まで相談時間を延長している。事務所によっては一部の土曜日や休日にも相談を受け付けているため、平日は仕事を休めないサラリーマンなどは休日相談を利用できる。
相談に当たっては事前に電話で予約する必要はなく、年金証書、年金手帳や被保険者証といった本人確認ができるものを持参すれば良い。サラリーマンの場合、年金手帳は会社が保管するのが一般的なため、人事部から借りると良いだろう。なお事務所によっては混雑するところもあるため、できれば窓口で待たされない時間帯をホームページで調べた方が良いだろう。
これ以外にも、「ねんきんダイヤル」といった電話相談のほか、各地の「年金相談センター」で年金に関する相談ができる。またホームページでもユーザーIDやパスワードを発行してもらうことで、年金加入記録の照会、年金見込額の試算、年金個人情報などを確認できる。これには本人確認などの手続きで2週間ほどの期間が掛かるが、社会保険事務所に行かなくても詳細な加入記録を知ることができる。関心は高いようで、ID・パスワードの申込件数は2006年3~10月までで19万件に達した。
Q&Aコーナーも比較的充実しているため、まずは社会保険庁のホームページでじっくりと調べるのが良いだろう。ただ、「年金見込額試算」はかなり大雑把な数字しか出ないため、やはり詳しいことを知るには直接相談するしかなさそうだ。

いざ社会保険事務所へ、給付見込み額は58歳以上のみ

写真1 横浜中社会保険事務所の入り口
写真1 横浜市中社会保険事務所の入り口
中に入ると大きな「年金」の文字が
3月中旬、筆者は年金手帳をたずさえて、神奈川県横浜市にある横浜中社会保険事務所を訪ねてみた。今回調べたかったのは年金加入記録と、将来の年金給付見込額の2つである。受付の職員にその旨を伝えると、「現在の制度では58歳にならないと将来の給付額はお知らせできません」とのこと。団塊ジュニア世代の筆者は将来の給付額を知ることができないため、やむを得ず厚生年金の加入状況だけ調べてもらうことにした。
なおこの日、同事務所への相談者は普段よりも多かったという。前日に放送されたテレビ番組で、離婚時の年金分割制度を取り上げていたことが影響したのかも知れない。

相談スペースは落ち着いた雰囲気、時間もものの数分

受付で渡された書類に基礎年金番号や名前、住所などを書き込み、相談スペースに案内された。事務所内はプライバシーに配慮し、間仕切りがあるため落ち着いて話を聞くことができる。相談員の職員が基礎年金番号を端末に入力すると、ものの1~2分で加入記録が印刷されて出てきた。
写真2 社会保険事務所で手渡された被保険者記録照会
写真2 社会保険事務所で手渡された被保険者記録照会
赤丸の箇所6~9月までの3ヶ月間、未加入期間がある。
その結果、筆者は学生時代の免除手続きが適切に行われていることを確認できた。しかし、ある会社に転職した際の試用期間の3カ月間、厚生年金に加入していない「未加入期間」があったことも分かった【写真2参照】。未加入期間の分の年金保険料を後から払うことはできないため、筆者の場合はその分の年金受け取り額が目減りすることになる。
厚生年金で年金を受給するためには300カ月(25年間)以上働く必要があることを考えると、年金生活までの道のりは長い。結局、相談にかかった時間は10分程度だったが、隣の相談ブースからは「年金収入は現役当時のようにはいかないでしょうね」、「厳しくなる一方だと思います」といった相談員のアドバイスが漏れ伝わってきた。普段は気にもとめないが自分で年金について調べてみると、他人事ではなくなってくるから不思議だ。

毎年800万の相談件数、将来設計はまず知ることが大事

図2 2002年度以降の年金相談者数(来訪相談)
図2 2002年度以降の年金相談者数(来訪相談)
社会保険庁資料よりQUICK作成
保険事務所の職員によると、相談に訪れる人の多くはいわゆる団塊世代だという。統計が残っている2002年度以降の数字を見ると、ここ数年は社会保険事務所や年金相談センターに800万件前後の来訪相談がある【図2参照】。2005年度には744万件に微減したわけだが、社会保険庁運営部企画課では、大量リタイアする団塊世代の直前の世代の人口がもともと少なかったことが影響したと分析している。「2006年度の来訪相談件数は820万件前後に達する見込みです」(運営部企画課)ということで、今後数年間も来訪相談件数は高水準を続けると見られる。
2008年4月からは保険料の納付実績や年金額の見込みなどを郵送で知らせる「ねんきん定期便」が始まる。また2007年からはねんきん定期便を一部前倒し、35歳と45歳になった人に公的年金の加入期間の履歴が送付されるという。
なぜ政府は35歳の人を対象に案内を送るのだろうか。社会保険業務センター通信(2007年3月号)の中では、「年金を受給するためには25年以上の年金加入期間が必要で、35歳という年齢は、60歳までの間に年金受給権を確保するための上限の年齢である」と説明されている。確かに将来を考える大事な節目だが、ねんきん定期便によって加入履歴などは被保険者に伝えられるものの、将来いくらの年金が貰えるのかという給付見込額が知らされることはない。
政府は2007年12月には55歳以上の人に保険料納付実績や年金額の見込みを知らせる予定だが、この時点で将来の年金給付額が伝えられても、老後に備えた資産運用の準備をすることは難しい。住宅購入や老後の備えなど、資産運用の目的は多々あるだけに、その目的を固める上でも一度社会保険事務所に足を運んでみてはいかがだろうか。年金や老後への漠然とした不安が現実的な問題となり、新たな発見があることは間違いない。
【執筆:MoneyLife 片平正二】
(掲載日:2007年3月28日)

証券会社比較&総合ランキング

個人投資家の情報をもとにネット証券会社を徹底比較!
手数料はもとより、取引ツールの使いやすさ、チャート、ニュースや情報配信の充実度などを個人投資家の意見をもとにユーザー目線で徹底比較しています。
   
    

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »