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-1- 生前贈与から映画ファンドまで広がる可能性 信託業法・信託法の改正を受けた新規ビジネスを探る - 特集 【信託で何ができる?】 - 経済トピックス - 特集・コラム

 

特集・コラム [ 信託で何ができる? ]

【信託で何ができる?】-1- 新規参入組の商品・サービス 
生前贈与から映画ファンドまで広がる可能性

9月30日、新信託法が施行された。2004年の信託業法の改正を受け、金融機関以外の新規参入も相次いでいる。特集「信託で何ができる?」の1回目は、信託業法の改正を受けて新規参入した信託会社の商品・サービスをレポートする。
 新規参入した信託会社は12社にまで増えたが、まだまだ個人向けのビジネスを手掛ける会社は少ない。しかし、生前贈与信託やリバースモーゲージ信託、映画ファンドなどで信託の機能を生かした商品は増えており、信託会社と銀行・証券会社との提携が増えれば全国的にも幅広く利用しやすくなる見通しだ。新規参入の2社を中心に、信託の可能性を探ってみる。

新規参入は12社、個人向けの会社はまだ少数

信託とは、委託者が受託者に財産の管理・運用・処分を委託する仕組みのことで、資産運用から不動産管理まで、そのバリエーションは多岐にわたる。2004年12月の信託業法改正を受けて、金融機関ではない一般の会社も信託を取り扱えるようになった。
9月30日には1922年(大正12)に制定された信託法が84年ぶりに改正され、施行された。新信託法では個人が相続に備えて使う連続受益者信託のほか、信託の併合や受益証券発行を認めるなど、資産運用に関する分野でも様々な規制緩和がなされている【表1参照】。
表1 新信託法でできるようになったこと
主な変更点 ポイント
連続受益者信託 生前から自分の財産を継ぐ人を決めることができる。法定相続人に関係なく、配偶者から子、そして孫などに資産を引き継ぐことが可能。
自己信託 委託者と受託者が同じ信託。一人暮らしの高齢者が判断能力が衰えることに備えたりして活用できる(2007年9月30日から1年経過後に施行)。
受益証券発行信託 信託受益権を有価証券として発行できる。株式会社の株式に近いものとなるため、譲渡もしやすくなる。
新規参入した信託会社は12社ある。そのうち、財産の運用ができる「運用型信託会社」は5社、財産の性質を変えない範囲内などで利用する「管理型信託会社」は7社ある【表2参照】。いまのところ、不動産やリース会社などの参入が目立ち、個人向けの業務を行っているのは朝日信託、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託、きりう不動産信託の計3社に止まっている。
大阪市北区のきりう不動産信託は、障害者扶養や高齢化社会に対応する「不動産信託」を取り扱っている。これを使えば、仮に1つの賃貸アパートを持つ委託者が亡くなっても、ここから得られる賃料収入を残された配偶者・複数の子供に分けることも可能だ。いまのところ取扱件数は少ないが、生前に委託者自らが受託者となり、生前から財産を信託できる「遺言代用信託」も扱っている。一般ではまだ不動産信託の知名度が低いだけに「信託に関心を持つフィナンシャル・プランナー(FP)や税理士達が紹介窓口になっています」(同社)という。
不動産業界で新規参入は多いものの、まだ企業向けの不動産流動化ビジネスが中心。ただ信託という器を使えば様々なケースで応用でき、様々な会社によるサービスの活性化が期待される。
表2 新規参入した信託会社の一覧
種類 免許取得 社名 概要
運用型 2005年9月 朝日信託 財産管理、相続、事業承継など
2005年5月 ジャパン・デジタル・コンテンツ信託 映画、コンテンツのファンド組成
2005年10月 DB信託 独ドイチェ・バンクグループ
2007年2月 トランスバリュー信託 不動産の流動化業務
2005年9月 日立キャピタル信託 金銭債権信託、不動産信託など
管理型 2005年5月 SMLC信託 総合リース業、信託業
2006年6月 きりう不動産信託 障害者扶養などの不動産信託
2006年12月 共同信託 不動産の各種権利調整
2006年11月 日本エスクロー信託 不動産の売買代金の信託
2007年3月 日本流動化信託 商業施設などの賃貸収益を管理
2006年6月 ファースト信託 管理型不動産信託
2006年10月 ライツ信託 アニメ、特許などの知的財産信託
2007年10月時点、金融庁WebサイトよりQUICK作成
   
    

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