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【第6回】 レバレッジ・インバース型ETFについて - 株(カブ)好きのためのETF投資入門 - 東証ETF活用プロジェクト 東証ETF

 

東証ETF・ETN活用プロジェクト [ カン・チュンドの「株好きのためのETF投資入門」 ]

【第6回】

レバレッジ・インバース型ETFについて

 米国初のETFが1993年に登場して以来、筆者はETFの「転換点」が3度あったと認識しています。1.債券ETFの登場(2002年)、2.レバレッジ・インバース型ETFの登場(2006年)、3.アクティブETFの登場(2008年)※いずれも米国市場ベース。このうち、レバレッジ・インバース型ETFは、投資家のトレード意識を根底から変えたツールとして特筆されるでしょう。レバレッジをかけて銘柄を買い建てる、売り建てることは「信用取引」では普通に行われてきました。しかし、「信用取引」は別途口座を開設し、証拠金を積み、決済期限を気にしながら売買を行う必要があります。そこにはどうしても「上級者向け」のイメージがつきまとうのです。シンプルに「ある銘柄」を買うだけで売り建てることが出来たら・・。そんな願望を実現させたのがインバース型ETFです。
4月に東京証券取引所に上場した「TOPIXベア上場投信」(1569)は、TOPIXと間逆の動きを目指します。正確には、TOPIXインバース指数との連動を旨とします。たとえば、TOPIXが10%下がれば、当該ETFは10%上昇するというイメージです。個別株を買うのと同じ感覚でショート(売り)が購入できるのは、まさに画期的といえるでしょう(投資家の心理的なハードルが一挙に低くなったのです)。また、レバレッジ型ETFとして「TOPIXブル2倍上場投信」(1568)も上場しています。当該ETFが連動を目指すのは TOPIXレバレッジ(2倍)指数です。たとえば、TOPIXが10%上がれば、当該ETFは20%上昇するというイメージです。
「TOPIXベア上場投信」(1569)とTOPIXの対比チャート
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「TOPIXブル2倍上場投信」(1568)とTOPIXの対比チャート
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出所:QUICK ActiveManager
既存の証券口座さえあれば、投資家自身の相場観に基づき、「カラ売り」を買う、「2倍のレバレッジ」を買うことが機動的に行えるようになりました。まさに投資家が「新たな武器」を手に入れたといえます。TOPIXベア上場投信、TOPIXブル2倍上場投信とも、売買単位は10口単位。信託報酬は0.7875%です。一点、注意が必要なのは、レバレッジ・インバース型ETFが連動する指数は、原指数であるTOPIXの日々の変動率の+2倍、もしくは-1倍になるように設計されている点です。TOPIXの「前営業日」と「当日」という1日の変動率を基準としているため、2営業日以上離れた期間では複利効果が働く結果、TOPIXインバース指数はTOPIXの変動率の-1倍以上(もしくはそれ未満)となる可能性が、TOPIXレバレッジ(2倍)指数は、TOPIXの変動率の2倍以上(またはそれ未満)となる可能性が出てきます。あるいは、TOPIXが上昇と下落を繰り返せば繰り返すほど、インバース指数、レバレッジ(2倍)指数そのものの騰落率が、原指数の-1倍、あるいは2倍から乖離していくことにも留意が必要でしょう(両ETFは短期のトレード向けの金融ツールであることをお忘れなきよう)。
米国ではさまざまな国・地域、資産について多数のレバレッジ・インバース型ETFが上場しており、日本でも今後、品揃えの充実が望まれます。
参考記事:
東証ETF・ETN活用プロジェクト [ なるほど!ETF・ETN ]
シンプレクス・アセット・マネジメント水嶋社長に聞く
日本初のレバレッジ型・インバース型ETFが上場グローバル市場と同等の投資環境になってきた

(掲載日:2012年7月25日)


カン・チュンド氏 プロフィール
晋陽FPオフィス代表
カン・チュンド氏 1968年(昭和43年)8月28日生まれ
インデックス投資アドバイザー
CFP ファイナンシャルプランナー
1級ファイナンシャルプランニング技能士
2010年10月 「ETF投資入門」
ETFの基本的なしくみから18種類のポートフォリオ解説までを網羅した最新著書


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