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ETFに投資する意義 - ETF活用をした分散投資・ポートフォリオ投資術 - 東証ETF活用プロジェクト 東証ETF

 

東証ETF活用プロジェクト [ ETFを活用した分散投資・ポートフォリオ投資術 ]

【第2回】

ETFに投資する意義

ETFを含め投資信託を利用するメリットはさまざまありますが、その中でも少額で容易に個別銘柄の分散投資ができることは大きなメリットです。
少額で銘柄分散投資
投資のリスクを軽減するためには分散投資が有効ですが、個別銘柄リスクが十分に分散されたポートフォリオを構築するとなると、数百の銘柄への分散投資が必要になるので、個人が個別銘柄をひとつ一つ購入し、分散投資を行うことは、資金的な制約からも、銘柄分析・評価、選定、ポートフォリオ構築といった時間的な制約からも現実的でないように思います。
投資信託は、複数の投資家から集めた数億から数千億円もの大規模な資金を合同で運用するため、投資家は投資信託を購入することで、数百にわたる個別銘柄に幅広く分散投資できます。多くの投資信託は数万円程度で購入できるため、比較的少額で分散投資が実現できることになります。
分散投資によるリスク削減効果
では、多くの銘柄に分散投資した時のリスク削減効果はどの程度あるのでしょうか?
一般的に保有銘柄数を増やしていくと個別銘柄固有の価格変動リスク「リターンの標準偏差」(以下、リスクと呼びます)は減少し、十分に数多くの銘柄に分散投資すると、最後には各資産クラスの市場リスク(市場全体の価格が上下に変動する価格変動リスク)と同様の水準に近づいていきます。
●分散投資による銘柄固有リスクの削減効果
表 分散投資による銘柄固有のリスク削減効果
提供:イボットソン・アソシエイツ・ジャパン
この図で、棒グラフの高さ(黄色+青色)はポートフォリオ全体のリスク水準の大きさを表しています。そのうち、黄色の部分が個別銘柄固有のリスク、青色の部分が市場リスクです。横軸は、保有している銘柄の数をあらわしています。
棒グラフの一番左の棒は、ある1銘柄に投資をした時のリスク水準の大きさです。これに、1銘柄、2銘柄、3銘柄・・・と、保有する銘柄数を増やしていくと、黄色い個別銘柄固有のリスク部分が急速に減っていくことがわかります。保有銘柄数をもっと増やして、50銘柄、100銘柄、1000銘柄にしていくと、ほとんど市場リスクしか残らなくなり、ポートフォリオ全体のリスク水準は、市場リスクの水準に近づくことがわかります。
このことは、株式に限らず、債券でも、REITでも、どの資産クラスでも同様のことが言えます。
日本株式への投資を例にしますと、典型的な1銘柄のリスク水準(黄色部分と青色部分の合計)は50%程度ですが、2銘柄保有することによりポートフォリオ全体のリスク水準は40%弱に減少し、30銘柄保有することによりポートフォリオ全体のリスク水準は20%強まで減少することを示しています。
個別銘柄の分散により、ポートフォリオ全体のリスク水準が減少するということは、ポートフォリオの資産価値の増減の変動性が減少することなので、資産価値の推移が安定的になり、元本割れする可能性が減少することにつながります。
国内上場の多くのETFは、日経平均株価やTOPIXなど市場インデックスへの連動を目指しているため、ETFのリスク水準は市場インデックス並みになっており、個別銘柄固有のリスクが少ないことが大きなメリットと言えます。
執筆:イボットソン・アソシエイツ・ジャパン マネジング パートナーCIO/小松原宰明
掲載日:2010年月5月19日
小松原 宰明氏小松原 宰明氏プロフィール
イボットソン・アソシエイツ・ジャパン株式会社 マネジング パートナーCIO
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
http://www.matonavi.jp/
1987年慶應義塾大学理工学部卒業、日本長期信用銀行入行。長銀投資顧問システム運用部ファンドマネジャー、UBSアセットマネジメント国内株式ポートフォリオ・マネジャーを経て、2000年11月イボットソン・アソシエイツ・ジャパンを共同設立。著書に『リスク・リターンの経営手法』(共著、中央経済社)、『ポリシー・アセットアロケーションの重要性』証券アナリストジャーナル2008年9月号(第20回証券アナリストジャーナル賞受賞)、『債券の期待リターンの推計-実証分析と将来シミュレーション-』(日本ファイナンス学会第12回大会予稿集)、『ポートフォリオ・マネジメント・プロセス』(共著、証券アナリスト第1次レベル通信教育講座テキスト)などがある。


   
    

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