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ETFの値上がりを予想できるか? - ETF活用をした分散投資・ポートフォリオ投資術 - 東証ETF活用プロジェクト 東証ETF

 

東証ETF活用プロジェクト [ ETFを活用した分散投資・ポートフォリオ投資術 ]

【第7回】

ETFの値上がりを予想できるか?

前回(第6回)は、ETFの価格変動をもたらす要因が、(1)為替変動、(2)金利変動、(3)景気動向など経済・景気動向であることを確認しました。
では、これらの価格変動要因を先読みできるでしょうか?
過去の為替動向を見ても、金利動向を見ても、景気循環を見ても、不規則に循環を繰り返していますので、正確な予想は簡単なことではありません。
また、仮に価格変動要因を先読みできたとしても、国内株式のETFにせよ、外国債券のETFにせよ、ほとんど全てのETFは複数の要因で価格が変動していますので、価格変動要因の先読みから、ある特定のETFが近い将来、値上がりするか、値下がりするかを予想することは、プロの投資家でも容易なことではありません。
【図表1】は、国内外の株式、債券、REIT、コモディティなど8つの主要な投資対象資産クラスにおける代表的な市場インデックスの各年のリターンの順位表です。
図表1 各資産の年間パフォーマンス順位(1994年~2009年)
図表1 各資産の年間パフォーマンス順位(1994年~2009年)
毎年、順位表の1位を当て続けることができるならば、とても大きな運用益を得られることでしょう。しかし、【図表1】のとおり市場のリターンは毎年激しく変動するので、来年、再来年の値上がりや値下がりを見通すことは難しく、ましてや毎年、毎年、トップの資産クラスを当て続けることは運用のプロである機関投資家であっても困難なことです。逆に万が一、投資した資産が毎年最下位であれば目減りする一方で、目も当てられません。
では、どうしたらよいのでしょうか?
その対策は消極的に思われるかもしれませんが、トップを狙わず、最下位を避けることです。実は、そのための投資戦略が、「資産分散投資」です。
ETFは、ある特定の連動指数(資産クラスのインデックスなど)に連動して値動きしていますので、ETFによる資産分散投資とは、異なる連動指数のETFに分散投資する戦略です。なお、同じ連動指数のETFに何本も投資しても、資産分散投資したことにはならず、分散投資の効果はほとんどありませんのでご注意ください。(同じインデックスのインデックス・ファンドを何本買っても分散投資の効果が得られないことと同じことです。)
【図表1】を例に、資産分散投資の効果を見てみましょう。8つの資産に均等に分散投資を行った「分散ポートフォリオ」は、毎年4位~6位となり、トップになることはありませんが、最下位になってしまうこともありませんでした。
資産運用においては、長期的に続けることが重要ですが、そのためにはパフォーマンスの極端な悪化を避けるべきです。
なぜなら、パフォーマンスの悪化は、状況によっては精神的な負担をもたらし、投資そのものに対してアレルギー反応を引き起こしたり、逆にリスクテイカーになり、リスク許容度以上にリスクを取り、さらにパフォーマンスが悪化してしまう危険性もはらんでいるからです。
したがって、パフォーマンスを大きく悪化させない資産分散投資が、長期投資による資産形成の秘訣となります。
大儲けを狙って集中投資で大損をしてしまうよりも、さまざまな資産クラスに分散投資を行うことで、大損を避けることを心がけましょう。
では、ここで問題です。
なぜ、資産分散投資をするとパフォーマンスが安定するのでしょうか?

(1)資産分散をするとポートフォリオ全体でパフォーマンスがマイナスにならないため。
(2)資産分散をするとパフォーマンスの良い資産クラスと悪い資産クラスの双方の値動きが相殺されるため。
(3)資産分散をするとポートフォリオ全体のパフォーマンスの90%がアセットアロケーションで決まり、売買タイミング効果や銘柄選択効果などが減少するため。
答えは、次回をご覧ください。
執筆:イボットソン・アソシエイツ・ジャパン マネジング パートナーCIO/小松原宰明
掲載日:2011年月02月24日
小松原 宰明氏小松原 宰明氏プロフィール
イボットソン・アソシエイツ・ジャパン株式会社 マネジング パートナーCIO
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
http://www.matonavi.jp/
1987年慶應義塾大学理工学部卒業、日本長期信用銀行入行。長銀投資顧問システム運用部ファンドマネジャー、UBSアセットマネジメント国内株式ポートフォリオ・マネジャーを経て、2000年11月イボットソン・アソシエイツ・ジャパンを共同設立。著書に『リスク・リターンの経営手法』(共著、中央経済社)、『ポリシー・アセットアロケーションの重要性』証券アナリストジャーナル2008年9月号(第20回証券アナリストジャーナル賞受賞)、『債券の期待リターンの推計-実証分析と将来シミュレーション-』(日本ファイナンス学会第12回大会予稿集)、『ポートフォリオ・マネジメント・プロセス』(共著、証券アナリスト第1次レベル通信教育講座テキスト)などがある。


   
    

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