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【第14回】創設10年目となる東証REIT市場 東証REIT指数と連動するETFに注目が集まる(2) 東証ETF

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東証ETF・ETN活用プロジェクト [ なるほど!ETF・ETN ]

【第14回】

創設10年目となる東証REIT市場

東証REIT指数と連動するETFに注目が集まる(2)

日本のREIT(不動産投資信託)は2010年9月で創設10年目になりました。リーマン・ショック後の信用収縮から一部のREITの資金繰りが悪化し、2008年10月にはニューシティ・レジデンス投資法人が破綻しました。
2009年、金融庁と国土交通省がREIT支援に動き、REIT買収の際の買収価格と資産価格の差額である「負ののれん代」を配当原資から控除するなど業界再編を促しました。また、国土交通省の主導でREITの資金繰りを支援する官民ファンド(不動産市場安定化ファンド)を設立。その結果、REITの合併やスポンサー交代が相次ぐなど、REIT市場に対する不安が和らいだことで、価格は安定的に推移しだしました。
しかしながら、投資家にとっては、REIT破綻のニュースは記憶に新しく、高い配当利回りに魅力を感じながらも個々のREITに投資することに躊躇するケースもあるようです。
そのような状況の中で、複数のREITに投資することで個々のREITのリスクを分散できるETFが、機関投資家や個人投資家に注目されています。
東証REIT指数を連動対象としたETFを運用する日興アセットマネジメントのETFセンター長今井幸英氏に、当該ETFの特徴やREIT市場の状況について聞きました。

 
 
■「上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型(愛称:上場Jリート)」
東証REIT指数に近い値動きや配当利回りを実現

日興アセットマネジメント
ETFセンター長 今井幸英氏
『「上場インデックスファンドJリート(愛称:上場Jリート)」は、東証REIT指数に採用されているJ-REITに分散投資するETFであり、同指数にほぼ連動した値動きを実現しています。REIT自体が複数の不動産物件に分散投資しており、“分散に分散を重ねる”投資であるとも言えます。こうした分散投資により個々のREITが有する特定のリスクを低減する効果が期待できます。
また、「上場Jリート」は、REITの大きなメリットである、相対的に高い配当利回りを享受できる金融商品であり、非常に便利な投資手段だと思います。直近1年間の「上場Jリート」の分配金の利回り水準は、東証REIT指数の配当利回りから信託報酬などのコストを差し引いた6%弱程度です。組入対象である個々のREITは決算時に収益の大部分を配当し、また、「上場Jリート」はREITから受け取った配当金の全てを分配金として払い出します。「上場Jリート」を保有することで、東証に上場されているREITを時価総額に応じた比率で組み合わせたパッケージを直接保有しているのと、ほぼ同じような効果が得られるといえると思います。』
REITを投資対象とした、ETFと投資信託の違い
『REITを投資対象としたETFと、同様にREITを投資対象とした非上場の一般の投資信託はよく比較されますが、コスト面をみると、「上場Jリート」の信託報酬は税抜0.3%で、J-REITを対象とした他の多くの投資信託に比べて非常に低い水準です。長期投資の場合、コストの差はパフォーマンスに大きく影響しますので、低コストのETFは有利といえます。
また、一般の投資信託は、購入・解約時の価格が1日1回、お申し込み当日の夕方に決まるため、お申し込みの時点ではいくらで買えるのか、売れるのか、把握できません。一方、ETFの場合、取引所の取引時間中に板を見ながら、指値注文などで売買できます。』
REITのETFとREITの投資信託の分配金利回りの差は、収益調整金によるもので、経済効果に差はない
『同じようにREITを投資対象とし、運用方針もほぼ同様(例えば「東証REIT指数への連動をめざす」など)、運用実績にも大きな差がみられないようなETFと一般の投資信託でも、いわゆる「分配金利回り」については両者の間で大きな開きがある場合があります。ETFよりも投資信託のほうが「分配金利回り」が高いケースが多いようです。ファンドそれぞれの分配方針の違いなど、いくつかの理由が考えられますが、ETFは組入資産(REIT)の配当のみから分配するのに対し、投資信託は収益調整金という投信特有の計理勘定からも分配できるという両者のそもそもの「仕組み」の違いが、その大きな要因になっているといえます。』
『わかりやすい例を1つ挙げます。投資家Aの資金でETFを100設定して、決算直前までに10の分配原資(投資対象REITからの配当金)がたまったとします。ETFはたまった分配原資の全てを分配金として払い出すことがルールとして定められていますので、投資家Aは決算期に10の配当金がもらえると思っていたところ、決算(分配)直前に別の投資家BがAと同じ口数を追加投資してきたとします。購入金額は元の100に分配原資10が積み上がっていますので、110ということになります。その直後に決算を迎えたとすると、たまっている分配原資は10しかありませんので、この10を2人で分ける形となり、1人あたりの分配金額は5ということになります。分配金5を払いだしたあとの基準価額は105になります。
一方、投資信託は、「収益調整金勘定」というETFにはない勘定があり、投資家Bの資産110のうち、100を超えた10の部分は収益調整金勘定に入り、そこからも分配ができます。つまり、分配原資は10+10=20となります。実際にいくら払い出すかは分配方針などにもよりますが、仕組み上は、1人あたり10の分配金を出すことが可能ということになります。ここでは仮に20の分配原資すべてを払い出したとしましょう。
この場合、結果として、ETFでは「1人あたりの分配金5、分配後の資産105」となるに対し、一般の投資信託は「1人あたりの分配金10、分配後の資産100」ということになります。経済効果(トータルの運用成績)は両者とも全く同じですが、いわゆる「分配金利回り」には大きな差が生じます。
REITのETFとREITの投資信託の分配金利回りに差がある場合、その大きな理由の1つがこの収益調整金であり、必ずしも投資信託のほうが配当力が高いというわけではないということができます。』
『なお、「上場Jリート」では、決算(分配)直前に大きな設定や解約が発生して希薄化・濃縮化が起こり、それによって混乱や誤解が生じることをできるだけ避けるため、決算直前には設定・交換を停止するなどの対応をとることで、商品性をより適切に保つようにしています。』
REIT市場は、制度改善により資金繰りリスクの低減が期待される
『不動産はコンスタントに需要のある市場です。オフィスの空室率などは新規物件の供給等によっても変わってきますので一概には言えませんが、マーケットが短期間のうちに極端にひどい状態になる可能性は低いと思います。
国内のREITにおける最大の課題は、資金繰りに関わるものでしょう。REITは投資家の資金だけでなく調達資金も活用するのですが、現状ではファイナンスの手段が限られているため、資金調達は容易とは言えません。また、REITは利益のほぼ全額を配当し内部留保ができないルールとなっている点も、資金繰りの面ではマイナスに影響しています。
REITのCB発行や、利益の内部留保を可能にするなどといった様々な施策が検討されており、今後は制度面の改善も見込まれ、こうした動きはREIT市場にとってプラスにはたらくと思います。』
金融のインフラであるETFをしっかり育てていきたい
『ETFは、金融商品としてプレーンな素材といえます。料理の世界にたとえると、良質な肉や野菜のようなもの。ただ、その調理の仕方、つまり、「どう活用すればよいか」が必ずしも投資家の方々に十分に理解されていないというのが、現在の状況ではないかと考えています。運用会社としては、ETFの適切なご活用レシピを投資家の方々にご提案しないといけないと思っています。
株式取引の約3割をETFが占める米国に比べると日本のETFの市場規模はまだまだ発展途上ですが、条件が整えば米国のような状況になる可能性は大きいと思います。ETFは金融市場の重要なインフラストラクチャーであるともいえ、運用会社としてこのマーケットをしっかり育てていく必要があると考えています。』
掲載日:2010年月10月25日/株式会社QBR


 
   
    

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