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【第39回】ブラックロック・ジャパン iシェアーズ事業部の渡邊雅史氏に聞く 異なる投資スタイルの米国株ETF4本。 投資目的に応じて自由自在に使い分けられる!

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ブラックロック・ジャパンが2013年12月、米国株式の各種インデックスに連動することをめざすiシェアーズETFを4本、東証に上場させた。7月に続く"東証上場シリーズ"の第2弾。馴染みのある米国株式へ投資スタイルごとに分散投資できるETFだ。同社iシェアーズ事業部ストラテジストの渡邊雅史氏に設定の背景と活用法などを聞いた。


投資スタイルや考え方に則した選択ができるラインナップ

iシェアーズ事業部
ストラテジスト 渡邊雅史氏

ブラックロック・グループは、世界のETF市場で約40%のシェアを占める「iシェアーズ」シリーズを展開する資産運用会社だ(2013年11月現在の純資産残高ベース)。日本の投資家はこれまでも、一部の証券会社を通じて海外市場に上場するETFを売買することはできた。しかしながら、今回の4本を含めて東証に上場している8本は、一般の個別株式のように、どの証券会社でも日本円で売買することができることが大きなポイントだ。

iシェアーズ 米国超大型株ETF』(1587)は、アップルやマイクロソフト、グーグル、エクソンモービルなど、日本人でもわかりやすい銘柄が入っている株価指数「S&P100」に連動することをめざす。「海外株式投資が初めての人でもわかりやすいのが魅力のひとつ。また、アップルやグーグルなど、売上高の多くを海外から得ている企業が同指数に数多く組み込まれています。連動対象は米国株式ですが、実質的に世界経済のグローバルリーダーの株式に投資できることになります」(渡邊氏)。

一方の『iシェアーズ 米国小型株ETF』(1588)を使えば、米国のベンチャー企業が含まれる指数に投資可能だ。連動対象は米国小型株指数として有名な「ラッセル2000」。「いわば米国経済の新陳代謝に期待する形です。ラッセル2000は文字通り2,000銘柄近くに幅広く分散されており、1銘柄あたりの比率は最大で0.3%くらい。投資銘柄を広く分散させながら、大型株をアウトパフォームする傾向が強いといわれる"小型株効果"をねらえます」(同)。

iシェアーズ 高配当株ETF』(1589)は、米国モーニングスターが提供する「モーニングスター配当フォーカス指数」への連動をめざす。同指数は、単に利回りが高いだけではなく配当・業績などの持続性や倒産確率などに着目した「最先端の高配当投資が可能」(渡邊氏)。過去の配当利回りを重視したこれまでの高配当株式銘柄にありがちだった、業種の偏りが少なくなる傾向もある。

iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF』(1590)。日本でも人気の米国リート(不動産投資信託)にETFを通じて投資することが可能になる商品だ。「当然のことながら配当利回りは魅力的。長期的な米国リート・不動産市場の成長に期待したい場合にも使いやすい商品。」(渡邊氏)。幅広い種類がある米国株式のなかでも、自分の投資スタイルや考え方に則した選択ができるラインナップといえるだろう。

2013年12月に上場した同社のETF4本

*1587、1588、1589、1590の基準価額はJDRの信託財産となっている外国ETFの数値を円換算(1ドル=98.51円)したもの
**純資産残高はJDRの信託財産となっている外国ETFの数値を円換算(1ドル=98.51円)したもの
***発行済口数はJDRの信託財産となっている外国ETFの数値
経費率は、2014年6月現在、それ以外のデータは、2013年10月現在
出所:BlackRock、Bloomberg

金利動向と"テーパリング" (量的金融緩和の縮小)が値動きに影響

なぜ、この米国株式ETF4本を上場させたのか。その背景にあるのは「株式投資の中心的存在で、投資家の人気も高い米国株式における投資の選択肢を拡大したかった」と、渡邊氏。さらに、最近は金利動向やテーパリングなど米国株式市場における話題も盛りだくさんだ。

「2013年は、話題に事欠かなかったマーケットの典型的な値動きだったといえます。前半は米国高配当株のパフォーマンスがよくて、米国リート、米国超大型株、米国小型株と続きました。しかし、当時のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の発言から"テーパリング"の議論が聞こえ始めた5月以降、それぞれの値動きが大きく変わってきました」。

「テーパリング」とは、量的緩和政策(QE)による中央銀行の資産買い入れ額の縮小のこと。投資家はそれまで、低金利が続くなかでインカム(利子や配当)を期待して、米国の高配当株式やリートに投資していた。「しかし、テーパリングの議論が聞こえてきた2013年5月以降はそれらへの資金流入の勢いが止まっています。金利も上がってきて、インカム・インベスターの投資スタンスも変わってきました」(渡邊氏)。

【米国10年国債の利回り推移】

(注)上記は過去の実績を示すものであり、将来の運用成果というを示唆、あるいは保証するものではありません。
出所:QUICK

具体的には、5月以降は米国小型株が徐々にパフォーマンスを伸ばし、米国リートが伸び悩んだ。渡邊氏は「市場はバーナンキ前議長のメッセージを"経済成長を抑えない程度でテーパリングを進める"と受け取って、金利上昇局面のなかで企業成長(グロース)を期待する傾向へ投資スタイルを転換しました。そこでターゲットになったのが米国小型株だったわけです」と説明する。


投資家のニーズに応じたポートフォリオを実現

「インカムからグロースへという流れは、グローバル投資家が実践していた代表的な投資行動。この4本をツールとして、日本円でかつ日本時間のなかで同じように機動的な投資行動が実現可能です」(渡邊氏)。

たとえば、米国経済が今後強く成長すると考える投資家は『iシェアーズ 米国小型株ETF』(1588)重視で。米国の成長に世界が追いついてくると考えるなら『iシェアーズ 米国超大型株ETF』(1587)の比重を増やす。テーパリングがゆっくり進み、低金利が市場予測よりも長く続くと見るなら『iシェアーズ 高配当株ETF』(1589)が有望と考えられる。金利上昇局面で下がったリートに対して、今後の賃料上昇によるパフォーマンス向上を長期で期待するなら『iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF』(1590)を持ち続ける考え方もあるだろう。

「アンケートなどでご要望をお伺いすると、米国株式は依然わかりやすいと人気です。またそもそもETFは、機動的に売買されたい方、テーマや対象を絞って投資されたい方、保有や取引にかかるコストを重視されたい方など様々なお客さまのニーズにもお応えできる特徴をもっています」(同)。


日本時間に日本円で日本株式と同じように売買

さらに、NISA(少額投資非課税制)の本格導入によって、資産形成層の長期投資家の割合が増えていくのは間違いない。投資初心者が多いことから、わかりやすさと使い勝手の向上はETF拡大のより重要な要素になるだろう。

「その観点でも、日本時間に日本円で日本株式と同じように売買できる東証に上場した意味は大きいと思います。これまで日本株式への投資経験しかなかったお客さまへ、当社のETFがグローバル投資の入り口、きっかけになれば」(渡邊氏)。

ETF市場の拡大が期待されているなかで、世界トップシェアを誇る同社が果たすべき役割も変わっていくだろう。

「今回ご紹介した4本は、米国株式を連動対象にして投資スタイルで明確に差別化したETFとして初めて東証に上場しました。お客さまにとって、手軽に米国株式に投資したいと考えた際の選択肢が拡大したといえるではないでしょうか。今後も日本のお客さまのご要望に合わせた情報・コンテンツ提供に、より注力していきたいと思っています」(同)。

掲載日:2014年1月14日



 
   
    

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