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【第40回】ブラックロック・ジャパン iシェアーズ事業部の渡邊雅史氏に聞く 賢いグローバル分散投資のために注目したい 市場の成長余地、分散効果、投資コスト。

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世界中の市場で700本以上、純資産残高9,000億ドル以上を運用する世界最大のETFブランド「iシェアーズ」(*)。2013年7月には、『iシェアーズ先進国株ETF(MSCIコクサイ)』(1581)、『iシェアーズエマージング株ETF(MSCIエマージングIMI)』(1582)、『iシェアーズフロンティア株ETF(MSCIフロンティア100)』(1583)の3本を東証に上場させ、本格的に日本市場へ進出してきた。現在では、合計8本のiシェアーズ・シリーズが東証に上場されていている今、同社iシェアーズ事業部ストラテジストの渡邊雅史氏に東証上場の背景と商品の特徴について、改めて聞いた。(2014年1月27日のインタビューに基づく。)

(*)2013年12月31日現在。BlackRock調べ


一歩進んだグローバル投資を提供するために

iシェアーズ事業部
ストラテジスト 渡邊雅史氏

「それまでも、海外市場を通じて当社のiシェアーズETFを購入いただくことは可能でしたが、米国など海外の市場で、海外時間に、米ドルなど海外通貨でお取引いただく必要がありました。日本の投資家のほとんどは、日本時間に日本円で取引したい方。より多くのお客さまにグローバル分散投資を始めていただくためには、東証に上場することが効果的ではないかと考えました」。

渡邊氏は、東証上場のねらいをこのように説明する。
同社が2013年に"東証上場シリーズ"を本格化するにあたって考えたことは、「ETFを通じて、日本株と同じように、いつでも手軽にグローバル株式市場にアクセスできる新たなグローバル分散投資ツールを提供すること」(渡邊氏)だという。さらに、先進国市場やエマージング市場だけでなく、今までは投資が難しかったフロンティア市場まで網羅できる、「一歩進んだ」グローバル投資を提供することもめざした。


「MSCIはグローバル株式市場の指数のなかでも、機関投資家など運用のプロの間ではベンチマーク(運用目標)として幅広く浸透しており、投資信託のベンチマークとしても使われているため、日本のお客さまにもよく知られている指数。身近さとわかりやすさ、投資対象となる市場が3本で重複しないようにするためにも、MSCIの各種指数に連動することをめざすラインナップを最初の3本に選びました」(同)。

【表1 3本のETFの概要】

(2014年1月末現在。出所:BlackRock)

知名度高いMSCIインデックスで合計69カ国に投資可能

『iシェアーズ先進国株ETF(MSCIコクサイ)』が22カ国、『iシェアーズエマージング株ETF(MSCIエマージングIMI)』が21カ国、『iシェアーズフロンティア株ETF(MSCIフロンティア100)』が26カ国の、合計69カ国に重複しないで分散投資できる(2013年12月現在)。それぞれは元々、米国市場に上場されていたETFで純資産残高も潤沢、同社が公表している総経費率(監査費用などを含めた総運用コスト)もETFならではの魅力的な水準といえる。

「とくに『iシェアーズエマージング株ETF(MSCIエマージングIMI)』は米国で、長期投資のツールとして広く個人のお客様にご活用いただくために設定した『コアシリーズ(計10本)』のひとつ。グローバル分散投資の手軽で使いやすいツールとして、海外で実績のあるETFを日本のお客さまにご提供していると自負しています」(渡邊氏)。

「先進国」「エマージング」「フロンティア」の特徴を把握

この3本を使ってグローバル分散投資を実践するためには、それぞれの市場の特徴や違いを把握することが重要になる。表2はそれぞれの投資対象市場だが、先進国→エマージング→フロンティアの順で、右にいくほど市場として新しく成長余地が大きく(ハイリスク・ハイリターン)なっている。

【表2 3本の投資対象国】

(2013年12月末現在。出所:MSCI)

「韓国・台湾及びBRICsはエマージングに分類されています。2013年中に、モロッコはエマージングからフロンティアへ、ギリシアは先進国からエマージングに再分類されました。2014年5月には、UAEとカタールがフロンティアからエマージングへ再分類されることが決まっています(MSCIによる)。フロンティア市場はこれまで、中東国が多いというイメージがありましたが、今後はその傾向が薄まっていくかもしれません」(渡邊氏)。

株式の時価総額は先進国(日本除く)が世界の約80%を占めるが、名目GDPでは半分程度(約51%)になり、通貨の購買力平価を考慮したGDP比では約41%まで下がる(グラフ1参照)。世界経済の実体でみれば、他の2市場の投資妙味と重要性がわかるだろう。また、特にフロンティアの値動きは他の市場との相関係数が比較的低く(似たような値動きをする確率が低い)、分散効果が相対的に期待できることがわかる(グラフ2参照)。

【グラフ1 市場規模の比較】

【グラフ2 各市場の年間パフォーマンス実績と相関係数】

(2013年12月末現在。Bloombergのデータをもとにブラックロック作成)

2013年は先進国のパフォーマンスがよく人気に

先進国の株式指数であるMSCIコクサイ・インデックスの知名度は高く、2013年は比較的パフォーマンスよかった。その結果、「3本のなかでも『iシェアーズ先進国株ETF(MSCIコクサイ)』に最も資金が集まりました。グローバル分散投資の最初の1本として、先進国から考えるお客さまが多いということかもしれません」(同)。

「フロンティア市場は、20年前のエマージング市場」

「フロンティア市場は時価総額でいうと0.4%しか占めていませんが、GDPはフロンティアにも含まれない小さい市場を合わせると、10%近くを占めています。投資対象としての妙味は今後ますます拡大していくように思われます」(渡邊氏)。

ここで改めて、エマージング市場とフロンティア市場を比較してみよう。たとえば、2013年はまったく違う値動きをしていた。エマージング市場は伸び悩んだ一方、フロンティア市場は先進国市場並みにパフォーマンスを伸ばした。「時価総額の規模感で言うと、現在のフロンティア市場は、20年前のエマージング市場へ投資するイメージ。テーパリング(量的金融緩和の縮小)でエマージング市場の株価が下落しましたが、フロンティア市場はその影響をあまり受けていないのです」(渡邊氏)。

経済成長の大きな要因のひとつである人口は、フロンティア市場+その他で世界全体の1/3ほどを占めている。フロンティア市場はいまのところ投資資金の流入が少ないので、各種の株式指標(ファンダメンタルズ)では割安になっている。バリュエーション(投資価値)が上がっていないことも、魅力のひとつだ。

「フロンティア市場はある意味、グローバル経済から切り離されて動いている市場。従って、フロンティア市場を資産運用に組入れることで、分散効果が期待できる市場ということができます。ETFを使って日本円で日本時間にフロンティア市場へ分散投資できるのは、当商品だけであり、大きな魅力のひとつといえるのではないでしょうか」(同)。

4本を自分のリスク許容度に応じてバランスをとる

上記3本と『iシェアーズ日経225 ETF』を組み合わせれば、日本を含む70カ国を対象としたグローバル分散投資が実現する。今後の成長が期待できる国・地域に長期で分散投資するのは、ある意味で株式投資の醍醐味といえる。たとえばNISA(少額投資非課税制)で、4本を組み合わせて長期保有したり、『iシェアーズフロンティア株ETF(MSCIフロンティア100)』に資金をまとめて投資し、5年間で大きなリターンをねらったりする選択肢もあるだろう。

東証上場のETFなら、日本時間に日本円で、指値で好きな金額で売買でき、当然のことながら長期保有も可能。また、個別株と同じように保有しているETFを証券会社に貸して貸株料を得ることもできる。市場全体の成長に投資したいと考える投資家なら、成長余地と分散効果、コストの観点から、この4本のETFは注目しておきたい商品といえるだろう。

参考コンテンツ:
Fanet MoneyLife ETF一覧
掲載日:2014年2月20日



 
   
    

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