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【第41回】東京証券取引所マーケット営業部のETF担当者に聞く 市場連動+アルファが期待できる日本株式指数。 ETFを活用して資産形成の新しい選択肢に

東証ETF・ETN活用プロジェクト [ なるほど!ETF・ETN ]

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日本取引所グループと日本経済新聞社が共同で算出し、2014年1月から公表が始まった日本株式指数「JPX日経インデックス400」。新しいコンセプトの株式指数として注目を集め、連動をめざすETFは、すでに『NEXT FUNDS JPX日経インデックス400連動型上場投信』(1591)『上場インデックスファンドJPX日経インデックス400』(1592)『MAXIS JPX日経インデックス400上場投信』(1593)の3本が上場しているほか、3月27日にはダイワ上場投信-JPX日経400(1599)の上場が予定されている。「JPX日経インデックス400」の特徴とそれに連動するETFの活用などについて、東京証券取引所マーケット営業部のETF担当者に聞いた。


取引単位は一口、信託報酬も低レベルで取引しやすく

「3本とも総じて好調な出だしといえるのではないでしょうか。たとえば3銘柄が上場後、売買代金だけ見れば東証上場のETF全体のなかでトップ10に入る日もあります。昨今のETF人気を支えているのはレバレッジ・インバース型が中心でしたが、そのなかでのこの活況さは、新しい日本株式指数である『JPX日経インデックス400』への期待の表れではないでしょうか」。

東証マーケット営業部のETF担当者は、JPX日経インデックス400に連動するETF(以下、JPX日経400ETF)の現状をこのように説明した。

「動きが早い背景としては、連動対象となる『JPX日経インデックス400』への期待のほかに、取引しやすい商品設計である点も見逃せないでしょう。3本いずれも小口からの取引が可能で、信託報酬も比較的低水準です。運用会社もその点を強く意識して設計したと思われます。そのため、機関投資家や外国人投資家だけでなく、個人投資家からの取引も活発です」(ETF担当者)。


【「JPX日経インデックス400」に連動するETF】
(出所)各社公表資料より東証作成

(※)純資産額5,000億円以下に適用される信託報酬
5,000億円超1兆5,000億円以下の部分については、年0.16(税抜)、1兆5,000億円超の部分については、年0.12%(税抜)


ROEと営業利益を重視しながら、時価総額も参考に

JPX日経400ETF最大の特徴は、当然のことながら新しい日本株式指数であるJPX日経インデックス400に起因する。ひとことでいうと、「収益性や経営観点など、従来にない新しい評価基準を銘柄の選定基準に盛り込んだ」(ETF担当者)。とくに、投資家からの投資資金でどのくらいの儲けを出しているかの指標であるROE(自己資本利益率)を重点基準として明確にしている点が特徴的だ。

銘柄選定の具体的な手順はこうなる。
東証一部や二部、マザーズ、ジャスダックに上場する3,000銘柄以上のうち、「上場3年未満」「過去3期いずれかで債務超過がある」「過去3期全てで営業赤字がある」「同じく最終赤字がある」などの銘柄を除いて、時価総額と直近3年間の売買代金を考慮して上位1,000銘柄を抽出する。

次に、3つの定量基準と定性基準でスコアリング(順位・得点づけ)する。3つの定量基準とは、(1)3年間の平均ROE(40%のウエイト)、(2)3年間の累積営業利益(同40%)、(3)時価総額(同20%)。それぞれのウエイトに応じて得点を加味、順位づけの参考値にする。

定性基準においては、(1)独立した社外取締役を2人以上選定、(2)国際会計基準(ピュアIFRSを想定)を採用又は採用予定、(3)英文決算情報の開示(東証TDnetを通じた開示)――が加点ポイントになる。「これらの基準はいずれも海外市場・投資家から注目されているポイントであり、10銘柄程度が入れ替わる規模で加味する仕組みです」(ETF担当者)。


組入銘柄の平均ROEは11.1%でTOPIXの約2倍

実際にJPX日経インデックス400のROEはどの程度になっているのだろうか。同指数を構成する400銘柄の3年間ROEの単純平均値は11.1%だ。TOPIX(東証株価指数)採用銘柄では同じく5.7%。約2倍もの水準になっている。ETF担当者は「上を見れば切りがないですが、ROEが2ケタということで海外の投資家から見ても評価しやすいのでは」と分析している。

採用銘柄の業種別配分に規定はないが、結果として比較的きれいに分散されている(2013年12月末現在のデータ)。市場配分にも規定はないが、「時価総額等の基準があるために東証一部からの採用銘柄が多い。ただしジャスダックの10銘柄をはじめ、東証二部やマザーズからも1銘柄ずつ採用されるなど、TOPIXには含まれない銘柄も採用されている。」とETF担当者。

一方で、銘柄選定時における1銘柄の最大組入比率は1.5%までと規定されており、採用銘柄の見直しは年1回おこなわれる(6月末時点のデータで8月末に実施)。すでに採用されている銘柄は、スコアリングで440位に入れば自動的に次年も採用される仕組みだ。「入れ替え銘柄数が多くなり過ぎると、機関投資家の指数運用にマイナスの影響が生じる可能性がある」(ETF担当者)からで、新しくJPX日経インデックス400に採用されるためには、400位よりもさらに順位を上げる必要があるわけである。


(出所:東証)

「単純なパッシブを超えた株式指数」

個人投資家が資産形成のツールとして、JPX日経400ETFを活用する場合、どのような位置づけでとらえればよいのだろうか。東証では「TOPIXや日経平均株価(日経225)の代替ではなく、それらに並ぶ運用のベンチマークとなることを期待している」(ETF担当者)という。実際に、GPIF(年金積立金運用管理独立行政法人)を含む公的年金ファンド等を対象とする「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」は、11月20日に公表した報告書において、パッシブ運用のベンチマークとして採用を検討すべき指数としてJPX日経インデックス400を具体的に挙げており、動向が注目されている。

「たとえばTOPIXは、時価総額に応じて自動的に銘柄が組み入れられる、いわば市場全体の指数。TOPIX連動ETFは純粋に、市場全体の値動きをめざす運用になります。JPX日経400ETFは、投資対象となる指数構成銘柄のROEが相対的に高く、銘柄選定に定性基準も設けられていますので、こうした銘柄個々のパフォーマンスに期待することができます」(ETF担当者)。

運用の世界では、運用実績のうち市場連動部分をベータと呼び、超過収益部分をアルファと呼ぶ。また、「単純な市場平均ではない「スマート・ベータ」と呼ばれる指数が注目されていますが、JPX日経インデックス400はROEや定性基準などに着目して銘柄を組入れています。つまり、単純なパッシブを超えた株式指数」(ETF担当者)ということができる。過去2006年8月来の遡及算出値では、当指数は若干ながらTOPIXを上回っている。

TOPIXなどの市場全体に連動する指数運用をしたいけれども、それ以上の超過収益も期待したい――そんな投資家が検討したいETFということができそうだ。

【JPX日経インデックス400の過去のパフォーマンス】
※2006 年8 月31 日を10000 ポイントとして試算。
(出所:東証)

新しい指数コンセプトを活用して収益チャンスの拡大に

東証に上場するETFは2013年末現在で169本。その売買代金は世界で4番目、アジアでは韓国取引所を抜いて1位になった(ETF+ETNの売買代金)。NISA(少額投資非課税制度)が本格スタートするなかでETFが個人の資産形成ツールとして浸透しつつあるいま、新しいコンセプトの日本株式指数ETFが誕生したことは収益チャンスの拡大につながるはずだ。

JPX日経インデックス400の算出・公表には、もうひとつ大きな意味がある。銘柄選定にROEの基準や社外取締の選任状況などに関する定性基準を設けていることで、上場企業へのメッセージになるのである。

「これらはグローバルな投資基準として求められるポイントであり、投資家のニーズでもあります。こうしたポイントを含む採用基準を満たした400社を公表することで、上場企業に自主的な取り組みを促すねらいもあります」と、ETF担当者。

東証では今後も、機関投資家への個別訪問や一般投資家向けのセミナー、ホームページやパンフレット類などを通じて、JPX日経400ETFに関する情報提供や認知拡大への取り組みを積極的に展開していく予定だ。


参考コンテンツ:

東京証券取引所ホームページ
■構成銘柄のウエイト及びキャップ調整後浮動株率(2014年1月31日時点)
■ファクトシート・その他情報

日本経済新聞社ホームページ
■JPX日経インデックス400
掲載日:2014年3月14日



 
   
    

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