株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

【第43回】ブラックロック・ジャパン iシェアーズ事業部の渡邊雅史氏に聞く 低コストの外債投資を可能にする新たな選択肢が登場! 高配当・高利回りを重視する「インカム投資」は、大きなテーマに。

東証ETF・ETN活用プロジェクト [ なるほど!ETF・ETN ]

  • PR
  • PR
  • PR
 
 

ブラックロックが2014年11月、世界最大のETFブランドであるiシェアーズから外国債券を投資対象にするETF3銘柄を東証に上場させた。『iシェアーズ東証上場シリーズ』としてはこれが初めての外債ETFとなり、グローバルポートフォリオのラインナップが出揃った格好だ。同社iシェアーズ事業部ストラテジストの渡邊雅史氏に3本の特徴を聞いた。


グローバルで支持を集める外債ETF

iシェアーズ事業部
ストラテジスト 渡邊雅史氏

ブラックロック・ジャパンが東証へ上場させたのは、『iシェアーズ 米国ハイイールド債券ETF』(取引コード:1361)、『iシェアーズ 新興国債券ETF』(同1362)、『iシェアーズ 米国債ETF』(同1363)の3銘柄。
海外の個人投資家のなかでも高配当・高利回りを重視する「インカム投資」はいま、大きなテーマになっている。
とくに、ハイイールド債券ETFは世界で非常に取引が多く、インカムを取るツールとして定着している。


2014年11月に東証へ上場した同社の外債ETF
(2014年9月末現在)

「外債に投資する投資信託は多数あり、残高が多く知名度が高い商品もあります。今回上場したETFはそれらと比べて圧倒的に手数料や信託報酬などの保有コストの水準が低く、低コストでいつでも売買でき、低コストで投資を続けられる点に大きな意味があります」(渡邊氏)。

ハイイールド債券の個別銘柄を個人投資家が実際に売買することは非常に難しい。「分散効果のために数百~1,000銘柄を買うのは、機関投資家でも相当な資金とブローカーに対する価格交渉力が必要です。しかし、ETFを1銘柄買えば、市場全体の銘柄に分散投資をするのと同じような効果を得ることができます」(渡邊氏)。この大きなメリットを理解している投資家が、外債ETFを活発に取引しているという。


投資対象の違いでさまざまな活用法

『iシェアーズ 米国ハイイールド債券ETF』は、米国の高利回り社債1,000銘柄ほどに投資する。「ハイイールド債券は2014年10月に価格が急落しましたが、そこでETFを通じて一気に資金流入しました。ある程度スプレッド(国債との利回り格差)が開くと、それをチャンスと"インカム投資家"が買いに入る構図はここ数年、顕著に見られる傾向です。高利回りの投資へのニーズはグローバルでも非常に強いということです」(同)。


(出所:Bloomberg、投資適格社債はバークレイズ米国クレジット(1-10年)指数、ハイイールド社債はMarkit iBoxx 米ドル建てリキッド・ハイイールド・キャップト指数の利回り)

次に、成長が期待される新興国の国債に投資するのが『iシェアーズ 新興国債券ETF』だ。渡邊氏は、新興国(エマージング)債券とハイイールド債券の関連性が面白いという。「ハイイールド債券のスプレッドが小さくなってくると、次の投資先としてエマージング債券に資金をシフトさせる動きがよく見られます」。また、意外かもしれないが、一般的に先進国より新興国の方が、財政状況の良い国が多い。「本ETFは現地通貨建ての債券に投資するので、新興国通貨が円に対して上昇すれば、為替差益を得ることもできます」。


(出所:IMF World Economic Outlook Database, April 2014)


『iシェアーズ 米国債ETF』は7~10年物の米国債に投資する。10年物米国債は信用力が相対的に高く、その利回りはグローバル市場における代表的な指標となっている。渡邊氏は、米ドル投資の新しい選択肢のひとつになり得ると次のように説明する。「現在は円安傾向が進んでいますが、単に米ドルを買うのではなく米国債ETFを買うことで、米国債の金利リスクを伴うものの、外貨預金や外貨建てMMFよりも高い利回りが期待できます」。

(出所:Bloomberg、米国債(7-10年)はバークレイズ米国債(10年ターム)指数、ドル円為替レートはTTMを使用し、2013年9月末を100として指数化。ドル円為替レートは為替リスクのみを反映しており、保有に伴う金利等は考慮していない)


3銘柄の総経費率は各0.20%~0.50%

ブラックロック・ジャパンが実施した投資家調査(*3)によると、過去に金融商品の売買を行ったことのある人の約4割が「インカム型(高配当・高利回り)の金融商品に投資している」または「今後投資する予定」と回答しているという。そのうち57%が、投資する際に重視する点として「手数料や信託報酬などのコストが低いこと」と回答している。外債に投資するにはこれまでは投資信託が一般的だったが、モーニングスター社によると外債に投資する投資信託の平均の信託報酬は1.52%だという。今回の3銘柄の総経費率(投資信託の信託報酬などに該当)は0.20%~0.50%となっており、外債投資を考えている投資家にとって、コスト面で魅力的な選択肢が誕生した、といえる。

毎月分配型の外債投信に人気が集中していることでわかるように、日本の個人投資家においてはインカムニーズが極めて高い。しかし、「1本の投信や1銘柄のETFで高配当・高利回りをねらうのではなく、投資対象を分散してポートフォリオ全体でリスクをコントロールしながら、利回りを追求する『ターゲットインカム投資』を考えてみてはどうでしょうか」と、渡邊氏はアドバイスする。

「単に5%のインカムが出ているからこのETF1銘柄を買う、投信1本を買うということではなく、米国高配当株式やリート(不動産投資信託)などを含めて、全体で5%のインカムが期待できるようなポートフォリオを組む。この方が分散投資の考え方に沿った合理的な投資手法といえるでしょう」。


低コスト外債投資のメリットを再確認したい

今回の3銘柄を含む、東証に上場しているiシェアーズETFには、①日本株の取引口座を使って全国どこの証券会社からでも日本株と同じように売買可能②低コストでグルーバル投資が実現③信用取引や指値など取引方法が豊富――などのメリットがある。そのメリットを活用すれば、自分の資産全体のなかで「資産運用の核(コア)となる資産にサテライトとなるピンポイントの投資対象を組み合わせるなど、分散投資が簡単にできます」(渡邊氏)。

直近の運用実績では、ハイイールド債券とエマージング債券なら5%強~6%弱、米国債は2%くらいのインカム(利回り)を得ることができた。日本時間に日本円で、どこの証券会社でも売買できるのもうれしいポイントだ。通常の投信よりも低コストで複数の外債市場に分散投資できるメリットを再確認してみてはどうだろうか。

(*1)ETF(JDR=日本型預託証券)の信託財産となる海外ETFの数値を円換算。
(*2)その他信託財産にかかる費用や株式売買にかかる費用が別途かかる。
(*3)全国の20歳~69歳の男女(学生除く)を対象に、2014年8月にインターネットにて実施した調査。過去に金融商品の売買を行ったことがある14,141名の回答。

掲載日:2015年1月5日



 
   
    

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »

K-ZONEユーザがオススメする証券会社

  1. 1位
  2. 2位
  3. 3位