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【第46回】UBS証券ETF商品部長の本田淳一氏に聞く 欧州株式ETFが7本まとめて上場。 投資環境の転換期を迎えて注目集める

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スイスを本拠とする金融機関UBSグループが3月18日、10本のETFを同時に東証に上場させた。そのうちの7本が、欧州の株式指数に連動を目指すETF。個人投資家のポートフォリオ運用に大きな意味をもちそうだ。設定・上場の背景と今後の展開について、UBS証券運用ソリューション本部長兼ETF商品部長の本田淳一氏に聞いた。


まとめて上場することで投資家の注目が高まる

UBSグループがETFを東証に上場させたのは今回が初めて。
「株式指数に連動することをめざす一般のETFとして、まとめて10本が上場するのは東証で初めてではないでしょうか」。こう語るのはUBS証券ETF商品部長の本田淳一氏。日本のETFビジネスにかける本気度が伝わってくるようだ。


UBS証券 ETF商品部長
本田 淳一 氏

「これまで欧州株式に投資できるETFは、ロシア株式を対象にしたものしかありませんでした。米国や新興国に投資できるETFと比べて、上場するETFの少なさが欧州株式市場の情報の少なさにつながっているのではないか、と考えました。それを払拭する役割を担うのは当社の使命ではないか――これが7本まとめて上場させた大きな理由のひとつです」(本田氏)。





UBSグループでは、欧州情報の少なさが投資家の投資意欲を抑制し、ETFを含めた投資残高の少なさの要因になっていると考えたわけである。とくに海外株式に投資したい場合、日本株式と比べて個別銘柄の情報収集が簡単ではない。「だからこそ、市場全体を網羅する株式指数、つまり低コストで海外株式に投資できるETFの有効性が相対的に高まるはずです」(同)。


【3月18日に上場したUBS ETF】

*1)いずれも外国投資証券を信託財産とする受益証券
*2)黄色部が欧州株式を連動対象とするETF

通貨と特徴でとらえたい欧州株式市場の意味

資産ポートフォリオにおける欧州株式市場の意味は、2つの観点で考えるとわかりやすいだろう。ひとつは通貨分散。「代表的な通貨としては、米ドルに次ぐ基軸通貨としてのユーロ、大陸欧州とは違う独自路線を進む英国ポンド、永世中立国の"退避通貨"としてのスイスフランなどが挙げられます。いずれも今回上場したETFの連動指数に該当する通貨です」(同)。

もうひとつは、株式市場の特徴である。「たとえば、米国株式市場はIT(ハイテク)と金融、エネルギーなどに代表される、革新性が高いセクター・銘柄が目立ちます。一方の欧州市場は自動車、製薬会社、高級ブランドや食品加工会社など、個人生活に身近な事業を展開している銘柄が多い。欧州株式市場は米国に比べれば、歴史が長く主要通貨の数や先進国の数が多い分企業の層も幅広いということが言えるのではないでしょうか」(同)。

"貯蓄から投資へ"の流れが本格化しつつある転換期

本田氏は日本の投資環境について、「本格的な転換期を迎えつつある」と分析している。
「長い間低迷していた日本株式市場が、アベノミクスで日経平均株価も7,000円代から2万円が見えるところまで大きく上昇しました。日銀の積極的な金融緩和や為替の円安トレンドで海外移転が進んだ日本企業の生産拠点も、一部は日本に戻ってくる動きもあります。個人のデフレマインドが払拭されつつあり、"貯蓄から投資へ"という流れが本格的に動き出す気配が感じられます」(本田氏)。

NISA(少額投資非課税制度)の人気の高まりで、資金がリスク資産へシフトする動きがあるのは確かだ。公的年金の運用を担当するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や、ゆうちょ銀行は債券の投資比率を下げて、株式のエクスポージャー(リスクにさらしている資産)を増やしている。他の機関投資家も追従する動きを見せており、本田氏は「ついに大きな山が動き出した感があります」という。

新発投信の販売自粛の動きがETF拡大を後押し

転換期を迎えているのは投資環境だけではない。ETF拡大の鍵を握る販売会社=証券会社の販売姿勢も大きく変わりつつある。

2014年9月に改正された金融庁の「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」では、『顧客の中長期的な資産形成を支援する勧誘・販売態勢を構築する観点から(中略)、預り資産の増加等の顧客基盤の拡大面についても適正に評価するものとなっているか留意して監督するものとする』という項目が新設、明記されている。つまり、これまで批判が多かった投信の回転売買(乗り換え販売)を抑制する動きが具体化しているのだ。

「この意味は非常に大きい。この改正によって、新発投信の販売を自粛もしくは抑える動きが出ています。米国等海外では、パフォーマンスの良い投資信託にはより資金が集まるという構図ですが、これまで日本では、パフォーマンスのよい投資信託は換金され中長期的な資産の成長が阻害されるという状況が散見されました。証券会社は今後、より運用会社の能力が発揮できる特徴のある投資信託で本当の意味で預かり資産を中長期的に拡大していくとともに、シンプルな運用では、世界中の市場に簡単にアクセスできて、機動的に売買でき、商品の透明性が高く、保有コストが低いという投資家にとって手軽な金融商品を提供する必要性がより高まったわけです。『ファンドラップ』の残高増加もその結果のひとつですが、ETFの特徴も相対的に大きくクローズアップされています」(本田氏)。

市場やパフォーマンスに加えてプロバイダー選びも重要

「今回の上場では『UBS ETF』ブランドとして日本市場に参入した格好ですが、ラインナップは増やしていく予定。各、国や地域で投資家のニーズは異なる部分もありますが、いま欧米でとくに注目されている商品に加え、日本の投資家の皆さまの利益に資すると思われるものは積極的に取り入れていきます」(本田氏)。

ETFは東証に200本以上上場しており(2015年3月末現在)、世界でも5,500本以上が運用されている。ETFプロバイダーは世界で200社以上あるといわれているが、中小のベンチャーも多く市場から撤退する会社などもある。安心して投資できるETF選びのためには、市場選択やパフォーマンスだけでなく、プロバイダー選びも重要になるだろう。

「我々UBSグループは、スイスを本拠に銀行・証券・アセットマネジメントのビジネスをグローバルで展開しており、30年を超えるパッシブ運用の経験を有しています。『UBS ETF』は海外で150以上の株式指数を連動対象にした商品をラインナップ。その運用規模は欧州トップクラスを誇ります。さらに、運用の透明性に関しては徹底的に追求している自負もあります。その点では、安心して選んでいただける自信があります」(本田氏)。

掲載日:2015年4月17日



 
   
    

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