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【第49回】日興アセットマネジメントETFセンター長の今井幸英氏に聞く "付加価値型ETF"の先駆けとして 高配当+低ボラティリティの指数を新開発

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日興アセットマネジメントは2015年12月、スマートベータ型の新しいETF「上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ」(銘柄コード:1399)を東京証券取引所に上場した。組成にあたって高配当+低ボラティリティの新たな株式指数を開発したことが話題となり、機関投資家などからも高い評価を得ているという。同社ETFセンター長の今井幸英氏に、ETF設定のねらいと今後の展望を聞いた。


バリュー株の等金額投資に近い銘柄構成

日興アセットマネジメント株式会社
ETFセンター長 今井幸英氏

当ETFの設定にあたって日興アセットマネジメントが新たに発案した株式指数が、「MSCIジャパンIMIカスタム高流動性高利回り低ボラティリティ指数」である。同社が指数構築方法を独自に開発し、MSCI社が当指数の算出をおこなう。その最大の特徴は、「高い配当利回り」と「低いボラティリティ(価格変動性が低い)」に着目した株価指数という点である。

「具体的には、配当利回りは市場平均よりも0.5%高く、かつボラティリティ(価格変動性)を同じく2%抑えることを目標にしました。高配当利回り銘柄はバリュー株銘柄の側面をもちます。さらに、1銘柄当たりの最大ウエイトを1%までに制約しながら銀行・証券・保険などの金融セクターとREIT(不動産投資信託)を除外しています。結果として、TOPIXと大きく異なる業種構成を対象としたバリュー株の等金額投資に近い指数になっています」(日興アセットマネジメントETFセンター長の今井幸英氏)。


【MSCIジャパンIMIカスタム高流動性高利回り低ボラティリティ指数とTOPIXの業種別構成比率比較】

(2015年8月31日現在。出典:日興アセットマネジメント)

対TOPIXでアウトパフォームも上昇相場では要注意

配当利回りとボラティリティに関してはどうだろうか。2007年6月から2015年8月末までの配当利回り実績は平均で+0.66%(目標値+0.5%)。2010年5月から2015年8月末までの価格変動率は対TOPIXで-2.34%(目標値-2%)と、いずれも指数ベースの過去の運用実績では開発時の目標値をクリアしている。


(出典:いずれも日興アセットマネジメント)

同ETFに投資するにあたっては指数のコンセプトはもちろん、期待できる運用実績(パフォーマンス)が気になるところ。結論からいえば、指数の配当込み累積パフォーマンスは総じて魅力的なものとなっている。

(2007年5月31日=1000。出典:日興アセットマネジメント)


ここで注意したいのが、同指数のパフォーマンスがいかなる市場環境においても高いとは限らない点である。低ボラティリティということは、価格下落局面では下落幅が相対的に小さくなる一方、上昇局面では市場全体ほど上がりにくいことを表す。今井氏は「単年の騰落率を見てみると、2012年や2013年の上昇相場ではTOPIXをアンダーパフォームしています。必ずしも常に市場全体に勝つ指数ではないことをご理解いただければ」と語っている。

個人の資産形成に本当に役立つか問われるステージへ

「MSCIジャパンIMIカスタム高流動性高利回り低ボラティリティ指数」は、いわゆるスマートベータ指数である。しかも、もともと存在する指数ではなく、連動をめざすETFを組成するためにETFベンダーである日興アセットマネジメントが発案、開発された指数だ。このようなアプローチは、付加価値が高い指数が組成可能になる半面、当然のことながら時間がかかりコストもかさむ。「その意味では、当社では従来から取り組んでいましたが、日本のETFマーケットでは珍しいかもしれません」(今井氏)。

同社はなぜ、あえて時間とコストがかかる組成手法を採用するのか。そこには、日本のETF市場の現状と今後の戦略が見えてくる。

「2015年のETF市場はETFの認知がようやく広まり、良し悪しの議論はありますがレバレッジ・インバース型を中心にETFというツールを積極的に使う人が出てきた年でした。今後は有価証券投資の本来的な目的のひとつである個人資産の形成に役立つツールとして、ETFがその任に耐えられるかどうかが問われるステージに入っていくでしょう」と今井氏は解説する。

2極化進むETF市場でより魅力的な投資主体の開発へ

「2016年にはNISA(少額投資非課税制度)の非課税額拡大や未成年を対象にしたジュニアNISAの創設など、個人資産の運用環境がさらに整備される予定です。NISAにおけるETFの運用資産が全体の1%そこそこの状況のなかですが、ETF市場拡大の余地は大きいといえるでしょう。一方、日本のETF市場にも外資などの新規参入があり、日経平均株価やTOPIXなど代表的な株式指数に連動するETFで手数料の価格競争が本格的に始まっています。ETFベンダーは厳しい競争にさらされています」(今井氏)。

今井氏は「日本のETF市場は価格競争と付加価値の追求という2つのベクトルで進化していく」と予測したうえで、「当社は、より魅力的な投資主体である指数を追求、開発していきます。"付加価値型ETF"の先駆けのひとつが『上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ』」だという。

「新たな株式指数の発案・開発には、今後も積極的に取り組んでいきます。値段を決めて売買できる機動性や手数料の低さなどを含めて、2016年はETFのさらなる飛躍・成長の年にしていきたい。これまでETFに投資したことがない方はぜひ、本ETFの値動きを体感していただきたいですね。「上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ」(銘柄コード:1399)は、足元では15,000円程度から売買するこができますから」(今井氏)。

掲載日:2015年12月25日



 
   
    

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