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【第16回】日興アセットマネジメントが国内初のS&P500指数連動型ETFなど3本を新規に設定・上場 東証ETF

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【第16回】

ETFプロバイダーに聞く――日興アセットマネジメント

日興アセットマネジメントが国内初のS&P500指数連動型ETFなど3本を新規に設定・上場

米国、中国、インドにそれぞれ投資する日興アセットマネジメントの3本のETFが2010年10月29日に新規上場しました(表参照)。なかでも、米国のS&P500指数と香港のハンセン中国企業株指数に連動するETFは国内初です。同社ETFセンターの今井幸英センター長に話を聞きました。
S&P500指数は運用のプロである機関投資家がベンチマーク(運用の目安にする指数)として参照するなど、世界的に利用されている株価指数です。代表的な株価指数であるにもかかわらず、同指数に連動するETFはこれまで国内にありませんでしたね。
日興アセットマネジメントETFセンター今井幸英氏
日興アセットマネジメント
ETFセンター今井幸英氏
S&P500指数は50年以上の歴史がある有名な株価指数ですが、国内に限らず海外においてもこれまで同指数連動型のETFを自由に組成することができませんでした。というのは、“独占使用権”という権利を持つ特定の運用会社に組成が限られていたからです。しかし、この独占使用権が今春に失効したため、当社も設定・上場の機会を得ることができました。当ETFはS&P500指数(円換算値)に連動を目指しますが、米国の配当課税(※1)を考慮して同指数に採用されている銘柄そのものではなく、当面はS&P500指数先物に投資します。
上場S&P500米国株(銘柄コード1547)
連動対象指数 S&P500指数(円換算値)
連動対象指数の特長 ニューヨーク証券取引所およびNASDAQに上場する
銘柄の中から代表的な500銘柄で構成。
浮動株調整後の時価総額比率で加重平均し算出。
実質的な投資先 S&P500指数先物(米ドル建て)
S&P500指数は米国の代表的な企業500社で構成されていますが、上位の銘柄を見ると日本でも浸透している製品やサービスを提供するグローバル企業が並びます。つまり、この指数は米国経済だけでなく、世界経済全体の大きな動きを捉える側面もあるといえそうです。
S&P500指数の構成銘柄上位5銘柄
銘柄名 組入比率(%)
1 エクソンモービル 3.2
2 アップル 2.3
3 マイクロソフト 1.9
4 プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) 1.8
5 AT&T 1.7
出所:S&Pのデータを基に日興AM作成、2010年8月末時点
(※1)日本は米国と租税条約を締結しているので日本の投資家が受け取る米国株の配当に対する課税は10%だが、租税条約を締結していない国の投資家の場合は30%になる。ETFは内外の投資家が投資する可能性があるため、米国と租税条約を締結していない国や米国の投資家が当ETFに投資することも考慮しなければならず、こうした点を踏まえるとその部分の課税は30%にする必要があると考えられる。しかし、実務上はこの対応は極めて難しいのが現状であり、これを避けるための措置として、実質的には配当が無い株価指数先物に投資している。
日興アセットマネジメントでは2008年に『上場インデックスファンド中国A株(パンダ)CSI300(愛称:上場パンダ)』を設定し運用しています。今回、新たに中国株のETFを立ち上げた理由は何でしょうか。
中国A株を対象とした『上場パンダ』とは異なる性格を持つ中国株ETFの必要性を感じたためです。中国本土の上海および深センの両証券取引所に上場する中国人民元建てA株への投資には規制があり、中国国外の個人投資家は直接には投資できません。海外機関投資家に対しても規制がありますが、当社は中国の認可を受けて得た投資枠を利用して『上場パンダ』を運用しており、中国A株に直接投資できない投資家の皆様に投資機会をご提供しています。ただ、投資枠の制限があるがゆえに、投資家の需要がほぼ常態的に供給を上回っていたり、証券会社と運用会社がやり取りするETF発行市場での機動的な受益権の設定・交換が難しかったりして、中国A株に連動を目指すETFの多くはプレミアム/ディスカウント(純資産価値より割高・割安で取引されること)になることが起こりえます。
上場チャイナ株(銘柄コード1548)
連動対象指数 ハンセン中国企業株指数(円換算値)
連動対象指数の特長 香港証券取引所のメインボードに上場する中国本土
企業で時価総額、流動性の高い40社で構成。
浮動株調整後の時価総額比率で加重平均し算出。
実質的な投資先 ハンセン中国企業株(香港ドル建て)
そこで、投資規制が少ない香港証券取引所に上場する中国本土企業の株式(中国H株)に着目しました。『上場チャイナ株』はこの中国H株で構成されるハンセン中国企業株指数(中国H株指数)の円換算値へ連動を目指します。当ETFは原則、同指数採用銘柄の株式に指数と同等の比率で投資します。中国A株ETFよりも設定・交換が容易であるほか、香港市場と東京市場の時差は1時間と地理的に近いこともあり、プレミアム/ディスカウントは、理論上、相対的に生じにくくなるはずです。また、中国H株指数は香港ドル建てですが、最近では香港ドルと中国人民元は似通った値動きをしている点もポイントです。つまり、投資規制の少ない中国H株への投資で手軽に中国の高成長を享受できる機会を提供できるようになりました。世界的にみても中国H株指数連動型のETFは珍しいため、希少性のある商品に投資できる点は個人投資家の方にとってもメリットではないでしょうか。
ハンセン中国企業株指数の構成銘柄上位5銘柄
銘柄名 組入比率(%)
中国建設銀行 10.1
中国銀行 10.0
中国工商銀行 9.8
中国人寿保険 8.7
中国石油天然気 8.5
出所:ハンセン・インデックス・カンパニー・リミテッドのデータを基に日興AM作成、2010年8月末時点
『上場インド株』は指数先物に連動を目指す珍しいタイプですが。
インドにも外国人保有規制がありますが、なかでもインド株を売却して得た利益に課せられる短期キャピタルゲイン課税の取り扱いとインドから資金を引き揚げる際の監査には頭を悩ませました。インドと租税条約を締結しているモーリシャス共和国等の第三国経由で投資すれば課税は免れますが、免税を受ける際のコストや手続きがスムーズにできない可能性があり、ETFの運用の持続性という点で疑問が残りました。
上場インド株(銘柄コード1549)
連動対象指数 S&P CNX Nifty指数先物(円換算値)
S&P CNX Nifty指数の特長 インドのナショナル証券取引所の代表的株価指数で
時価総額が大きく流動性の高い50銘柄で構成。
浮動株調整後の時価総額比率で加重平均し算出。
実質的な投資先  S&P CNX Nifty指数先物の
直近限月の清算値(米ドル建て)
もう一つの方法として、インドの株価指数に連動を目指すリンク債に投資する手段もありますが、これにはカウンターパーティ・リスク(※2)があります。リーマン・ショックでの信用不安の高まりや、インド当局が2008年にインド株の過熱抑制策として、インド株に連動するリンク債(P-Note)の発行を一時規制した経緯を踏まえると、この方法も躊躇せざるをえませんでした。こうしたことから、当社ではカウンターパーティ・リスクがなく、投資規制も少ないシンガポール証券取引所に上場して活発に売買されているS&P CNX Nifty指数先物に連動させる方法を採用しました。
S&P CNX Nifty指数の構成銘柄上位5銘柄
銘柄名 組入比率(%)
1 リライアンス・インダストリーズ 8.9
2 インド石油ガス公社 8.4
3 インドステイト銀行 5.2
4 タタ・コンサルタンシー・サービシズ 4.9
5 ナショナル・サーマルパワー 4.8
出所:S&Pのデータを基に日興AM作成、2010年8月末時点
(※2)カウンターパーティ・リスク=契約を結んだ相手(カウンターパーティ)に債務不履行が生じたり、契約上の合意が守られなかったりするリスクのこと。信用リスクの一種といえる。
今後も国別ETFのラインナップの拡充を進めていく方針ですか。
今井氏
投資家ニーズを踏まえながら、検討していきたいと考えています。たとえば、ブラジル株やロシア株のETFはニーズがあるのかもしれません。今回の新しい3本のETFを含めると東京証券取引所に上場するETFは97本に増加し、ETFを活用してさまざまな資産クラスに投資したいという投資家の方のニーズにはある程度お応えできるような状況になったのではないでしょうか。このため、今後はさらにたくさんの資金を多くの投資家の皆様にご投資いただけるような環境や仕組みの充実へとステップが移ってくると思います。当社としてもより効率的で投資家の方のためになるような制度作りに向けて意見を提唱するなど、ETF市場のさらなる発展に貢献できるよう尽力したいと思います。

米国、中国、インドの株価推移(現地通貨ベース)

掲載日:2010年月12月13日/株式会社QBR


 
   
    

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