株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

【第51回】新コンセプトの「日本株設備人材投資指数ETF」
機関投資家の認知・啓発へ東証がセミナー開催:iSTOXX/MUTB

東証ETF・ETN活用プロジェクト [ なるほど!ETF・ETN ]

 

iSTOXX MUTB Japan 積極投資企業200インデックス

STOXX リミテッド ディレクター
ロイ・ウォン氏
三菱UFJ信託銀行 資産運用部役員付部長
増田義之氏
STOXX社と三菱UFJ信託銀行との共同開発で安定した高い収益性に着目
ロイ氏

 我々STOXX社はドイツ取引所100%子会社で、1997年から指数プロバイダとして世界的にビジネスを展開しており、ヨーロッパ中心に世界で11,000以上の指数を提供しています。日本では2015年4月に東京事務所を開設し、皆さまとタイムリーなコミュニケーションを取れるような体制を整えています。さまざまなパートナー企業との共同開発もおこなっており、今回開発した「iSTOXX MUTB Japan 積極投資企業200インデックス」も三菱UFJ信託銀行様との共同開発になります。

【STOXX社の概要】
ドイツ取引所の100%子会社として、グローバルに指数を提供

(出所) STOXX社

増田氏

 「iSTOXX MUTB Japan 積極投資企業200インデックス」のポイントは3点あります。1つめは、この指数の開発を指数プロバイダであるSTOXX社様と当社のような指数ユーザーである資産運用会社が共同でおこなっていること。2つめは、安定した高い収益性を維持して、かつ設備人材投資に積極的に取り組んでいる企業に着目したこと。3つめは、売買コストやリバランスのタイミングなど、実際に指数を使う際に注意すべきポイントに配慮していることです。

 まず、収益性スコアに関しては、高いROEの継続性を評価する以下3項目を採用しています。1つめは財務の健全性。借り入れ有利子負債の少なさです。2つめはキャッシュ・フロー収益性。事業用資産を有効に活用できているかといったことに対する評価です。そして最後に利益安定性です。これは過去5年の利益が安定しているかと、その変動性を評価しています。これらを合成して全体で1つの収益性スコアを算出しています。

 続いて設備投資に関するスコアです。こちらも実績は決算財務データから算出するもので「設備投資の変化」「超過設備投資」「研究開発の変化」という3項目に分けています。設備投資と研究開発に関しては過去3年の平均に対して足元で増加しているか、していないかという方向性を評価しています。超過設備投資は減価償却費を上回る投資をおこなっているかどうかに着目しています。

 最後に人材投資スコア。「給与の変化」(給与水準の増加トレンド)、「従業員数の変化」(従業員数の増加トレンド)」、「スキル・モチベーションの向上」(社員の能力開発・スキル向上に積極的かどうか)、「社員が働きやすい環境づくり」(有給取得、時短・フレックスタイム制度など)、「女性の活躍推進」(管理職比率、出産・育児支援制度など)の5項目から構成しています。

組入銘柄には比較的低い2%上限を設ける

 投資ユニバースからウエイトづけまでの流れを説明します(表参照)。当初のユニバースは東証上場全銘柄2,500銘柄ほど。時価総額基準などのSTOXX社のグローバル基準をクリアしたSTOXX JAPAN 600というユニバースからリートを除いたものを採用しています。そのなかから財務の状況や流動性、今回の日銀からの指定があった除外条件を考慮したものを最終的なユニバースとして絞り込んでいます。さらに先ほどの3つのスコアをそれぞれ6:2:2というウエイトづけで加重したものを総合スコアとして定義し、最終的にこのスコアが高い上位200銘柄を抽出して浮動株調整した時価総額でウエイトを決めたものが最終的な指数になります。

積極投資企業200の特徴・優位性 インデックス構築プロセス

(出所) 三菱UFJ信託銀行

 組入上限として2%のキャップを設けています。比較的低いキャップですが、運用する際に個別銘柄のパフォーマンス要因が大きくなるケースがあるのでこれを可能な限り回避するためです。さらには、決算情報の発表タイミングを意識して銘柄入れ替えは6月と12月の年2回としました。6月13日に最新の銘柄入替が発表されましたがその際の回転率は15%でした。過去の実績では年間20%、高い時で30%くらいというのが回転率の傾向です。回転率を抑えるようなバッファルールも組み入れています。

 2008年以降のパフォーマンス推移を見ると、TOPIXを緩やかに上回っている傾向があります。リスク傾向はTOPIXより低く、シャープレシオは高い傾向があります。本指数がスコアではなく直近の実績のROEでどのような数字なっているか、足元の設備投資や平均給与がどのようになっているかを見ると、TOPIXとJPX日経400に比べてROEが高く、設備投資や平均給与の伸びに関しても相対的に高く、それらに前向きに取り組んでいる企業群であることがわかります。

掲載日:2016年07月13日



   
    

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »