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【第52回】大和投資信託の担当者に聞く 東証REIT指数に連動するETFが上場。新ロゴ・キャラクターでETFビジネス注力へ

東証ETF・ETN活用プロジェクト [ なるほど!ETF・ETN ]

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 大和投資信託のETF「ダイワ上場投信-東証 REIT 指数」(1488)が2016年10月、東証に上場した。東証REIT指数を連動対象とするETFが東証に上場するのは約1年ぶり。同ETFを設定したねらいや経緯を改めて聞いた。

ETF強化戦略の一環として組成

大和証券投資信託委託株式会社
商品戦略部 小嶋 慶 氏

 「もともと2016年度から、ETFビジネスをさらに強化していく考えがありました。本ETFの設定・上場もその一環です。Jリートに関しては、政府が日本再興戦略のなかで不動産の流動化を通じた有効活用を進め、資産規模を2020年までに倍増させることを目標にしています。政策の後押しもあることから、今後はもっと魅力的な金融商品になるでしょう。Jリートは本来、為替リスクがない利回り商品で資産形成にとてもフィットします」。

 「ダイワ上場投信-東証 REIT 指数」が上場に至った経緯について、大和投資信託商品戦略部の小嶋慶氏はこのように語った。東証に上場する同社のETFはこれで35本(2016年12月15日現在)。そのうち、レバレッジ型・インバース型が9本ある。とくに個人投資家から人気を集め、常にETFの売買代金上位を占めるカテゴリーである。「2015年はレバレッジ型・インバース型ETFを何本か設定しました。今回ラインナップ拡充を検討するにあたって、利回り商品の中でも政策の後押し等から特に成長が見込まれるものということで東証REIT指数に連動することをめざすETFを組成しました」(小嶋氏)。

コストを抑え指数連動性を向上

 東証REIT指数を連動対象とするETFは、東証全体として本ETFで7本目になる。本ETFの信託報酬は0.155%と7本中で最安となっている(2016年12月15日現在)。

 「ETFに限らずインデックスファンドは、対象となる指数への連動をめざすもの。信託報酬を含めたコストを抑えることは、指数連動性を高めることに直結するため、投資家の皆さまにメリットがあることだと考えています。今後も指数連動性の向上を十分に考慮しなければならないポイントだと考えています」(小嶋氏)。

 とくにネット投資家にとって金融商品のコストはいま、大きな差別化ポイント、判断基準になっている。しかしながらコストに関しては、アクティブ運用とパッシブ運用で考え方の基本が違う。期待リターンを追求するサービスの対価としてコストを払うアクティブ運用商品では、いくらのコスト負担でどのくらいのリターンを得たのか――という費用対効果が問われ、コスト抑制に走るあまり本来の仕事(投資家への付加価値提供)がおろそかになっては本末転倒だ。一方のパッシブ運用では、いかにコストを抑えて高い指数連動性を実現しているのか、が重要になる。

2017年も外部要因による相場変動は続くか

 2016年のJリート市場は、金融政策と政治イベントで大きく相場が左右された年だったといえる。1月末の日銀によるマイナス金利の導入を受けてJリート市場は大幅に上昇した。その後は6月の英国のEU離脱決定で一時大幅下落、7月以降には日銀の金融政策決定会合でJリートの追加介入(購入)がなかったことを嫌気し、緩やかに下落した。11月の米国大統領選挙でトランプ氏が勝利を納めた以降は、米国の長期金利の上昇を受けて日本の長期金利も上がり、それを嫌気して東証REIT指数が下落した。

 「市況全体としてはおとなしめの動きで、ミドルリスク・ミドルリターンの市場としてとらえると、ある意味でJリートらしい動向の1年だったともいえます。一方、Jリートのファンダメンタルズに関しては、都心部賃貸オフィスの空室率は2016年10月現在で3.64%。この1年で1%近く下落したというレポートが出ています。平均賃料は前年比で4.67%上昇。オフィス市況に関しては好調さが続いています」(同ETFの運用担当者)。

 「2017年も16年のトレンドを追従していく感じでしょう。大きく変化することは考えづらい。11月末ぐらいから指数が上昇していますが、その要因としては大手リートのガイダンス(リート側による売上予測)がよかったことが挙げられます。今後注意は必要ですが、オフィス市況の分配金底上げ効果が思った以上に効いてくる可能性があります」(同)。

ETFブランド『Mr.ETF』で訴求進める

 2017年のJリート市場は、マクロ的な外部要因に左右されつつも、ファンダメンタルズは堅調に推移すると同社では見ている。そのようななかで現在は、金融商品・サービスの多様化が進んでいる。資産運用会社(ETFプロバイダー)には、パフォーマンスやコストなどを含めた大きな意味での差別化戦略が求められているわけである。

 「グローバル市場でETFの認知度は高く、金融商品として普及していますが、日本ではどうなのか――私たちの問題意識はまずここにありました。東証のアンケート結果によると、NISAの認知度は80%程度ですが、ETFは20%台。とくに個人投資家の皆さまには、まだまだ広まっていないと認識しています」と小嶋氏。

 「当社がETFビジネスに注力するにあたり、まずはETFそのものの認知を上げる必要があります。そこで2016年12月に、当社ETFラインナップ『ダイワ上場投信』のロゴを刷新して、新たに『Mr.ETF』というキャラクターを設定しました。ETFという金融商品への親近感と、『ダイワ上場投信』への信頼感を持っていただきたいという願いがあります」(同)。

 今後はこのロゴとキャラクターを統一して使い、ネットやセミナーなどでより積極的に情報発信していく予定だ。

【ダイワ上場投信の新ロゴとキャラクター】

【ダイワ上場投信の新ロゴとキャラクター】
ETF全体の認知拡大に向けた情報発信も

 2017年2月には、東証主催のイベント「東証IRフェスタ2017」に出展する。同イベントに出展するのは2008年以来とのこと。同社ではホームページでの情報発信やイベントへの参加を通じて、投資家と直接話しをする機会を増やしていきたいと考えている。「例えば、ETFに投資する場合、株式投資の経験がある方は問題ないと思われますが、一般的な公募投信にだけ投資してきた方が初めてETFに投資する場合は、若干ハードルが高いかもしれません。また、私のような20~30歳代のうちから積極的に資産運用に取り組む必要があるといわれている中で、ETFは運用の透明性やコストの低さといった面で投資の入り口として適している金融商品といえます。投資経験のある方、そうでない方を含めてそのあたりのサポートをしっかりやっていきたいですね。」(小嶋氏)。

 現在のような低金利・低成長の時代には、20~30歳代のうちから積極的に資産運用に取り組む必要がある。ETFは運用体制の透明性が高く運用コストも低い。資産形成の入口として、最適な金融商品のひとつといえるだろう。一方の投資経験者にも、場中に自分の好きなタイミングで売買できる、市場全体に投資できるなどの点で使い勝手がいい。自社商品だけでなくETF全体の認知拡大に向けた情報発信も展開するという大和投資信託に注目していきたい。

掲載日:2016年12月27日



 
   
    

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