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【第22回】カン・チュンド氏に聞く――ETF推定基準価額の活用法 東証ETF

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東証ETF・ETN活用プロジェクト [ なるほど!ETF・ETN ]

【第22回】

晋陽FPオフィス カン・チュンド氏に聞く

ETF推定基準価額の活用法

東京証券取引所が国内証券市場で初となる上場投資信託(ETF)の一口あたり推定純資産額(インディカティブNAV)を4月11日からリアルタイムで算出・配信します。ETFに関する新たな価格の登場とあって、混乱している個人投資家も多いのでは。そこで、インデックスファンドに精通する晋陽FPオフィスのカン・チュンド代表に仕組みや活用法などを分かりやすく説明してもらいました。
インディカティブNAV(推定NAV)とはどういうものですか。
晋陽FPオフィス代表カン・チュンド氏
晋陽FPオフィス代表
カン・チュンド氏
現時点の基準価額の推定価格です。まず、ETFには市場価格と基準価額があり、これらの日々の価格は完全に一致することがありません。なぜなら、市場価格は株式市場の需給で決まり、基準価額はETFの保有資産を基に割り出したファンドの正味価値(理論価格)だからです。この2つの価格を比較することでETFの正味価値に対して株式市場で買われ過ぎているのか、売られ過ぎているのかということが判断できます。
しかし、基準価額は1日一回(証券取引所の取引時間後に公表)の算出のため、リアルタイムで変動する市場価格と比較してもあまり意味がありませんでした。そこで、基準価額の推定値をリアルタイムで算出する推定NAVが導入されることになったというわけです。米国などの海外市場では既に推定NAVのシステムが取り入れられています。
図 ETFの価格
市場価格、基準価額、推定NAVの3つの価格を個人投資家はどのように使い分ければよいのでしょうか。
売買する際は市場価格と、推定NAVの価格を比較して乖離状況を確認します。これにより、ETFを割高・割安な水準で取引するリスクを回避することができます。さらに応用編として、推定NAVを利用した裁定取引の投資機会も広がりました。例えば、市場価格と推定NAVの価格を見比べて、推定NAVより市場価格の方が高い銘柄を売る一方、市場価格の方が安い銘柄を買うといった具合です。ETFの投資魅力の一つは信用取引ができることで、しかもTOPIX先物の信用取引より低コストで売買できます。
基準価額については、正味価値のレコードとして確認する程度でよいのではないでしょうか。
今回、推定NAVの導入が決定したETFの銘柄は国内資産に連動するタイプばかりです。中国やインドなど新興国に関心を持つ個人投資家が増えている中、海外資産に連動を目指すETFの推定NAVニーズも強いと思いますが。
海外資産型のETFは推定NAVと市場価格が乖離するものです。これは時差や為替の影響があるので自然な現象です。国内市場に上場する米国株指数連動型のETFを例に挙げてみましょう。国内と米国では時差の関係で国内市場が取引時間中でも米国株市場は取り引きされていないため、連動を目指す米国株指数は値動きがないので推定NAVに反映されません。しかし、外国為替市場は24時間オープンしているので、為替レートは推定NAVに反映されます。
また、米国株指数に値動きがなくても日本株市場で米国株関連の投資材料が伝わった場合、市場価格が変動することがあります。海外資産に連動を目指すETFは、推定NAVと市場価格が乖離するものだという認識を持つことが必要です。
商品ラインナップの増加、推定NAVの情報提供とETFを取り巻く投資環境は整ってきています。今後の課題は出来高のようですね。
推定NAVを利用した機関投資家によるETFの裁定取引が活発になり、出来高が増加することを期待しています。出来高が増加し流動性が高まれば個人投資家にとっても結果的にメリットになり、ETF市場は活況になるかもしれません。
商品を追加するなら、ある通貨に連動する“通貨ETF”や空売りする“ショートETF”などです。ショートETFは“買うだけで売り建てられる”ユニークさが支持されて米国で現在、人気を集めています。ETFへの投資なので空売りする場合に必要な信用取引口座の開設や証拠金の差し入れが必要ないうえ、決済期限もなく追証の心配もありません。投資家にとっては利便性が高い商品だと思います。
図 ETFの価格
※出所:東京証券取引所
※データは立会市場とToSNeT市場の合計値。
※内国株は東証1部、2部、マザーズの合計値。内国株式には優先株式を含まない。
改めて、ETFの投資魅力とは何でしょうか。
ETFはダイナミックでワクワク感のある新しいタイプの個別株です。TOPIX ETFなら、1回のトレードで約1,700銘柄を売買できるのです。ダイナミックだと思いませんか?ETFは1つの銘柄です。新興諸国の株価指数に連動するETFに投資することは、言い換えれば新興国株式会社に投資するというイメージです。しかし、実際には1銘柄の投資で複数の新興国へ投資ができるという手軽さがあります。こうしたETF本来の魅力を伝えていくには、投資家と直に接点を持つ金融機関の役割が大きいと考えています。
投資魅力が浸透すれば新たな投資家資金を証券市場に呼び込むこともできるのではないでしょうか。例えば、投資家がこれまで金現物へ投資する場合、商品先物会社や貴金属の製造・販売会社に足を運び売買していました。しかし、現在は金価格に連動するETFに投資することも可能です。ETFは将来的に金融機関の預かり資産残高を増加させる切り札的な役割を担う存在になると考えています。
掲載日:2011年月04月8日/株式会社QBR
ETFの推定純資産額(インディカティブNAV)についての詳細は、東京証券取引所ホームページを参照ください。


 
   
    

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