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【第30回】シンプレクス・アセット・マネジメント水嶋社長に聞く――カバードコール戦略のETFが上場。オプション取引のメリットがより身近に 東証ETF

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【第30回】

シンプレクス・アセット・マネジメント水嶋社長に聞く

カバードコール戦略のETFが上場。
オプション取引のメリットがより身近に

2011年12月、日経平均株価を買い持ちしながらコールオプション(買う権利)を売ってオプション料を得る、カバードコール戦略を採用したETFが上場した。シンプレクス・アセット・マネジメントが設定した「日経カバードコール指数上場投信」(1565)である。オプション取引の代表的な投資戦略であるカバードコールをETFとして組成・上場させたねらいはどこにあるのか。仕組みや特徴などを含めて、同社の水嶋浩雅社長に聞いた。
昨年12月に上場した「日経カバードコール指数上場投信」は、東証がいうエンハンスト型指数に連動するETFとして日本初になります。設定・上場の経緯を教えてください。
水嶋氏 シンプレクス・アセット・マネジメント
水嶋浩雅社長
エンハンスト型指数とは、東証では「一定の投資成果を実現するための投資戦略を表現した指数」と説明しています。当社はもう少しシンプルに「投資戦略型ETF」と呼んでいます。設定にあたって考えたことは大きく2つあります。ひとつは、投資戦略型ETFの第1号を当社が設定することに意味があるのではないか、ということ。もうひとつは、投資戦略のなかでも、個人投資家と機関投資家(金融機関)に最も馴染みが深く、活用余地が大きいカバードコール戦略を採用しようということです。
当社は日本市場をホームグラウンドにする独立系の資産運用会社として、日本市場の拡大と活性化に積極的に取り組みたいと常々考えておりました。今までにない指数に連動する新しいタイプのETFの組成にチャレンジしているのもその考え方の一環であります。2009年8月に「WTI原油価格連動型上場投信(WTI原油ETF)」を組成した時も、それまで各種株式指数に連動するものに偏っていた日本のETF市場を、商品の多様化によって活性化させたいという気持ちから組成することを決断したのです。この「WTI原油ETF」の上場により、ETF市場にシンプレクスらしい一石を投じることができ、結果として、国内ETFの多様化が進んだのではないかと考えております。
しかしながら、ETF市場の活性化という観点からみて、現状はまだまだ十分だと考えてはおりません。日本のETFは個人投資家の利用が多く、機関投資家はあまり積極的に利用していないのが現状です。この状況は日本独特のものであり、以前よりこの状況も何とか変えられないものかと考えておりました。
そこで、当社なりの答えのひとつとしてご提案したのが、今回上場した「日経カバードコール指数上場投信」ということになります。
「日経カバードコール指数上場投信」の仕組みと投資家のメリットを教えてください。
2011年6月から算出・公表されている「日経平均カバードコール・インデックス」に連動することをめざすETFです。日経平均株価を買い持ちしながらコールオプション(買う権利)を売って、プレミアムとしてオプション料をもらうカバードコール戦略をETFとして組成したものです。
同インデックスは、日経平均株価を原資産に、その5%上の権利行使価格の翌月物コールオプションを売り建てるケースをモデル化したもの。各限月の取引最終日翌日の特別清算指数(SQ)算出日にコール・オプションを清算するとともに、原資産である日経平均より5%高い水準の権利行使価格で新たにコール・オプションを売る。これを毎月繰り返していく仕組みです。決算は4、7、11、1月の年4回。1カ月ごとに日経平均株価の5%上のコールを売って得たオプション料(プレミアム)と、日経225の配当金の合計を原資として、経費控除後を配当として、3カ月毎に投資家に還元します。
カバードコールはオプション取引の投資戦略のひとつで、一定以上の値上がり益をギブアップする(あきらめる)ことで、そこで得たプレミアムを配当収入にします。本ETFでは、ひと月で日経平均株価が5%を超えて上昇した場合、その分のキャピタルゲインをあきらめる一方で、オプション料を配当として得ることで、投資の損益分岐点を下げることが可能になります。
今後の日本の株式相場を展望した場合、残念ながら中長期で成長を続けると見るのは難しいかもしれません。株価上昇は限定的で、これ以上際限なく下がっていくことも考えづらい――いわば膠着状態の相場が続きそうななかで、どのような資産運用が効果的なのか。こう考えた場合に、オプション料による収益は魅力的と考える投資家は少なくないはずです。
カバードコール戦略はオプション取引の一投資戦略なので、既存の金融商品を組み合わせることで、個人でも取引できます。あえてETFとして組成した意味は?
水嶋氏
その通り、たとえば日経225先物を買って、日経225オプションのコールを売れば、カバードコール戦略のポジションを取ることはできます。しかし、それが多くの個人投資家にとって現実的かどうか、という問題があるでしょう。「売り」のオプション取引を組み入れるので証拠金が必要になりますし、先物取引の取引コストは安価な一方、配当が出ないという大きなデメリットがあります。資金効率性としてどうでしょうか。ETFにすることで、1口10,000円からカバードコールのポジションが取れることは、投資家にとって大きな意味があると思います。
数ある投資戦略のなかからカバードコールを選んだのは、昨今の株式市況にフィットした戦略と考えたことと、冒頭に挙げたETF市場活性化への対応があります。具体的には、個人投資家はもちろん、機関投資家にも活用しやすいETFにできれば、活性化が加速するのではないかと考えました。
日本の多くの金融機関は、企業同士でさまざまな株式を保有していますが、株価が上昇しても方針上、簡単には売れません。逆に下がれば会計上で減損処理します。要は保有する株式の株価が上がっても下がっても、基本的に売買はしないのです。ただ保有しているだけでは非効率なので、保有株式でプレミアムを取って収益化したい、というニーズは昔から根強くありました。日経平均株価だけでなく、カバードコールの私募投信を組成したりして、カバードコールによる配当取りは金融機関にとって馴染みのある投資戦略なのです。
また、ETFにすることで、どの株価レンジでも投資家が自由にポジションを取ることができるようになります。カバードコールという投資戦略をETFとして上場させることで、ポジションを持つタイミングを投資家が選択できるメリットが生まれるわけです。つまり、(1)昨今の相場状況と個人投資家の運用ニーズにフィット(2)機関投資家に馴染みの深い投資戦略(3)ETFにすることで、ポジションを取るタイミングを投資家が任意で選べる。この3点が「日経カバードコール指数上場投信」を組成した大きな背景ということができるでしょう。
掲載日:2012年01月24日/株式会社QBR


 
   
    

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