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日々公表銘柄とは?日々公表銘柄に該当する基準について徹底解説!

 

信用取引では、個別銘柄の売買について、過度な売買を防ぐための取引規制等が実施される場合があります。今回は、このうちの証券取引所による取引規制等である「日々公表銘柄」について、その内容や実施基準について確認していきましょう。

日々公表銘柄とは

証券取引所は信用取引の過度な売買を防ぐために、売買の状況等がある一定の水準に達した銘柄を「日々公表銘柄」に指定し、信用取引の利用に関して投資家に注意を促します。「日々公表銘柄」に指定されると、通常、週に1回発表される信用取引残高が毎営業日発表されることとなります。

日々公表銘柄に指定されただけで信用取引の売買に具体的な制約が入るわけではありませんが、その後の信用取引の状況によっては、委託保証金率の引き上げ(増担保規制)などの取引規制等に進む場合もありますので、売買を行う際や信用取引の建玉を持っている場合には注意が必要です。

日々公表銘柄に指定されている銘柄は各証券取引所のHP等に掲載されていますので確認するようにしましょう。

日々公表銘柄の指定基準

日々公表銘柄は、証券取引所のガイドラインによって指定基準が定められており、信用取引による個別銘柄の取引状況を判定する4つの基準のいずれかに該当した銘柄が日々公表銘柄として指定されます。それでは、それぞれの基準について詳しく見ていきましょう。

残高基準

残高基準は、主に信用取引の残高に着目した基準で、次のいずれかに該当する場合に日々公表銘柄に指定されます。

①.上場株式数に対する信用取引の売り残高の比率が10%以上で、かつ、信用取引の買い残高に対する売り残高の比率が60%以上
②上場株式数に対する信用取引の買い残高の比率が20%以上

信用取引売買比率基準

信用取引売買比率基準は、主に売買高に対する信用取引の新規売り付け(買い付け)数量の比率に着目した基準です。3営業日連続で、各営業日の株価と各営業日時点の25日移動平均株価との乖離が30%以上となっている銘柄で、かつ、次のいずれかに該当する場合に日々公表銘柄に指定されます。

①3営業日連続して、信用取引の新規売付比率が20%以上
※各営業日の株価が各営業日時点の25日移動平均株価未満の場合に限る
②3営業日連続して、信用取引の新規買付比率が40%以上
※各営業日の株価が各営業日時点の25日移動平均株価を超過している場合に限る

売買回転率基準

売買回転率基準は、主に上場株式数に対する信用取引の売買数量に着目した基準です。1営業日の株価とその時点の25日移動平均株価との乖離が20%以上であり、かつ、次のいずれかに該当する場合に日々公表銘柄に指定されます。

①当該営業日の売買高が上場株式数以上、かつ、当該営業日の信用取引の新規売付比率が30%以上
※当該営業日の株価が当該営業日時点の25日移動平均株価未満の場合に限る
②当該営業日の売買高が上場株式数以上、かつ、当該営業日の信用取引の新規買付比率が60%以上
※当該営業日の株価が当該営業日時点の25日移動平均株価を超過している場合に限る

特例基準

以上の3つの基準いずれにも該当しない場合であっても、取引所が信用取引の利用状況や銘柄の特性を考慮して必要と判断した場合には、日々公表銘柄に指定されることとなります。

日々公表銘柄解除の基準

日々公表銘柄の指定に関する取引所のガイドラインには、日々公表銘柄から解除する際の基準も定められており、以下の基準の全てに該当することとなった場合には、日々公表の指定から解除されます。

①5営業日連続して売残高の対上場株式数比率が8%未満である場合
②5営業日連続して買残高の対上場株式数比率が16%未満である場合
③5営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が15%未満である場合
※ただし、以下の場合は乖離率15%未満とみなす
・指定基準該当日の株価が25日移動平均株価を超過していた場合において、各営業日の株価が25日移動平均株価未満の場合
・指定基準該当日の株価が25日移動平均株価未満の場合において、各営業日の株価が25日移動平均株価を超過している場合

なお、上記解除基準の全てに該当した場合であっても、取引所が信用取引の利用状況や銘柄の特性を考慮して必要と判断した場合には、指定は解除されないこととなります。

日々公表銘柄に指定された場合の注意点

日々公表銘柄に指定されたということは、何らかの要因で信用取引による売買の動向に過熱感が出ている、またはその傾向がある、ということが推察されます。まずは、その銘柄の情報を収集し、事態を把握するようにしましょう。

また、日々公表銘柄は信用取引の「売りが多い状態」「買いが多い状態」どちらの状態も考えられます。取引所から発表される信用取引残高から基準の該当状況を確認しましょう。信用取引の建玉に偏りがある場合には、今後、手仕舞いによる売買(売り残高は買戻し、買い残高は転売)が膨らむことも考えられますので、毎営業日発表される信用取引残高を継続的にチェックして常に最新の状況を把握することが大切です。

加えて、繰り返しになりますが、日々公表銘柄に指定されるような状況が継続していくと、次の段階である増担保規制等の実際の規制措置に進んでいくことも考えられます。増担保規制が発動されると、委託保証金率の状況によっては追加の担保差入が必要となる状況も考えられますので、改めてご自身の委託保証金率の状況等を確認の上、余裕を持った運用を心がけるようにしましょう。

まとめ

以上のように日々公表銘柄は、信用取引による売買が過熱している状態であり、取引所が信用取引の過度な利用を未然に防止するために、投資家に注意を促す措置といえます。日々公表銘柄を随時チェックし、保有している銘柄や、これから保有しようと考えている銘柄が日々公表銘柄に指定されていないか、また、指定された場合には、毎営業日発表される信用取引残高をしっかり把握して、慎重な投資を行うよう心がけましょう。

監修:日本証券金融株式会社

   
    

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