MRKHLD Research Memo(5):第3四半期単独期間は大幅増収増益、営業利益黒字転換で着地

2019年02月20日 15時35分

■業績動向と今後の見通し

1. 2019年3月期第3四半期決算
(1) 決算の概要
MRKホールディングス<9980>の2019年3月期第3四半期(累計期間)決算は、売上高13,353百万円(前年同期比26.8%増)、営業損失153百万円(前年同期は393百万円の利益)、経常損失180百万円(同341百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失482百万円(同505百万円の利益)で着地した。

同社は第2四半期決算において大幅な損失を計上したため第3四半期累計でも上述のような損失決算となったが、第3四半期単独期間(10-12月期)は、売上高4,734百万円(前年同期比47.2%増)、営業利益366百万円(前年同期は121百万円の損失)、経常利益385百万円(前年同期は119百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益222百万円(前年同期は118百万円お損失)と大幅増収増益となり、営業利益以下の各利益項目で黒字転換を果たした。

四半期ベースで見た場合、今第3四半期(10-12月期)は決算期変更後(2013年3月期から3月決算に変更)の第3四半期として過去最高の営業利益となった。また、同社の業績には強い季節性があり、10-12月期は営業損失を計上することが多かったが、今第3四半期決算では10-12月期として10年ぶりに営業黒字を確保した。

前述のように同社は2018年3月にエンジェリーベを子会社化し、2018年3月期第4四半期から業績に取り込んだ。第3四半期同士の比較では、今第3四半期はエンジェリーベ(セグメントとしてはマタニティ及びベビー関連事業)の寄与によって売上高が大きく押し上げられ、前年同期比50%近い増収となった。一方利益面では、ひとえに主力の婦人下着及び関連事業の収益性の改善によって営業利益の黒字転換を果たした。

(2)事業セグメント別動向

主力の婦人下着及び関連事業セグメントの第3四半期単独期間は、売上高4,009百万円(前年同期比24.6%増)、営業利益368百万円(前年同期は121百万円の損失)となった。

売上高の大幅増収は、主力製品の『カーヴィシャス』の好調によるところが大きい。同社は2017年11月にそれまでの主力製品だった『カリーユ』シリーズを一新し『カーヴィシャス』を発表した。発表直後からカーヴィシャスは既存顧客はもちろん新規顧客からも好評をもって迎えられ、2019年3月期はカーヴィシャスの本格的な増販を狙って臨んだが上期(第2四半期累計期間)は供給体制が整わず大きな機会損失を招いた。しかし第3四半期は安定供給体制が整ったことで『カーヴィシャス』を中心に同社の製品に対する強い需要を取り込むことに成功した。新製品の発売に合わせてテレビCM等のメディアプロモーションを強化したほか、中長期持続的成長への取り組みの一環で、店舗の移転・改装も進めた。これらの施策が奏功し、今第3四半期は、既存店売上高は前年同期比18.9%増、移転・改装店舗の売上高は同24.6%増と、商品戦略と店舗戦略がともに期待通りの成果を上げた。利益面では、十分な生産体制のもとで、『カーヴィシャス』を中心に売上高が大幅に伸びたことで売上総利益率が改善し、営業利益の黒字転換を果たした。

マタニティ及びベビー関連事業の第3四半期単独期間は売上高730百万円、営業損失2百万円で着地した。売上高については自社ECサイト及び大手ショッピングモールでの販売が堅調に推移する中、一般のママたちの投票による「マザーズセレクション対象2018」(一般社団法人日本マザーズ協会主催)を受賞した。賞発表(2018年11月20日)以降の受注が急増し、2018年12月のマタニティ事業の売上高は前年同月比で18.2%増となった。またベビー事業も12月は前年同月比68.1%増と大幅に伸長した。利益面では、物流体制見直しなど、中長期的な成長を見据えた体制作りに投資を行ったため、若干の営業損失での着地となった。


第3四半期の好調で通期予想達成の確度が大きく上昇。一方で再現性の確認や先行投資加速の可能性にも注目
2. 2019年3月期通期見通し
2019年3月期通期について同社は、売上高18,600百万円(前期比24.7%増)、営業利益145百万円(同83.9%減)、経常損失110百万円(前期は771百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失390百万円(前期は1,528百万円の利益)と、増収減益を予想している。

同社は2019年3月期第2四半期決算が5億円を超える営業損失となったことを踏まえて通期の業績見通しを下方修正した。第2四半期決算の営業損失の理由は、収益拡大のけん引役として期待した『カーヴィシャス』について、生産体制の構築が遅れ需要に見合った供給を行えなかったことが原因だ。『カーヴィシャス』について機会損失を招いて売上を計画対比で大きく減らす一方、客離れを防ぐために旧製品を対象に値引き販売を行ったため売上総利益率が低下した。そうした負の循環で第2四半期決算は社内計画を大きく下回り、519百万円の営業損失を計上するに至った。しかしそうした第2四半期の不振は原因が“カーヴィシャスの供給能力不足”と極めて明確であったため、同社は国内協力工場の確保などを進め、第2四半期末までには生産体制を整えた。そうして臨んだ第3四半期単独期間(10-12月期)に大幅増収増益を達成したのは前述の通りだ。

第3四半期単独期間の増収増益の結果、通期予想を達成するために必要な第4四半期(1-3月期)の売上高、利益のハードルは大きく低下した。売上高は5,246百万円(前年同期比19.6%増)が必要だが、金額ベースでは前年同期比859百万円の増収が必要となる。しかし、エンジェリーベの連結寄与分が、前年第4四半期は1か月分だったのに対して今第4四半期は3か月分となり、その差は約5~6億円と推定される。したがって、婦人下着及び関連事業における増収額は約2.5億円~3.5億円(約6%~9%)の増収で十分ということになる。同社の四半期ベース業績の過去推移を見ると、中間期末、本決算期末を抱える第2、第4四半期に収益が大きく伸びる傾向が明確に読み取れる。こうした点に照らせば、第4四半期の売上目標は十分達成できると考えられる。

同じことは利益面でも当てはまる。通期予想の達成に必要な第4四半期の営業利益は298百万円だ。これは前年第4四半期の営業利益506百万円よりも40%以上少なく、直前今第3四半期の営業利益366百万円よりも20%近く少ない水準だ。仮に、マタニティ及びベビー関連事業の営業利益をゼロとし、第4四半期に必要な営業利益を婦人下着及び関連事業セグメントだけで稼ぎ出すと仮定しても、その際の営業利益率は6%台後半(一例を挙げれば、婦人下着及び関連事業セグメントの売上高が4,400百万円の時の営業利益率は6.8%)となる。前述のように、第3四半期は売上総利益率が改善(52.1%%)し、この水準は売上高が一段と伸びる第4四半期も十分維持できると考えられる。セグメント営業利益率が第3四半期単独期間の実績(9.2%)から2%ポイント以上も急落する可能性は、通常であればかなり低いと言えよう。

以上のように見てくると、通期業績予想の達成の可能性は十分にあると言えよう。では、現在の業績予想に対して上方修正となるかについては、現時点では慎重に考えている。ポイントの1つは第3四半期の業績の再現性の確認だ。前述のように、『カーヴィシャス』は発表直後から好評で新規顧客も多数取り込んだ。しかしながら供給能力が不足していたため、第2四半期までの間に、顧客の中に“飢餓感”が醸成され、それが第3四半期単独期間(10-12月期)の売上を押し上げた可能性がある。すなわち、第3四半期における婦人下着及び関連事業の売上高の前年同期比25%増収は一時的なオーバーシュートであるということだ。この仮説が正しい場合には、第4四半期にはその反動が出る可能性がある。ポイントの2つめは先行投資の加速の可能性だ。同社は持続的成長の実現を目指して店舗の移転・改装を進めている(詳細は後述)。これを前倒しで加速させてくる可能性もあり、その場合には移転・改装費用が利益の伸びを圧迫することになる。現時点では“第3四半期決算を経て、通期予想の達成可能性が非常に高まった”という段階でとどめておくべきというのが弊社の考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)




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