米国株大幅反発で安心感

2020年09月10日 12時17分

[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;23152.36;+119.82TOPIX;1616.26;+10.86

[後場の投資戦略]

 株式市場を内側から見るだけでなく、株式市場の外で何が起きているのか、何が注目されているかを探ることも大切だとして、7日付の当欄では、金(ゴールド)先物価格が米国株の急落にほとんど反応していないことを指摘した。

 今回は原油についてごく簡単に考えてみる。ここにきて原油価格の下落が顕著だ。
昨日はNY原油先物市場でWTI10月物が5営業日ぶりに反発したが、前日8日は一時1バレル36.13ドルと、期近物として6月中旬以来ほぼ3カ月ぶりの安値を付けた。原油価格下落の要因は様々なものが指摘されている。新型コロナウイルス感染拡大による外出控えの長期化や、夏のドライブシーズン終了による需要減、あるいは、原油減産を巡るOPEC加盟国や協力国との足並みの乱れやサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの販売価格引き下げ観測などだ。

 ただ、市場ではあまり話題にならないが、もうひとつ重要な視点があるように感じる。米大統領選挙だ。トランプ大統領とバイデン候補の主張で違いが際立つ分野のひとつが地球温暖化など環境問題だとされている。トランプ大統領が環境問題に消極的な姿勢であるのに対し、バイデン氏は公約で環境インフラ部門に4年間で2兆ドルという過去最大規模の資金を投じるとしており、また、「パリ協定」には即時復帰するとしている。バイデン政権となれば原油需要が一段と減少すると見られているようだ。
株式市場は米大統領選に意外と無頓着だが、原油市場は米大統領選の動向を注視し始めているのかもしれない。

 原油安が株式市場にもたらす影響は小さくない。原油価格は景気動向を反映することからその下落は景気低迷を示唆する。さらに、オイルマネーの株式市場からの引き揚げ懸念や、米国シェール産出企業の経営悪化懸念が金融市場を揺さぶる可能性も否定できない。原油市場から送られてくるシグナルをしっかり受け止める必要がありそうだ。

 さて、後場の東京市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。日経平均は前場の早い時間帯に高値を形成した後はやや上値が重くなり、戻り一巡感も指摘された。また、今晩は米国で新規失業保険申請件数が発表され、明日の東京市場はメジャーSQとなる。こうしたイベントを控え、後場はやや見送りムードが強くなる可能性もありそうだ。


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