日経平均は小幅反発、「手控え」裏腹にそれぞれ勝機見出そうとする動きも

2020年09月18日 12時19分

 日経平均は小幅反発。6.63円高の23326.00円(出来高概算5億3000万株)で前場の取引を終えている。

 17日の米株式市場でNYダウは反落し、130ドル安となった。前の日の連邦公開市場委員会(FOMC)でゼロ金利が長期にわたり据え置かれることが確認されたものの、量的緩和(QE)拡大の壁が高いことが明らかになり、失望感が広がった。建機のキャタピラーや化学のダウ・ケミカルなど景気敏感株の一角が割安感から買われたものの、ハイテク株の調整が続き、ナスダック総合指数は1.3%の下落となった。本日の東京株式市場でもこうした流れから売り買いが交錯。日経平均は1円高からスタートすると、朝方に23398.46円(79.09円高)まで上昇する場面もあったが、その後一時マイナスに転じるなど一進一退の展開となった。為替相場が1ドル=104円台後半と円高方向に振れていることが重しとなる一方、物色動向からは菅新政権への期待感も窺えた。

 個別では、ソニー<6758>が堅調で、任天堂<7974>やトヨタ自<7203>は小じっかり。
東京ディズニーランドの新エリア開業を発表したOLC<4661>のほか、JR東<9020>
やNEC<6701>、富士通<6702>の上げが目立つ。三井住友<8316>などのメガバンク株は小高い。また、業績上方修正のアレンザHD<3546>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、売買代金トップのソフトバンクG<9984>が続落。通信のソフトバンク<9434>やKDDI<9433>、半導体関連のレーザーテック<6920>は軟調ぶりが目立つ。クスリのアオキ<3549>は好決算ながら材料出尽くし感から大きく下落。また、ワタベ<4696>や千趣会<8165>が東証1部下落率上位に顔を出している。

 セクターでは、海運業、空運業、陸運業などが上昇率上位。半面、情報・通信業、ゴム製品、証券などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の65%、対して値下がり銘柄は29%となっている。

 本日の日経平均は前日終値を挟み方向感に乏しい展開となっている。前日の米市場ではNYダウ、ナスダック総合指数とも下落しているが、日本株は相対的にバリュー
(割安)株の存在感が大きいこと、そもそも米国株に比べ出遅れ感があったことから、連れ安とはなりづらいようだ。とはいえ米国株が下落すれば上値追いの材料に賭けることは確かで、米ハイテク株安の影響を受けるソフトバンクGの下落は日経平均の押し下げ要因となる。米連邦公開市場委員会(FOMC)と前後してドル・円相場の上昇が続いていることも気掛かりだ。日経平均の日足チャートを見ると、前日から23400円台に位置する5日移動平均線と23200円近辺に位置する25日移動平均線に挟まれた狭いレンジでの値動きとなっており、上にも下にも動きづらいことが窺える。

 売買代金上位を見ると、株価水準こそ高いものの期待材料の多い任天堂やソニーといったゲーム関連株、菅新政権によるデジタル化推進の追い風が期待できるNECや富士通といったITサービス関連株が買いを集めている。また、JR東やOLCは個別に材料が浮上しているとはいえ、やはり観光需要創出策など政策の追い風期待が買いの手掛かりとなっている可能性がある。業種別騰落率を見ると、海運のようなシクリカル(景気敏感系)バリュー株が堅調。ただ、化学株などは株価純資産倍率(PBR)1倍近辺に到達しているものが少なくなく、より出遅れ感の強い銘柄に資金シフトしている印象。東証1部全体としては値上がり銘柄が6割を超え、東証株価指数(TOPIX)は前引け時点で0.22%の上昇とまずまずしっかり。ここまでの東証1部売買代金は1兆円を下回っている。

 新興市場ではマザーズ指数が小幅続落。ただ、米ハイテク株が軟調だった割に、前引け時点のマザーズ指数の下落率は0.2%未満にとどまる。1160pt台に位置する5日移動平均線を割り込むことなく、高値圏をキープしている。機関投資家が出遅れ銘柄に資金シフトする一方、個人投資家の新興ハイテク株に対する期待は根強いことが再確認できる。機関投資家の影響が相対的に小さいため、ナスダック総合指数に比べ強い値動きを維持できているものと考えられる。オンライン資格講座のKIYO<7353>がストップ高を付けており、「ウィズコロナ」意識がなお高いことも窺える。

 株式市場全体として一段の上値を追う手掛かりに欠けるうえ、日本は明日から4連休となるため、積極的な売買を手控える向きは多い。後場の日経平均は小動きにとどまるだろう。とはいえ、機関投資家、個人投資家とも「政策推進」「出遅れ修正」「ウィズコロナ継続」といったそれぞれの見方に物色の手掛かりを見出そうとしていることがわかる。物色の方向感はなかなか定まりにくいだろうが、市場全体に漂う手控えムードとは裏腹に市場参加者の買い意欲は根強いとも言えそうだ。
(小林大純)


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