トランプの功績とは?【フィスコ・コラム】

2020年10月25日 09時00分

米大統領選を目前に控えた世論調査によると、民主党候補のバイデン前副大統領の勝利にムードが傾きつつあるようです。対する共和党のトランプ大統領は敗色濃厚。少し早いかもしれませんが、同大統領の功績とは何だったのか振り返ります。


メディアによる直近の調査で、バイデン氏のトランプ氏へのリードは開く一方です。両候補の対話集会の視聴者数は、バイデン氏が100万人も上回りました。どちらに投票をするか決めていない有権者は前回2016年の選挙の半分程度に減少しており、最終段階でトランプ支持を決めた層が勝利をもたらした4年前とは様相が異なる、と伝えられます。それが本当なら、逆転の可能性は相当低くなります。


10月下旬の時点で、バイデン氏は大票田のフロリダを落としても勝利は確実視されます。一方、トランプ氏は共和党が強いテキサス、ノースカロライナ、ジョージア、アイオワ、ネバダを制し、さらに激戦州のフロリダとオハイオ、アリゾナなどを押さえなければならない厳しい状況に追い込まれています。少なくとも、上下両院選も含め共和党の全勝は困難との見方が定着しつつあるようです。


4年前、実業家でテレビタレントだったトランプ氏の立候補などジョークの1つとみられていたのが、次第にブームを巻き起こして勝利。本選の結果判明後に時間を置いて聴衆の前に姿を現した際、自身も「信じられない」といった表情だったのが印象的でした。ツイッターを政権運営の主要ツールとして駆使した初の大統領で、その常識外れの言動に当初は唖然とさせられ、金融市場も振り回されました。


自由貿易主義の旗手だったはずのアメリカが、サミットなどで1国だけ保護主義を主張し始めます。が、グローバリズムが必ずしも富につながらないというトランプ氏の持論は、立ち止まって考える契機にもなりました。


もちろん、トランプ氏自身は個人的な野心や功名心、並外れた自己顕示欲を原動力としているのがわかります。気に食わない相手を言葉や活字で罵倒するクセもいただけません。しかし、前任者を全否定するかのように内政も外交もことごとく正反対の政策を進めるなど、他国では考えられないことです。そういう規格外のタイプを国家のリーダーに選出したのは、ある意味でアメリカの懐(ふところ)の深さと言えます。


動画サイトではトランプ氏の講演で支持者が熱狂するシーンが確認できるため、同氏劣勢の報道は必ずしも信用できないものの、旗色が相当に悪いのは事実かもしれません。このままいけば、父ブッシュ氏以来の再選失敗という不名誉な大統領になるでしょう。ただ、戦争に消極的だったことなどは歴代の大統領と決定的に異なり、評価されてもいいはず。いえ、さらに大きな功績が他にあります。それは…。(次回に続く)


※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。


(吉池 威)


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