明日の株式相場に向けて=「半導体関連」リターンズ

2021年04月01日 17時00分

 名実ともに新年度入りとなった1日の東京株式市場は、ハイテク株などを対象にリスクを取る動きが優勢となり、日経平均株価は210円高の2万9388円と反発した。前場中ごろに400円以上の上昇をみせる場面もあった。後場は急速に伸び悩む動きとなったが、2万9000円台前半は買い板が厚く、大引けまで値を消すというようなことはなかった。もっとも、値下がり銘柄数が1260あまりに達し、値上がり銘柄数を400も上回る状況にあり、お世辞にも強い地合いであったとはいえない。これまでリバウンド局面にあった景気敏感株に利益確定の売りが広がったことによる。きょうの相場の主役は半導体関連株で、久々のエース登板という趣きだった。

 ここ物色対象がグロース株とバリュー株の間で揺れ動き、個別株も日替わりで目まぐるしく主役が変わるが、半導体セクターの主力級の銘柄については3月下旬あたりから徐々に資金が還流する動きが見られていた。しかし、戻り売りも厚く一本調子の戻りは期待しにくいという見方が市場関係者の間では根強かった。ところが、前日に半導体製造装置のシンボルストックである東京エレクトロン<8035.T>が上場来最高値を更新したほか、きょうはアドバンテスト<6857.T>も2月22日の9880円を払拭し1万円大台を回復、実質的に最高値圏といってもいいような2000年9月以来約20年半ぶりの高値圏に浮上した。

 これは、バイデン政権が掲げる政策期待がもたらした米株市場での半導体株高に追随する動きだった。バイデン政権は先の1兆9000億ドルの追加経済対策に続き、3月31日には総額2兆ドルを超える規模のインフラ投資を軸とした成長戦略を打ち出している。EVの充電インフラ拡充のほか、デジタルインフラに重点を置いていることがポイントで、「そこで恩恵を受けるのが半導体産業、とりわけ半導体製造装置メーカーという見方が強い」(ネット証券アナリスト)という。半導体は需給逼迫状態にあり、半導体不足が自動車の生産に影響を与えるなど、問題解決に向けた迅速な対応が必須となっている。

 大きな政府を標榜する民主党ならではの大盤振る舞いが続くが、これには増税案もセットとなっていて、現行の21%から28%への法人税の引き上げなど株式市場からの視点ではネガティブな要素がある。しかし、足もとで政策の恩恵に浴する企業にとって株価の押し上げ要因であることに変わりなく、差し当たってEVや5G、それらを支える半導体関連株は強力なフォローの風に背中を押されている状態だ。

 前日の米国株市場では、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が反発し直近の戻り高値を上回ってきた。そのなかで輝きを放ったのが半導体製造装置世界トップのアプライドマテリアルズで、同社株は5.4%の大幅高で上場来高値を更新した。このパフォーマンスに続いたのが東エレクやアドバンテスト、そしてグローバルニッチトップの筆頭であるレーザーテック<6920.T>だった。レーザーテクはまだ最高値には届かないが、あと500円強の上昇で青空圏に突入する。

 半導体関連では中小型株の戻りが相対的に遅れているが、早晩見直される銘柄も多くなりそうだ。その意味では今が草刈りのチャンスとみている中小型株ファンドも多いであろう。半導体製造装置関連では野村マイクロ・サイエンス<6254.T>は業績も絶好調であり、昨年12月につけた上場来高値奪回を目指す展開も十分に考えられる。半導体検査器具(プローブカード)を手掛ける日本電子材料<6855.T>は中期波動の分水嶺である75日移動平均線を上回ってきたところで、追撃買いが可能だ。また、昨年夏場以降、急勾配の上昇トレンドを形成してきたフェローテックホールディングス<6890.T>も、最近の2200円近辺を軸とした高値圏もみ合いを上放れる気配を漂わせている。

 半導体関連以外では、米インフラ投資の恩恵を直接受けるわけではないが、EVと5G双方のテーマに絡み、上記フェローテクとも資本業務提携している大泉製作所<6618.T>や、自動車や電機など製造業向け人材派遣を手掛ける日総工産<6569.T>などの押し目に着目。また、光学機器を製造販売し、教育ICTをテーマに電子黒板などで商機を得ているテクノホライゾン<6629.T>もマークしておきたい。

 あすのスケジュールでは、3月のマネタリーベースが朝方取引開始前に日銀から発表される。海外では3月の米雇用統計への注目度が高い。また、香港、台湾、シンガポールなどアジア主要株市場や英、独、仏など欧州主要株市場、米国株市場などが休場となる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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