国内株式市場見通し:決算シーズン中盤、景気ピークアウト懸念くすぶるなかISMやPMIに注目

2021年07月31日 15時37分

■往って来いで下落、200日線を大きく割り込む

今週の日経平均は往って来いで結局下落。国内が祝日の関係で連休の間、米株式市場では過度な警戒感が後退する動きが継続。急低下していた米長期金利が反発したことで景気減速懸念が和らいだほか、企業の好決算が相次ぎ業績期待も膨らんだ。主要株価指数が週末にかけて4日続伸し史上最高値を更新していた流れを受けて、週明けの日経平均も大幅に続伸、一時は28000円を回復した。しかし、その後は戻り待ちの売りに押され上げ幅を大きく縮小。

翌27日も、米国の主要株価指数が連日史上最高値を更新した追い風を受け一時は28000円を回復するも、前日同様に28000円を維持できなかった。国内の新型コロナウイルスの感染動向や、当局の規制強化により株価の下落が続く中国株の動向などを見極めたいとの思惑が様子見ムードを強めた。

28日から29日かけてはもみ合いとなった。米国での新型コロナ・デルタ株流行への警戒感や日本国内でも連日コロナ新規感染者数が過去最多を記録していたことが重しとなった。一方、日米ともに一部の企業の好決算などが下支えした。また、海外メディアの報道により中国当局による規制強化への懸念が和らいだことも投資家心理の改善に寄与した。なお、28日にかけて開かれていた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、従来通り粘り強く金融緩和を続ける方針などが確認され無難に通過した。

しかし、週末は再び大きく崩れた。日本国内のコロナ新規感染者数が初めて1万人を超えたほか、東京都などに発令済みの緊急事態宣言が8月末まで延長され、首都圏3県と大阪府も追加される方針と伝わったことで投資家心理が悪化。さらに、月末最終営業日の株安アノマリーが意識されたほか、ファナック<6954>などの主力株が決算後に大幅に下落したことも重しとなった。日経平均は200日移動平均線を大きく割り込んで週を終えた。

■決算発表1100社以上、株高持続性には乏しい

来週の日経平均はもみ合いか。企業決算が来週だけで1100社以上予定されている。日本国内でのコロナ感染動向や政権求心力の低下など先行き不透明感は依然として継続。また、新型コロナ・デルタ株の流行は海外でも顕著で、世界経済の回復に対するピークアウト懸念もくすぶったまま。外部環境に不安定さが伴うなか、来週も決算を受けた個別株物色にとどまりそうだ。

今週から4-6月期決算発表が本格化。これまでを振り返ってみると、まず、製造業を中心に決算は予想通り良好だった。一方、株価反応となると明暗が分かれ、サプライズの度合いが物を言った。第1四半期実績や上方修正後の計画値が市場予想を大幅に上振れるなどサプライズがあるものはストレートに好感された一方、上振れ度合いが小幅なものは物足りなさから好決算でも売られるものが多かった。また、気懸かりなのは決算後に買われても株高の持続性が弱い点だ。アドバンテスト<6857>などは好決算を機に株価が大幅に上昇したものの翌日は買いが続かず失速。月末最終営業日で株安アノマリーが重しとなった可能性もあるが、そのほか、週前半に急伸した銘柄でも上昇分の多くを消してしまうものが目立った。好決算でも大幅なサプライズでない限り売られ、高いハードルを超えて買われたものも失速してしまう。今の地合いの悪さを象徴しているようだ。好決算で株価が上昇しても一気に飛びつかず、騰勢が維持されるかを確認しながら徐々にポジションを積み増すなど慎重な姿勢が求められよう。

そのほか、来週は、中国で財新製造業PMI(購買担当者景気指数)、米国では全米供給管理協会が公表するISM製造業・非製造業景況指数、週末には米雇用統計などが発表される。足元で景気減速懸念が高まっているだけにPMIやISMには注目したい。一方、雇用統計も注目ではあるが、先日の7月FOMC後、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は最大雇用の目標には「まだ遠い」としたほか、利上げ開始時期については「ずっと先であることは明白」などと発言した。量的緩和の縮小(テーパリング)や利上げの前倒しに対する懸念は後退してきている様子で、企業決算が注目されるなか、波乱要因にはなりにくいと考えられる。

■相対的に安心感のあるところは・・・

米4-6月GDP(国内総生産)速報値は前期比年率6.5%増と、市場予想の8.4%増を大幅に下回った。一方、個人消費は11.8%増と前四半期に続いて高い伸びとなった。米国の企業決算と株価反応をみても、力強い個人消費の回復に伴い、ツイッターやスナップチャット、グーグルを傘下にもつアルファベットなどオンライン広告を手掛ける企業、部材不足や供給網の制約を受けない企業の方が、株価上昇が目立っている印象。日本企業についても、これまでの製造業決算への厳しい反応なども考慮すると、部材不足や景気ピークアウト懸念との関わりが薄いセクターへの投資の方が奏功しやすいかもしれない。

■中国財新製造業PMI、米ISM景況指数、米雇用統計など

来週は8月2日に7月新車販売台数、中国7月財新製造業PMI、米7月ISM製造業景況指数、3日に米6月製造業受注、4日に米7月ADP全米雇用リポート、米7月ISM非製造業景況指数、5日に米6月貿易収支、6日に6月毎月勤労統計調査、6月景気動向指数、米7月雇用統計などが予定されている。




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