明日の株式相場に向けて=「政局不安」でも「選挙」は買い

2021年09月02日 17時00分

 きょう(2日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比92円高の2万8543円と4日続伸。月末安アノマリーを打破してから、日経平均は見違えるように強い足をみせてはいるが、複数の市場関係者に話しを聞いても明確な答えが返ってこない。出遅れ修正といえばその通りだが、このタイミングで日経平均が2万8000円台半ばまで水準を切り上げる背景がはっきりしない。空売り買い戻しが原動力になっていることは確かのようだが、ではその買い戻しを急がせる理由として考えられるのは何か。漠然とだが、売り方が恐れるとすれば相場の活力となる変化。選挙が近いということが相場に浮揚力を与えている。

 政局のゴタゴタが実際に株式市場にどういう影響を与えるのか、ここから秋の総裁選に向けて思惑が錯綜しそうだ。菅首相はデジタル庁の創設など縦割り行政にメスを入れ、国益に反するアンシャンレジームからの脱却にそれなりの功績は認められるのだが、いかんせんコロナ対応で失敗したイメージが強すぎて、国民からの人気は地を這った状態にある。今回の自民党役員人事と内閣改造も、このタイミングで行うのは普通に考えても違和感満載であることは確かだ。

 前日の東京市場では日経平均が361円高と意外高を演じた。今月半ばにも衆院解散・総選挙が行われるという見方がにわかに広がったことが売り方の買い戻しを誘発したのだが、市場関係者からは「これは“菅おろし”の動きが大きくならないうちに半ば強引に総裁選より前にやってしまおうという菅首相の意思が働いた。しかし、事前に地ならしのつもりでメディアを使ってリークしたら、あまりにも反響が大きすぎた。ここまでのブーイングの嵐は想定していなかったのではないか」(中堅証券ストラテジスト)という声があった。昨日午前の記者会見で菅首相が「(新型コロナの蔓延など)現在のような厳しい状況では解散できる状況ではない」という発言は、胸の内とは逆だったということになる。

 今回の内閣改造は、一種の踏み絵にもなっている。もし閣僚ポストを提示されて断った場合、菅首相が総裁選で残った際には、俗に言う“冷や飯を食わされる”可能性が高いからだ。最初から不退転の決意を示す岸田前政調会長はともかく、普通の感覚であればここで反旗を翻したくはない。最大派閥の領袖である安倍前首相(細田派)は、政権交代時に恩義がある菅首相を推すことはほぼ確実で、二階派も一枚岩でない可能性はあるが菅氏を推す。「党員・党友を含めたフルスペックの総裁選であっても、菅首相が残る可能性が6割くらいある」(ネット証券アナリスト)というのが今の情勢という。国民の人気度はメディア誘導による部分が大きく、移ろいやすい。河野太郎規制改革相についても「今回の文春報道(パワハラ疑惑)を受け国民支持率が変化するのではないか」(同)という。永田町のパワーバランスを考えれば、結局総裁選で勝利するのは菅首相という形で収まる可能性がある。

 その先に来る秋の総選挙がカギを握ることになるが、これもかなり織り込みが進んでおり、相場への影響はそれほど大きくないという声が強い。自民党が大幅に議席を減らすことは確実視されるが、現状は自民党単独過半数割れでもプラス公明党で過半数維持、というのがメインシナリオ。最悪、自民・公明で過半数割れとなっても連立によって政権交代は阻止するというコース。市場では「株式市場が(解散総選挙の結果を)どのシナリオまで織り込んでいるかは不明だが、いずれにしても相場に波乱をもたらすようなことにはならないだろう。結果として解散総選挙シーズンは買いという経験則だけが生きることになる」(準大手証券ストラテジスト)という楽観的な見解も示されている。

 個別株はAI関連株に流れが来ている。FRONTEO<2158.T>など先駆組は上昇一服となっているが、ビッグデータ分析のデータセクション<3905.T>が動意。ブレインパッド<3655.T>も陽線は逃したもののしぶとくプラス圏で着地。同銘柄と似たような足をみせているのがシグマクシス<6088.T>できょうで12連騰、しかも全部陽線である。AI関連株で改めて注目したいのがサイオス<3744.T>。業績好調が際立っており700円近辺の時価は拾い場と思われる。このほかアートスパークホールディングス<3663.T>も押し目買い妙味。官公庁向けWiFiに実績を持つNo.1<3562.T>もマークしたい。

 あすのスケジュールでは、9月の日銀当座預金増減要因見込み、3カ月物国庫短期証券の入札など。海外では、8月の財新中国非製造業PMI、7月のユーロ圏小売売上高、8月の米雇用統計、8月の米ISM非製造業景況感指数が発表される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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